『子ども法医学』が、凄すぎるだろ!
ライフサイエンス出版から出ている『親子でなっとく! 事件をかいぼう! 子ども法医学』(岩瀬博太郎著)という本を図書館で借りて読んだ。いや、ほんとね、こういう子供向けの体の本て、めっちゃ侮れない! というか、ぶっちぇけ、大人向けの本より凄いまである! この本もそう。
まず『死』というのが、どういう事か、という事から始まっている。医学の教科書には『人間の死とは、個々の細胞・組織や器官の死ではなく、ヒトの個体としての生命維持機能が不可逆的あるいは永久的に停止した場合』と書かれているのだそうだ。その上で医療現場では「心臓の停止」「呼吸の停止」「瞳孔散大、対光反射の消失」を『死の三兆候』としている、という。いやあ、改めて聴くと詳細な話だ。
で、死は「ふつうの死」と「異常死」に分類される。ふつうの死は病気と診断され、その病気で死亡したもの。これに対して異常死は、・事故・医療に関連する予期せぬ死亡・自殺・他殺・死因不明・健康な人の急死 などである。……で、ふつうの死の場合には『死亡診断書』が書かれ、異常死の場合は『死体検案書』というものが書かれる。
異常死体に関して検察官・警察が表面だけ検査するのが『検視』、そして医師が行うのが『検案』。それで犯罪の可能性が疑われると『司法解剖』が行われる。この司法解剖は大学の法医学教室で行われる。これに対して行政解剖というのがあって、これが監察医が行うもの。
実は監察医制度というのは、日本では東京23区、大阪市、神戸市の3地域のみなのだ。で、監察医制度のない地域では、異常死体であっても行政解剖が『行われない率が高い、という日本の制度の問題点を挙げている。なので、ほんとの死因を見落としている可能性が高い、という事を書いている。
この解剖率というものの県別一覧表が出ていて、解剖率が高い兵庫県、神奈川県で35%近く、けどそれ以外の県では大体10%以下が大半だ。こんな社会問題まで取り上げてるなんて、なんて凄い本なんでしょう!
それで巻末にこの岩瀬先生が実例をいくつか挙げてるんだけど、これが結構、ミステリー以上に凄い。とにかくこれは、凄く面白かった一冊。




