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『べらぼう』 贅沢な二人

江戸っ子気質というものがありまして、これは ・せっかちで・気が短く・弱いくせに喧嘩っ早く・見栄っ張り・先のことは考えない(宵越しの銭は持たない) …みたいな特徴なんですな。これは落語なんかを聞いてるとよく判ることで、江戸の本にはまあこういう事が書いてある。


けど、時代劇を見ると、なんかそれほどチャキチャキの江戸っ子ってあまり見たことがない。これは昔の時代劇でもそうですね。あんまり、ちゃんとした江戸っ子ってのは見たことがない。…と言う事を、『べらぼう』を見て気付いたわけです。


ってのは、どういうかと言うと、それほど横浜流星の演じる蔦屋重三郎が、見事に江戸っ子気質なんですな。第一話、二話とか、ちょっと堅いな~、現代人が無理にやってるな~、という感じが拭えない印象があった。けど、今ふと気づくと、蔦重の江戸っ子気質が、凄くよく出ている。もう、生まれついての江戸っ子みたいに、内面から江戸っ子の感じで振る舞ってる。上手い、と正直に思った。というか、素晴らしい!


そして花魁、花の井の小芝風花。いや、上手い。小芝風花ってこんな上手い女優だったか? と目を疑う上手さ。低めの声で、なんとも言えない世慣れた感。セリフの中に人と世の中を見過ぎた感じが出ていて、その内面がうかがい知れる。見過ぎているにも関わらず、まだ凛として生きようとする女の矜持。そんな強さも垣間見える。凄くいい。


この二人が言葉を交わしてるシーンが、凄く贅沢だ。現代人が演じてるのを忘れて、思わず当時の人を見つめてる気持ちになる。上手い。とにかく、この二人が上手い。若いのに凄い役者さんたちだ。日本の芸能界、捨てたもんじゃない。色々、問題は起きてるし、時代劇もあまり作られなくなっちゃったけど、まだそれを演じる地力を持つ役者さんはいる。きっと他にも。


ストーリーの方は、まあつなぎの感じと言うか、いいんじゃないでしょうか。前回、あまりにも蔦重がひどい目にあったんで、少し小休止みたいな回もないとさ。そうそう、途中で唐突に出てきた里見浩太朗にビビる。いや、オーラ凄すぎ。絶対、ただの本屋じゃないよね? それから只物じゃないといえば、佐々木健介! 凄い体格すぎるでしょ! スリーパー、本物すぎるでしょ!


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