ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『最後の音』

短編
あらすじ
銀縁の丸眼鏡をした男が白鷺館の門をくぐった。
春の空気はまだ冷たかったが、頬を撫でてくる風に対して鬱陶しそうに軽く手を振るだけで彼は言葉を発することなくそのまま足を進めた。
男の名は、名倉響一。髪は黒く七三に分ければ整った髪型になるだろうに、無造作に撫でつけただけなのだろう、やや癖が目立っていた。濃紺の羽織の襟元からは白いシャツの端が覗き、灰色の袴の足元は黒の革靴という装いはどれも高価というわけではないが手入れが行き届いている。まるでこの日の為に下ろしたように。
響一は周りを見渡しながら進んでいく。石畳の道の両脇には枝垂れ桜が咲き始めていた。花びらはまだ硬く、風に揺れても散ることはない。だが、その蕾の間をすり抜ける風はどこか湿り気を帯びていた。遠くで誰かが炭を焚いているのか、微かに煤の匂いが混じっているのを感じ、響一は細い眉を一瞬だけ不快そうに上げたが、少し鼻をこすって気にしないように努めた。
Nコード
N4137LQ
作者名
百花繚乱
キーワード
ミステリー 異世界 大正時代
ジャンル
詩〔その他〕
掲載日
2026年 01月14日 09時52分
最終更新日
2026年 01月14日 12時50分
感想
3件
レビュー
3件
ブックマーク登録
6件
総合評価
58pt
評価ポイント
46pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
16,249文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N8500LT| 作品情報| 連載(全6エピソード) | その他〔その他〕
警視庁捜査一課の刑事・柴崎遼には、誰にも言えない異常がある。人と目を合わせた瞬間、その人物が“別の世界で踏み越えた犯罪の瞬間”がフラッシュのように視えるのだ。それは未来予知ではない。今この瞬間、最も濃くなった“犯罪の分岐//
N5427LQ| 作品情報| 連載(全14エピソード) | 異世界〔恋愛〕
冬至の夜、 名前を失うはずだった少女リラは、 無口な公爵セドリックに呼ばれ続けたことで、 世界に“残る”ことを選んだ。 ——これは、その後の物語。 契約は終わったはずだった。 期限も越えた。 それでも、彼女の名前は完//
N7385LQ| 作品情報| 連載(全14エピソード) | ローファンタジー〔ファンタジー〕
王都の城壁補修現場で、現場監督カイルは地盤の危険を訴えた。だが「納期優先」「魔法補強で十分」と押し切られ、雨季の前倒しで崩落事故が発生。止めようとしたはずのカイルだけが責任を負わされ、追放されてしまう。 流れ着いた辺境の//
N6271LQ| 作品情報| 連載(全40エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
宮廷料理人レインは、王の体調を優先した“地味な料理”を出したことで、晩餐会の失敗の責任を押し付けられ追放された。二年間の王都立ち入り禁止という条件を逆手に取り、彼が向かったのは辺境の小さな村。 そこで始めたのは、一日一皿//
N0772LT| 作品情報| 連載(全5エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
インドの路地裏で育った少年は、学校にも行かず、家計を支える兄の背中を見ながら生きていた。 遊びでも仕事でもない時間の中で、少年が繰り返していたのは、壁に向かってボールを打つこと。 それが「クリケット」だと知ったのは、才能//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ