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【不遇令嬢はエルフになりたい】〜介護要員として辺境の祖父の屋敷で働くよう命じられたが、ざまぁする間もなく実家が没落した件〜  作者: 一富士 眞冬
第2章

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237.宴会⑦(辺境と傭兵)

「ウランさん、ノアさんたちはヴェルメイリオ卿の依頼で辺境まで赴いているということですが、辺境では今、何が起こっているのですか?」

 お祖父(じい)さまのことは、ここではヴェルメイリオ卿と呼んでおく。


「いいよ、そんなに丁寧に話さなくても。辺境で何が起きているか──って、どういう意味だい?」

「傭兵団が依頼で動くということは、狂暴な魔物がたくさん出たとか、敵性勢力が侵攻してきたとか、何かが起きているんですよね?」

 お祖父様が体調を崩されているのも、それと関係あるのかもしれない。


「ああ、そういう意味か」

 ウランさんは合点がいったように言う。

「深刻そうにするから何かと思った。ノアたち第一部隊は、辺境伯様に旅のお供を頼まれただけさ」


 旅……?

 お祖父様、具合が悪くて介護が必要だったのでは……?


「辺境伯様ご自身が、護衛を連れて旅に出られているということですか……?」

「ああ。ときどき依頼があるんだ。ヴェルメイリオ卿は元冒険者だから、普通の貴族様と違って、どこにでも自分で(おもむ)くんだよ。

 いつもは領地内の散歩のようなものだが、今回はちょっと遠出らしくてな。場合によっては長丁場になるかもしれないと聞いている」

 領地内の散歩──って、いわゆる領内の視察のことかしら。

「ごめんごめん! 傭兵団が動くなんて、知らない者が聞いたら戦の前触れかと思うよな」


 実際はそういう不穏な話ではないらしい。

 普通なら、護衛には領地の兵を動員するものだが、領内の兵を動かしたくない辺境伯は、いつも外から人を集めるのだ、とウランさんは語った。

「経済を回す狙いもあるんだろうけどな」

 あと、信頼できる自領の兵士は、可能な限り領内に残しておきたいのだろう。


「護衛任務って、冒険者に依頼するものだと思ってました」

「普通は、な」

 王都周辺では、貴族が遠出するときや、商人が行商に出るときなどは、冒険者ギルドに護衛募集の依頼が出される。

 王都に住んでいる貴族でも、郊外に領地を持っている者は、定期的に往復を余儀なくされるのだ。

 もちろん、貴族には従士がいるし、商人も子飼いの護衛兵を契約しているため、依頼の数自体は多くはない。ほとんどが数合わせか、予算の都合からである。


 自領から護衛の兵を募れば、領内の警備が手薄になる。

 旅先で事件や事故などがあって死傷者が出れば、後の補償やら何やらで心痛の種となる。

 そこまで深刻なケースでなくても、単純に人手不足という貴族も少なくはない。

 足りない分は、単発の依頼を出して冒険者を雇ったほうが安上がりなのである。それに冒険者の場合は、最初から危険手当込みの依頼料であるから、後腐れもない。

 地域によっては、旅慣れた冒険者のほうが頼りになる場合も多いことから、普通は冒険者ギルドに依頼が出されるのだ。


 一方、傭兵というのは、大概どこかの軍団や部隊に所属しているものである。雇うには、一つの集団単位で雇わなければならないので、こちらも相当な費用がかかる。

 けれど単騎(ソロ)の傭兵を雇うくらいならば、冒険者のほうがマシである──というのが、護衛を必要とする人間の見解らしい。


 傭兵は、魔物相手の討伐やダンジョンの探索ではなく、対人戦闘で稼いでいる。

 その上、名誉よりも命と金を重視する生き物なのである。

 金品で寝返る確立が、冒険者よりも高いというのが定説なのだ。

(貴族の騎士や従士とは、相性悪そうだしね)

 考え方が水と油なので、互いに打ち解けることもないだろう。

拙作をお読みいただき、ありがとうございます。

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