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『死体の嘘』を読んだ

アスキーから出ている『死体の嘘』という本をブックオフで見つけたので買ってきて読んだ。『死体は語る』で有名な上野正彦先生の監修で、有名な事件を取り上げる第一部と、マンガや映画などに出てくる死体の表現上の『嘘』について書かれていて、僕もあまり間違っちゃいけないと思って読んでみたのだ。


簡便で読みやすい本で、あっという間に読んだ。まず冒頭はあの池田小児童殺傷事件を取り上げている。何が語られているかと言うと、子供は大人の身体より脆く、防御創も少なく、傷も致命傷になりやすい、と書いてあった。もう、いきなり恐ろしい話で、ビビった。


世田谷一家惨殺事件を取り上げて語られていたのは、切創と刺創、どちらが致命傷になりやすいか? これは僕は時代ものとか剣豪ものとか書くので、いきなり必須項目だ。で、結論から言うと刺創だ。成人の血液は5ℓくらいなんだそうだが、そのうちの動脈血なら四分の一、静脈血なら半分で死に至る。けど、静脈傷はすぐに血が止まってしまうので、切創では難しいのだそうだ。


あと、ミステリー書く上で重要だと思った項目は、死体からはほとんど血は流れない、という話。これは酒鬼薔薇事件によせてなのだけど、首なし遺体がタンク山で見つかり、その周辺からは顕著なルミノール反応が出なかった。ので、警察は犯行現場は別の場所ではないかと考えた。


が、上野先生は死斑が背面に固定されていたので、犯行はタンク山だと考えていた。死斑というのは死んでから血液が重力任せで降りてきて沈殿して起きる現象で、死後15~20時間かかる。タンク山の遺体は背面に長時間置かれていたわけだから、殺害現場もそこだし、ルミノール反応が出ないのは、そもそも死体からはあまり血液が出ないからだ、という話だった。


創作物を元にした部分は別のライターが面白おかしく書いたものを、章末に上野先生が注釈を加えるという形だった。それから幾つか取り上げると、『羊たちの沈黙』で、レクター博士が脱出のために、付き添いの医者の顔の皮を剥いでそれを被り、見事脱出するというシーンがある。


しかし顔型に綺麗に皮を剥ぐのはかなり難しいだけでなく、お面のようにゴムか何かでとめてないと、皮が丸まってしまうのだそうだ。いやあ、なるほど。


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