嗚呼、源内先生!
『べらぼう』ってほんとさ……ストレス貯まる作品だと思う、マジで。もう、幸せな展開なんか一つも無くて、ほとんどが不幸な展開。不幸になったら盛り上がる――って、そりゃあ『キャンディキャンディ』か! って、言いたくなるほどの不幸ぶり。もう……今回は源内先生がいなくなって、悲しかったよ。文句の一つも言わせてくれよ!
いやあ…安田顕さん、凄かったな……。安田さん、最初に見かけたのは『下町ロケット』の山崎役かも。眼鏡かけてて、独特の雰囲気があると思った。それまでに主演作がない訳でもないけど、ブレイクしたのはこの辺からじゃないかな。安田さん、73年生まれ、この2015年当時、42歳だよ。くぅ……
けど、今回の源内は! 本当に凄かった。役者、安田顕の凄まじさを思い知った。明らかに精神に異常をきたした人の恐さ、常軌を逸した感じを見事に演じ切っていた。あまりの凄さに震えた。渡辺謙さんとの掛け合いも、凄かった。もう、眼を見張るほどの緊張感と迫力だった。
それだけに。意次と源内の運命が、凄く悲しかったね……。森下さんにやられたよ。意次は意次の事情があって、源内によかれと思って真相を話さない。けど源内は落ち目である現在、真実を明らかにして再起をはかりたいと思っている。だから、真実を話そうとしない意次に、裏切りを感じる。
それで戯作で意次を悪く書くのかと思いきや、遺された遺稿は、二人で真犯人を探すあらすじだ。もう……泣くよね。意次と源内の間には確かに友情があって、色々行違はあったけど、源内はそれを信じてた。それを戯作に込めようとしてた。おっさん二人の間にも、友情ってあるんだよ。判るかな?
やっぱり友情みたいなものって、若いうちのものだという印象があると思うのね。学生時期はともかくとして、結婚して社会人になったりして、それぞれ家族とか社会的立場とか出てきてくると、「付き合い」はあるけど「友情」ってのは難しくなってくる。
源内と意次の関係は、経済上の「付き合い」から始まったものだけど、二人の間にはそれを越えたものがあったんだ。だからこそ、それが壊れてしまった瞬間が切ない。森下さん上手いわあ…。辛かったけど、心揺さぶられた。




