問題作『ドラゴンボールDAIMA』を読み解く
……やっちゃいましたね。一番やってはいけないことを。というか、柿原さんはベテランなので、むしろ意図的にやったとしか思えない。となると、シリーズ構成の柿原さんの意図はどこにあったのか? ――最初に言っておきますが、これは間違ってる可能性のある謎解きです。むしろ、間違いであってほしい。
じゃあ、何をやっちゃったか? 前から言ってるように、『くだらない展開で事態を進めちゃダメ』ってことです。ピッコロが後頭部を三回叩くのを失敗しましたね。狙いすました作戦が失敗した挙句、何が事態を打開したか? 魔人クゥが、『偶然』三回叩いちゃうんですね。この『偶然』ってやつがダメです。
それにクゥもダメですね、今までの進展の中で特に重要な役をなしてきてない。正直、何のために出したのか? と思ってたほどです。このどうでもいいキャラ、クゥが、偶然に事態を打開する。これこそまさに『くだらない展開』と言えるものです。正直、呆気にとられました。
で、超サイヤ人4をもってして倒せなかったゴマーが、サードアイがとれた途端、クソザコ。……なんだろう、今までの戦いは? この展開の意味するところは何か? それはですね、『力の原理の否定』です。
『力の原理』とはいうなれば、今までの『ドラゴンボール』の原理です。修行して強くなった者が、事態を決する。これが力の原理です。修行もしてなくて、力も強くないものが、どうでもいい偶然展開で事態を決する。そしてどうでもいいキャラ、魔人クゥが、その後キングになって大臣とか決める。…まったく、どうでもいい話です。
考えてみると、今までのDBの敵というのは、それなりの『強者』であり、その『格』があった。ブゥだってそうです。けどゴマーは、最初からザコ感しかない。この段階で、既に『DAIMA』による『ドラゴンボール』の否定、というのは始まっていたと考えるべきです。
柿原さんの隠れた主題は、そこにあった。つまり『DAIMA』による『DB』の――力の原理=男性原理の否定です。それは最後まで徹底されます。超サイヤ人4まで叶わなかったサードアイが、古道具屋で二束三文で売られてる。……これは明らかな、力の原理への復讐…だと僕は読みます。




