『CIA 失敗の研究』を読んだ
いやあ……てこずったわ。最初の方の諜報機関の概論みたいな部分は興味深く読んだんだけど、後半になるとテネット長官が大統領にどうして、こうして、ブッシュの時はああで、クリントンの時はこうだ、CIAはこれにも気付いてなかった――みたいな感じの個別情報の列記になって、凄い読むのに苦労した。
で、結果的な概論というか印象論をまとめるとですよ。
・CIA以外にも諜報機関は沢山あって、それぞれが権限を主張していて情報の統合ができてないし、統括機関もない。そしてCIAも、想定敵国の情報を十分に収集できてない。
・米国大統領は諜報機関を重視しているようで、意外にそうでもない。クリントンを含め民主党は歴史的に諜報機関嫌いで、CIAも例外ではない。じゃあ共和党が諜報機関を重視するかというと近年はそうでもなくて、ブッシュ(子)などはミサイル防衛に専心していて、諜報にはあまり重きを置いてなかった。
・9.11の実行犯は事前に把握されていたが、CIAをそれを真剣に捉えてなかった。またその報告を知っていたはずの大統領を含めた中央政府も、それを深刻な事態とは捉えてなかった。CIAはその事を失敗ともとらえてないし、その責任はあったとも捉えてない。
また、この本の主旨ではないのだが、非常に気になった記述がある。それはブッシュ(子)の石油利権の話だ。就任からほぼ二年で辞任に追い込まれたオニール財務長官という人がいる。この人が、『ブッシュが就任当時からイラク戦争を望んでいた』と告発したのだ。
が、当時の政府はそれを否定する。しかしチェイニー副大統領が以前に最高経営責任者を務めていたハリバートン社が、戦争後のイラク復興事業を受注していた上に、6100万ドルの水増し請求をしていた。またブッシュ親子とライス補佐官は石油産業と密接な関係があり、イラク戦争は石油利権のためだったと疑いがもたれている。
……これは恐ろしい話じゃないだろうか。石油の利権を得るために、戦争を行う。そこで払われる代償は? イラクの人々と米軍人の命である。




