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中山晋平記念館を訪れる

長野県の中野市に、中山晋平記念館がある。今まで看板は何度も見ていたが、立ち寄ったことはなかった。今回、ふと思い立って行ってみた。


中山晋平は有名な作曲家である。中山晋平の名は知らなくても、その作った歌は、沢山知ってるはずだ。・シャボン玉(野口雨情作詞)・てるてる坊主(浅原鑑村作詞)・あめふり(北原白秋作詞)・東京音頭(西條八十作詞)……などである。その中山晋平の生まれが下高井郡新野村(現中野市)であり、記念館が造られたのだという。


晋平は学校で合奏隊に入り、音楽的な目覚めがあったらしい。それから新野神社で行う式三番叟で笛を吹き、これは大人顔負けの上手さだったという。この式三番叟というのは、能の『翁』で演じられる演目の一つなのだが、地域の神楽の中で三番叟が演じられてるのは珍しく、しかも現在も保存会が続けてるらしい。正直、これだけはまた別で見たいくらいだ。


で、晋平は学校を卒業して、教員をしていた。この頃は16歳で教員ができたらしく、若い晋平は教員をしながらも音楽への夢を捨てきれないでいた。で、そんな時、劇作家の島村抱月が東京で書生を求めてることを知る。晋平はそれで、東京に出て島村抱月の書生となったのだった。


これは非常に大きな転機で、書生をしながら、晋平は東京音楽校予科に入学する。そして島村抱月は女優・松井須磨子と『芸術座』を立ちあげるのだが、晋平もそれに関わるのだ。ちなみに松井須磨子は長野市松代の出で、中野市とは結構近い距離だ。長野の二人が、島村抱月に深く関わったというのが、とても面白い。


この芸術座の演目、『復活』(トルストイ原作)の劇中歌を、抱月は晋平に依頼する。依頼内容は、古い日本風のものではなく、けど西洋音楽でもない、そんな新機軸の作品だ。苦労の末できた作品が、『カチューシャの唄』で、これは劇中で松井須磨子が歌い、大ヒットになった。レコードも製作された。


この流れを見ていて、出会いが人生を変える――って事が、本当にあるんだなあと改めて思った。ちなみに島村抱月が死去した後、松井須磨子は後追い自殺する。そんな事があるか……と思った。色々刺激のあった見学だった。


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