- あらすじ
- 「ライザル様ぁ、ボクと踊ってくれませんかぁ?」
「ライザル様ぁ、私もライザル様と踊りたいですぅ」
「私は誰とも踊るつもりはない。他を当たってくれ」
貴族学園主催のダンスパーティーが始まると同時に、第三王子殿下であらせられるライザル殿下のところに、オメガの令息と令嬢たちが一斉に群がってフェロモンを放った。
だが、ライザル殿下はそんなオメガたちを、氷のように冷たい青い眼で見下ろしている。
ライザル殿下はオメガ嫌いで有名だからな……。
まあ、毎日のようにあんな節操なくフェロモンを振り撒かれたら、嫌気が差すのもさもありなんといったところだけど。
それだけライザル殿下が、アルファの中でも抜きん出たカリスマ性を持っているということなのだろう。
『第二の性』と呼ばれるアルファ・ベータ・オメガが定義されてから幾星霜。
今や第二の性は、人間としての序列を如実に表す指針になっていた。
アルファは所謂上位種で、容姿・頭脳・身体能力、全てにおいて他の種を圧倒している神のような存在。
ベータは一般種で、これといった特徴はなく、人類の大半はベータに該当する。
――そしてオメガは劣等種。
オメガの最大の特徴として、男女問わず妊娠する機能を有していることが挙げられる。
しかもアルファを前にすると、獣のように発情してしまい所構わずフェロモンを発してしまうので、卑しい存在として世間から忌避されているのだ。
だからこそ、自分がオメガであることを隠している人間も多い――。
「ウェッジ、ちょっといいかしら」
「え? あ、はい、何でしょうかバニア様」
その時だった。
俺の婚約者であるバニア様が、眉間に皺を寄せながら、俺に声を掛けてきた。
バ、バニア様……?
「ウェッジ、ただ今をもって、あなたとの婚約を破棄するわッ!」
「「「――!!」」」
会場中に響き渡るほどの大声で、バニア様はハッキリとそう宣言した。
そ、そんな――!!
「……どういうことでしょうかバニア様」
「どうもこうもなくってよ。理由は自分の胸に手を当てて、よおく考えてごらんなさい」
「――!」
まさか……。
「あなた、オメガでしょ?」
「「「――!!」」」
※カクヨムにも転載してます。 - Nコード
- N3636JC
- シリーズ
- ラブソングス
- 作者名
- 間咲正樹
- キーワード
- R15 ボーイズラブ ハッピーエンド 123大賞6 スピアノベルス大賞1 パッシュ大賞 アイリスIF7大賞 オメガバース/BL 婚約破棄 ざまぁ スパダリ/高身長 じれじれ 男主人公/一人称 異世界恋愛小説 エンターテイメント ざまあ ネトコン13感想
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2024年 06月07日 21時02分
- 感想
- 19件
- レビュー
- 3件
- ブックマーク登録
- 66件
- 総合評価
- 1,084pt
- 評価ポイント
- 952pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 6,203文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オメガという理由で婚約破棄された俺は、何故かオメガ嫌いの第三王子から溺愛されることに……!?
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N3427LD|
作品情報|
連載(全84エピソード)
|
現実世界〔恋愛〕
彼女の名前はサマミ。
そして、彼氏の名前はダリオ。
ごく普通の二人はごく普通の恋をし、ごく普通の恋人になりました。
でも、ただ一つ違っていたのは……彼女は魔女だったのです。
――しかも重度のヤンデレでした。
※カクヨム//
N6995LL|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
「ジェイミー、今この時をもって、君との婚約を破棄する!」
「「「――!!」」」
国中の貴族が一堂に会する煌びやかな夜会の最中。
第二王子であるルーサーの婚約破棄宣言が、高らかに響き渡った。
「……どういうことでし//
N8389LK|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
「クリスティーン、最初にこれだけは言っておく。――私が君を愛することはない」
「フザけるな!」
――スパーン!
「ぶべら!?」
辺境伯であるアダムと、伯爵令嬢クリスティーンの結婚初日。
アダムの「君を愛するこ//
N2221LJ|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
侯爵令嬢のジーナはある日、貴族学園の食堂で、一人寂しく黒パンを齧っている、メアリーという女子生徒を見掛ける。
ジーナがメアリーに話を聞いてみると、メアリーの家は貴族とは名ばかりの、没落寸前の男爵家なので、貴族学園の高級な//
N8095LH|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
「イーディス、いってくるよ」
「はい、ランドル様、どうかご無事で……」
イーディスの婚約者であるランドルは、隣国との戦争のため旅立っていった――。
イーディスはランドルの帰りを待つ間、食事も喉を通らず、夜もろくに眠//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。