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私が占い師になった理由。  作者: 月灯
第七章 過去と未来をつなぐ旅
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134話 護る力と、信じる力 - 星の神殿への道

✪読んでくださり、ありがとうございます。

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静かな山道。


木々の間を吹き抜ける風が、時折、葉をざわめかせる。


マコトとエリオットは、星の神殿を目指して歩を進めていた。


ただし、道中はただの旅ではなかった。




「……よし。じゃあ、次は“重心”の話だ」


「またですか、マコト師匠。もう何度目かと」


「聞き飽きるくらいが丁度いい。お前の体は、まだ“守る者”の構えになってない」




エリオットはため息をつきながらも、構えを取り直す。


「“守る者”とは言いますが……私は剣を持たぬ者。魔法と杖でどう護るのか、まだ答えが見えません」


マコトは木の枝をひょいと拾い、それを“敵”に見立てて振り下ろす。


エリオットは即座に杖を構え、防御魔法の結界を展開。

透明な膜のような光が、マコトの攻撃を軽く弾く。




「ふむ。だいぶ良くなった」


「けれど、結界は張って終わりではない。仲間の後方に立って、彼らの動きを読む必要がある。それが難しい」


「……だが、お前の家系はずっとそうしてきたんだろ。“盾”で在り続けてきた。なら、忘れるな。お前の役目は、“命を守ること”だ」


エリオットの顔に、少しだけ決意の色が宿る。


「……はい。ありがとうございます。師匠」


マコトは腕を組み、やや険しい表情を見せる。




「それにしても、お前の結界の展開速度……以前よりかなり上がってるな。何があった?」


エリオットはふと微笑んだ。


「たぶん、アリアを“守りたい”と思ったから、でしょうか」


「……やれやれ」


マコトは頭をかきながら、それでもどこか満足そうにうなずいた。


「なら、なおさら精進しろ。お前が倒れたら、誰も守れん」


「ええ、肝に銘じます」


2人の間に、静かな風が吹いた。




やがて、木々の向こうに小高い丘が見えてくる。


「もうすぐだな。星の神殿……」


マコトが呟く。


「ええ。アリアたちも、そろそろ着く頃でしょう」


空は少しずつ、夕暮れに向かって色を変えはじめていた。




「……そうだ、エリオット。最後にもう一つ。実戦を想定して、防御だけじゃなく“受け流し”の稽古もやっておけ」


「このタイミングで!?」


「甘えるな。歩きながらでもできる」


マコトが不敵に笑い、再び木の枝を振り上げる。


エリオットが苦笑しつつ、杖を構えて応じる。




星の神殿へ向かう旅路。

それは、“護る力”と“信じる力”を鍛える道でもあった。


2人の歩みは、やがてアリアたちと交差していく──




──135話へつづく



※このお話の舞台はヨーロッパ風異世界であり、現実世界の歴史とは一切関わりありません。

作中に出てくる 国・文化・習慣・宗教・風俗・医療・政治等は全てフィクションであり、架空のものです。

あくまで創作上の設定としてお楽しみいただけますと幸いです。

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