ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生駒莉緒、現代社会を精一杯生きております 〜 壊れ配信者の前日譚 〜

あらすじ
 
 生駒莉緒、22歳。普通に大学生活を送り、ウェブデザイン関係の会社に何とか就職した、ごくごく普通の社会人。

 莉緒の日常は、絵に描いたような「ありふれた」毎日の連続だった。朝は満員電車に揺られて会社へ向かい、事務仕事や作業をこなし、仕事終わりに職場の同僚と立ち飲み屋で愚痴をこぼす程度。

 そこには希望や野心といった言葉は微塵もなく、目の前の現実をやり過ごすための乾いた諦念だけが漂っていた。

  時には夜の公園でブランコに揺られ、子供の頃の無邪気さを思い出そうと試みるも、すぐに現実の重みに引き戻される。

「あの頃のように無邪気に笑えたらいいのにな⋯⋯」

 淡い願望は、常に社会の冷たい現実に打ち消されていた。

 自宅に戻れば、ビール片手にパソコンを立ち上げ、趣味のゲーム配信を始め視聴者不在だろうとはしゃぐ。彼女にとって、重苦しい現実へのちょっとした抵抗なのか。

 ここでは現実の自分とは違う。もう少しだけ自由で‥‥もう少しだけ本音を語れる自分がいた。しかしその配信も、いつしか「日常」の一部となって、新鮮味と熱狂も薄れていく。

 莉緒は、画面越しの小さな承認欲求を満たすだけの行為が、いつしか虚しく感じられるようになっていた。 酒と配信。それは莉緒にとっては現実の退屈さから逃れるための、ささやかな避難場所だったに過ぎなかった。

 この物語はそんな生駒莉緒が、ありふれた日常の中で「自分だけの特別」を見つけ出すまでの、ささやかで⋯⋯そして少しだけ心騒がす物語。
Nコード
N7427LJ
作者名
モモル24号
キーワード
R15 残酷な描写あり ドリコム大賞4 123大賞7 秋の文芸展2025 会社員 真守葉摘シリーズ ホラーコメディ
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2025年 11月23日 11時20分
最新掲載日
2025年 12月13日 09時08分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
2件
総合評価
24pt
評価ポイント
20pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
9,798文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N7886LI| 作品情報| 連載(全20エピソード) | アクション〔文芸〕
   拙者の名はたくあん侍と申す。  少し前にごぼう持ちが流行っていた。その前は人参だったか。我ら根菜は、細長いイメージから刀や剣に見立てられやすい。武具として、得物としてではなく、侍として望まれた。  まさにこれ//
N6044LM| 作品情報| 短編| 童話〔その他〕
 遠い遠い宇宙の果て。  そこには新しく生まれた星たちの集まる学校がありました。  星たちが、夜空できらきら煌めくための勉強をしています。  ニューは小さな星の中でも特に輝きが弱く、いつも「落ちこぼれの星屑」と//
N7427LJ| 作品情報| 連載(全5エピソード) | ホラー〔文芸〕
   生駒莉緒、22歳。普通に大学生活を送り、ウェブデザイン関係の会社に何とか就職した、ごくごく普通の社会人。  莉緒の日常は、絵に描いたような「ありふれた」毎日の連続だった。朝は満員電車に揺られて会社へ向かい、事務仕//
N1784LM| 作品情報| 短編| 童話〔その他〕
キラキラと煌めく夜空のキラキラ星生まれの少女クエスは、光を集める闇の魔女ノワットによって、闇の底星へと攫われてしまいました。  闇の底星の牢獄は寒くて暗くて静かでした。そこにはクエスと同じように闇に囚われたカケルがい//
N7911LL| 作品情報| 短編| ハイファンタジー〔ファンタジー〕
 美咲は母、美代が処分しようとした思い出の品、猫型木彫人形のオルゴールを修理し受け取る。自転車に乗って家に帰る途中、降り出した豪雨を避け雨宿りしている最中、事故に遭った──はずだった。  不思議な輝きと共にやって来た//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ