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悪役令嬢ものについて考える

いわゆる「悪役令嬢もの」。僕がまったく興味をもたないタイプのジャンルだと思っていたのだけど、『悪役令嬢転生おじさん』という不可解なアニメが始まり、なんだかそのジャンルの一端に触れることになった。で、『悪役令嬢転生おじさん』は、面白い。が、そもそもの「悪役令嬢もの」ってどんなだ? そんな疑問が生じたので、それっぽい漫画を借りてみた。


『悪役令嬢は隣国王太子に溺愛される』というのが、その作品である。話は、主人公は自分のやってた乙女ゲームの世界に転生するが、悪役令嬢だった――である。で、ゲーム主役ヒロインの子と、主人公の婚約者の王子がゲームの展開上仲良くなってしまい、悪役令嬢は今までの悪役ぶりを糾弾され、断罪される――という展開が待っているという事が判っている。


で、結局のところその断罪の理由は、社会常識的な通念がない主役に注意を与えただけで、別に悪意あるパワハラではない。けど、王子とヒロインは結託して、主人公の令嬢を断罪しようとする。しかしその理不尽な物言いに周囲も気づき始め、さらに主人公が次ゲームのメインキャラとして気になっていた隣国の王太子が、突如、主人公に求婚してくる――という怒涛の展開である。


これを読むと、ヒロインは『可愛い子ぶって王子を味方にし、主人公を貶める役』で、はっきり言ってその役回りは「悪役令嬢」なんだよね。まあ、ヒロインは庶民出身とかいう設定だから令嬢じゃないかもしれないが、悪役令嬢が地位と権力にもの言わせて意地悪をするのに対し、このヒロインは可愛さを武器に周囲を味方にして主人公をハメる役柄である。


このジャンルのものが皆そうであるかどうかは判らないが、この変化は『敵になる女性像』の変化にも伴っているのかも、と思った。簡単に言うと、ヒロインは仕事できないけど男に媚びるのが上手いタイプで、悪役令嬢は仕事ができるがゆえにキツい事を言うタイプ。


「女の子なんだから、まあまあ」という感じで仕事がずさんでも許された時代があり、一部の女性は未だに女性の可愛さを武器にしようとしてる。けどそういう「女性性」に甘んじずに、普通に仕事で評価されたいという願望もある。『悪役令嬢』というのは、実はそういう「真面目に頑張って社会的ステイタスを上げた」事を、正当に評価してほしいというジャンルなのかもしれない。


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