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千野栄一とクンデラとチャペック

ラジオを聴いていたら、『ニッポン人物・ア・ラ・百年』という番組があって、それが取り上げたのが「千野栄一」だった。どんな人? と思って聞いてみた。


言語学に興味があって、東京外国語大学に行ってロシア語を専攻する。その時に、同級生が既に何国語か使えて、幾つもの言語で書かれた原著を沢山並べてどれが面白かったという話をしている姿に衝撃を受けた。で、本人は発奮して十数ヶ国語をマスターし、最終的にチェコ語を専門にすることになる。


この千野栄一が脚光を浴びたのが80年代に入ってからで、ほとんど情報のなかった東欧諸国の文化事情などを紹介することで一躍注目を浴びたという。そして大きな転機になったのが、チェコの作家ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』を訳したことだった。


…と、ここまで聴いて、「おお、クンデラ!」とか思ったのだ。僕の若い時、クンデラというのは、一つのステイタスのような作家だった。『存在の耐えられない軽さ』は映画にもなり、一躍ヒットした作品だった。クンデラのその知的なスタイルには、少なからず憧れた。


しかし、それを訳した千野栄一という人については、全然知らなかったのだ。そんな事があったとは――と思って聞いてると、「カレル・チャペックの紹介者」とも言ってるではないか。カレル・チャペックというのは、SFを書く人なら知っておかなければいけない名前だ。なにせ『ロボット』という言葉を造った人なのだから。


で、改めて千野栄一さんのウィキを呼んでみると、カレル・チャペックの『ロボット(R.U.R)』(岩波文庫)を訳しているではないか! それによく見ると、カフカの『アメリカ』(新潮社 カフカ全集4)も訳している。これはかなりの仕事だ。そして日本チャペック兄弟協会を設立し、その会長になったという。


カレル・チャペックと言えば『山椒魚戦争』だ。これはSFの古典と言われるが、古典すぎて僕も読んでない。ちょっと恥ずかしい。しかしウィキを読むと、その内容はナチス批判であり、お兄さんのヨゼフ・チャペックはナチス批判して捕まり、収容所で亡くなっている。なんかチャペックについて、もっと知らなきゃいけないな、と思ったのであった。


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