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妣島サバイバル研修集団失踪事件におけるウラシマ現象 ~生還者に居場所はない

あらすじ
三村 大知は『妣島(ははじま)サバイバル研修集団失踪事件』で30年ぶりに生還した1人だった。
政府機関に隔離され、2カ月にも及ぶのあらゆる検査を終え、ようやくこちら側に還ってきたというのに、心は曇ったままだ。

かつての恋人、波多 真智子をドライブに連れ出し、悩みをぶつけることにする。
真智子もまた、妣島でなにがあったのか母親のように問いかけるのだが、三村は子どもっぽくはぐらかすしかない。
カーラジオから流れてきた音楽番組『大泉 仁志のミュージックG-LOC』でさえ、この集団失踪事件のことについて、あれこれ憶測で発言するほど、世間をにぎわせていた。

ディスクジョッキーたちの無責任なトークに苛立ちを憶えた三村は、ラジオ局に抗議の電話をかける。
応対したディレクターは、むしろ番組人気に火がつくと思い、三村に出演の交渉をする。
そして生放送中、三村はスペシャルゲストとしてスタジオに飛び入り参加。ついに政府にも洩らさなかった集団失踪事件での真相を語りはじめる……。

「――まるでトラバサミに挟まれたも同然だった。おれたちは罠にかかったんだ」

三村たちは浦島太郎と同じく、異界へ行き、手厚いもてなしを受けたという。乙姫のような美女との契りまで交わしてしまった。
しかしそれは超えてはいけない一線だった。彼らは罰を受けたのだと告白するのだった……。
奇想天外な現代の龍宮城とは何か? そして謎の腰蓑姿の美女たちの狙いとは?



※本作は夏のホラー2022企画作です。テーマは『ラジオ』。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
Nコード
N8384HT
作者名
尾妻 和宥
キーワード
R15 残酷な描写あり シリアス パラレルワールド 年の差 伝奇 ミステリー ディストピア 夏のホラー2022 自己喪失 民俗学 島ネタ 奇想天外
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2022年 08月07日 03時00分
最終掲載日
2022年 08月13日 06時12分
感想
6件
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136pt
評価ポイント
96pt
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文字数
52,858文字
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