『アストリッド』は、『古畑』じゃない!
なんか始まるとですね、いつもと感じが違う。男と女がもめていて、男が銃を向ける。が、女は既にそれを予期していて、逆に銃を向けている。で「お前に撃てるのか?」とか言うのだが、女は撃つ。倒れる男。
これが事件の始まり? かと思いきや「カーット!」で、映画の撮影なわけだ。…なんか、こういう出だし、だいぶ使い古された感あるよね。と思っているうちに、女優と監督は控室に。それで女優に飲み物を渡すと、女優は「ちょっと仮眠するわ」と言って寝てしまう。
その間に監督はスマホ片手に時間を計りながら移動。厳重に保管された撮影用の銃と、本物の銃をすり替えて戻る。で、戻って自分も寝てました、の体をとる。あ~、つまりアリバリ作りね……。で、撮影再開で発砲。本物の弾が入ってる銃と入れ替わっているので、男は即死。で、慌てて駆け付ける監督。
え? ……なんか、今更、こんなネタ? 今回のアストリッドって、こういう事件? え……と、ここまで見て思う訳だ。これじゃあ、火サスじゃん! いや、よく言っても『古畑任三郎』だよ! 「あ~、すいません、細かいことが気になるタチでして……」って鼻声出す、あれだよ! なんか小細工っぽいトリックをやって、それを刑事が見抜くというやつだ。
いや、どうしたの? と思った。今さら、『アストリッドとラファエル』が、『古畑』に? いやあ、やめてぇぇ。『アストリッド』はそんなドラマじゃない! もと渋くて、入り組んだ社会背景を紐解きながら、謎解きしていくのが『アストリッド』でしょ? どうしてこうなった? 脚本変わった?
――と、心配していたが、それはあくまで『引き』。実はこの監督の犯罪は、そのシラリオを書いた悪党がいて、そいつの指示通りに犯行を行っただけだった。しかしこの監督が余計なことをしたせいで、完全な事故になるはずが事件化してしまう。悪党はあっさり監督を殺し、堂々とアストリッドの前に現れる。悪党はアストリッドとの知的ゲームを楽しむつもりなのだった。
つまりね、古いミステリードラマのパターンをなぞり、それをパスティーシュしてみた感じなんだね。で、本題はアストリッドの過去の話だった。いやあ、知的で洗練されてるな、このドラマは。やはり面白かった。




