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槇村さとる『モーメント』からベテラン病を考える

『モーメント 永遠の一瞬』槇村さとる著を読んだ。槇村さとる、懐かしいね~。やっぱり、『おいしい関係』がヒット作かな。ドラマにもなった、中山美穂と唐沢寿明で。で、この槇村さとるが最近まで連載してた作品がこれ。

 

これは、フィギアスケートもの。今、フィギアものではアニメの『メダリスト』が熱い! 比較してみるのもいいかと思い読んでみる。で、一巻の第一印象を率直に言うと「ベテラン病」。これ、どういう事かと言うと、凄く展開が早すぎる部分が多々あるのね。


ヒロインが登場で、もうほとんど苦労せずジャンプできて、才能ある子。親の理解もあって、ほとんど苦労なし。もう、『メダリスト』のヒロインの苦労加減からは考えられないほど恵まれ環境。ま、それは設定上のことだからいいとして。ヒロインが知り合う重要キャラの男の子いるんだけど、なんか親しくなる契機とかエピソードとかないまま、いきなり「むっちゃん」とか愛称呼びなのね。これはね、明らかにかっさばいてる。


どうしてかっていうと、作者としては多分、ボーイ・ミーツ・ガールはもう描きすぎてて、改めてやるの面倒くさいんだよね。一回やっちゃった事をもう一回やるって、面倒くさい。本当は違う作品で、その作品から入る人だっているんだから、改めてスタートを切らなきゃいけないんだよ? だけどね…面倒になるんだよ。それは判らないでもない。他にもね、細かい描写が省かれてる。


それとかね、一巻の終わりで悪い大人が出てきて、もう一人の男の子の腕を掴む。どうなるの!? ……で、二巻の冒頭で、いきなり主人公たち大人になっててヒロインはスター選手になってて、男の子も立派になってる。……あちゃー、時間跳んじゃったか。どうして、こういう事しちゃうかな~。


けどね、これもベテラン病。なんか時間進行通りに進めるのが嫌になっちゃうんだね。で、いきなり未来出しといてから、過去に戻る。だけどね…これ、絶対やっちゃダメなヤツだよ。もう、その未来のシーンが見えたことで、例えばその腕を掴まれた男の子は再起不能になるとか、もう一人の男の子は病気で死んじゃうとかっていう展開はない、って確定になるじゃん。ハラハラがない!


けどね。凄いんだよ。それでも『モーメント』は面白いの! さすがベテラン!


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