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提案


 アキツシマの風景は、どこか日本的な雰囲気を感じさせる。

 鳥居のようなものがが並んでいたり、神社らしき者がところどころに配置されていたり。

 リィンスガヤでは石造建築が一般的だが、アキツシマでは木造が主流だ。

 恐らくは日本と同様、湿気や地震の対策としてこのような文化が育っていったのだろう。


(街並み的には、江戸時代とかに近いかな……)


 二階建て三階建ての建物はほとんどなく、街には平屋が立ち並んでいる。

 麻布の服は青や緑に染められており、黒髪の人間が多い。

 どこか異世界情緒を感じさせるのは、中にピンクや青の派手髪の人間もいるところだ。


「それではまず、昼食にいたしましょう」


 ハクシが連れてきてくれたのは、高級な価格帯のアキツシマ式の料亭だった。

 タケルはミヤヒに箸の使い方を仕込まれているし、ハルトやレンゲは純アキツシマ人だ。そしてトッドは、前世知識でもちろん使える。

 結果として料理には、ライエンバッハだけが悪戦苦闘することとなった。


 それからは馬車による移動だ。

 進路は港町から東へ取っており、そのままアキツシマの王である皇家のいる、皇都アキツシマへと向かう。


「皇家の人間がお会いになるなんて……殿下って本当に殿下だったんですねぇ」

「そりゃそうさ、だって殿下なんだから」


 ハルトと頭の悪い会話をしながら、トッドはアキツシマという国についての認識を、ハルトやハクシ達と摺り合わせていく。


 ハクシは今回、こちら側の人間だ。 

 ある程度腹を割って話しておく必要もあるだろう。


「アキツシマには皇家という王がいる。けれど王の権力はそれほど強くはなく、各地は大名と呼ばれる武士達によって実質的に支配されている」

「敢えて直截に言うなら、統治の正統性を担保するために、皇家という神輿を担いでいるとも言えちゃいますね」


 皇家としては、有力な大名達の力を削ぎ、再び強い権勢を持ちたい。

 そのためにリィンスガヤと組むかどうかと言われると、少し微妙なところだ。

 流石に皇の人間も、外の勢力と手を組むほどに切羽詰まってはいないだろう。

 自分が権力を得るために外患を呼び寄せてしまっては、権力どころの話ではなくなってしまう。


 ハクシもいるのでこの場で言うことはないが、トッドはここにリィンスガヤの思惑と、更に自分の思惑も重ねて考えなければならない。


 リィンスガヤとしては、アキツシマが下手な考えに出ないよう牽制する必要がある。可能であればそこに、タケルが皇家を継げるようになるだけの素地を作るという副次的な目的もある。

 そしてトッドとしては、自分がアキツシマにいる間に封印が解けかかっているはずのヤマタノオロチを討伐する必要があった。


(僕達の力を見せつけ、タケルの存在を目立たせ、ヤマタノオロチを倒す……これを一つ一つ解決していくとなると、かなり難しい)


 だが既に、トッドは解決策を盛ってきている。

 それは――これら三つを、全てを同時にやってしまうということだ。


 ということでハクシさんには、そのために協力してもらうことにする。

 トッドは忙しくなるぞ、と笑いながらこう告げた。


「ハクシさん、各地の大名やその名代を呼び集めてくれませんか? 僕らとしては手助けついでに、タケル率いるリィンスガヤの部隊の力を見せたいのです。その力を見せるためにうってつけな敵がいるということを、小耳に挟みまして……ヤマタノオロチの封印、そろそろヤバいんじゃないですか?」




拙作『豚貴族は未来を切り開くようです』第一巻が6/25に発売致します!


挿絵(By みてみん)


作品の今後にも関わってきますので、書店で見かけた際はぜひ一度手に取って見てください!


また書店ごとに特典ssも複数あり、電子書籍版もございますので、ぜひ気に入ったものをご購入いただければと思います!

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