『監察医 朝顔』に感動した
再放送で見ていた『監察医 朝顔』を見終わった。ずっしりとした重いドラマだったけど、感動した。
最後は事件を追うより、やはり震災の体験、そして事実といかに向き合うか、の物語だった。ただ、その前に土砂崩れのエピソードを持ってきたのも上手い、と思った。
覚えているが、やはり不法投棄が原因で起きた土砂崩れで大変な災害が起きた事件があった。あれを皆、想起するだろう。まさかそんな大事になるとは思わず、違法行為をしてたに違いない。その無責任な犯人を、逆におびき出す手口もなかなか。
けど、そんなつまらない事でも、起きた災害は甚大で、幾つもの遺体が現場にならぶ。その様子を、朝顔の同僚たちの取り組みを通して、じっくり見せていった。それにしても、現実に災害が起きた時、ああいう状況の中で仕事をするというのは、法医の人たちは本当に大変だなと思った。頭が下がる。
またドラマの前の話で出てきた症状や状況を使ったのもうまかった。投棄物に産廃が混じっており、その中に毒性ガスなどの危険物を含んだものがある。それらで死んだ方は、土砂につぶされて死んだのではなく、毒物によって死んだ可能性だってあるのだ。その毒物を吸い込んでいると、解剖の際に肺から出て、解剖者たちの身に危険が生じる。
前の話でそういう仕掛けの話があり、これはその災害のバージョンだった。それから自転車事故の数日後に、ショックが出て突然死する症状を、瓦礫から助け出された人に見出して、命を救った。こういうつながり方もよかった。
そして以前に朝顔は、故郷に帰ろうとして、電車を降りたけど、そこから歩きだせなかった。最終回は、そこから踏み出す。娘の「はやく~」という声に押されて、朝顔は前に進んだのだ。感動して泣きそうだった。
夫が土砂から助かって、「あそこにいたのが自分だったかもしれない」と言った独白も沁みた。みんな、そう思うだろう。誰だって、その可能性がある。だからこそ「生きててよかった」という彼の言葉が沁みた。いい作品だった。




