- あらすじ
- ――ん?
朝、おれは小さくため息をつきながらオフィスへ足を踏み入れた。湿気をたっぷり含んだ空気が肌にまとわりつき、空はどんよりと重い雲に覆われていた。こういう日は気分が沈むものだ。別に何か悪いことが起きる予感がするわけでもないのだが。
と思っていたのに、違和感に足が止まった。
灯りはいつもどおり煌々と点いているのに、しんと静まり返っていたのだ。
誰もいない――ふいに、小学生の頃の記憶が脳裏に浮かんだ。台風で自宅待機になっていたのに、それを知らずに登校してしまい、入口の前で一人立ち尽くした、あの日の感覚だ。
だが今日は台風どころか風もほとんど吹いていなかった。
「なんでだ……」
「おっ」
独り言のつもりで呟いた声に反応があった。思わず肩が跳ね、顔を向けた。すると、デスクの陰から後輩の立木がひょいと顔を出した。
おれは胸を撫で下ろし、頬を緩めて歩み寄った。
- Nコード
- N2449LT
- 作者名
- 雉白書屋
- キーワード
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- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 02月11日 11時00分
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- 文字数
- 3,844文字
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おれは予言者 :約4000文字
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