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松茸が生える在り処は誰も教えてくれない【その猟場って人骨が山積みされてて、まじキモい場所なんですけどw 過去にここで大量殺戮事件があったって本当ですか? ちょっと人としていかがなものかと思いますぅ】

あらすじ
信州の田舎に住む長田 治彦は、祖父、丁次と松茸狩りに出かけた。
先祖より代々受け継いできた、松茸が異様に採れる秘密の猟場を教えてくれるというのだ。
そこは女人禁制として知られる霊山のなかにあった。深く分け入り、次元を越えた先には『行者転ばし』と呼ばれる窪地があり、たしかに立派な松茸が所せましと生えていた。こんな光景はお目にかかれるものではない。

しかし窪地には、いつの時代のものかすら定かではない人骨の山が築かれていた。足の踏み場もないほど、松茸に負けず散乱していた。
丁次いわく、『行者転ばし』には身の毛もよだつ歴史があるのだという。松茸は殺された人々の怨みと呪詛、人骨の栄養素まで吸い取って生長しているかのようだった。
たしかに星の数ほどの松茸を摘み取ることができた。これだけあればかなりの稼ぎになるはずだ。

丁次はさらに言うのだった。
じつは松茸以上のお宝が、ここから先にある『入らず山』の神域に眠っているという。
「いまからそこに潜入する。この獲物さえ採ることができたら、おまえは一生安泰だ。多少危険がつきまとうが、それに見合うどころか、ありあまる財産を築くことができるはずだ。それは――不老不死の秘薬となるモノだ」
とはいえそこは恐るべき魔所だった。しかも禁断の山には山姫がうろついていたのだ……。



※参考文献
『図解雑学こんなに面白い民俗学』八木 透・政岡 伸洋 ナツメ社
『知れば恐ろしい日本人の風習』千葉 公慈 河出文庫
『本当は怖い 日本の風習としきたり』日本の風習としきたり研究会 イースト・プレス
『山の人生』柳田 国男 岩波文庫
『魔の系譜』谷川 健一 講談社学術文庫
『神隠し 異界からのいざない』小松 和彦 弘文堂
『山怪 山人が語る不思議な話』田中 康弘 山と渓谷社
『山怪・弐 山人が語る不思議な話』田中 康弘 山と渓谷社
『ラスト・マタギ 志田 忠儀・98歳の生活と意見』志田 忠儀 角川書店
『邂逅の森』熊谷 達也 文春文庫
『日本人の異界観』小松 和彦 せりか書房
『異人論序説』赤坂 憲雄 ちくま学芸文庫
『日本伝説名彙』柳田 国男監修 日本放送協会編
『タイガーフォース』マイケル・サラ/ミッチ・ウェイス(著)伊藤 延司(翻訳) WAVE出版
Nコード
N4506EV
作者名
尾妻 和宥
キーワード
R15 ボーイズラブ 残酷な描写あり シリアス 男主人公 現代 職業もの 日常 ハードボイルド サスペンス 怪談 民俗学 じじい無双 飯テロ
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2018年 06月23日 07時51分
最新掲載日
2019年 06月10日 15時00分
感想
7件
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