198話「完全決着ッ!! これで終わりだッ!!」
ヤマミの世界を変える魔法陣も手伝って、オレはついに純白に輝く『賢者の秘法』を完成させる事ができた────!
誰もが希望の光だと感じせずにおられないッ!!
残り五三秒ッ!!
完成を喜ぶ間もなく、オレは気合いを滾らせて!
「おおおおおおッ!!」
すかさず『開闢の秘法』を『快晴の鈴』に重ね、眩い閃光が爆ぜた!
その輝きの中から引き抜き、神々しく煌く純白の巨大な鈴が────!
「アルティメットホープ!! 開闢の鈴!!」
踊るように鈴を振り回し、キラッキラッと音色を目視化したような放射状の輝きを撒き散らす!
そしてオレ自身の衣服は煌びやかな光飛礫に包まれ、外見上の負傷も消えつつ純白のウェーブがかかったワンピースのようなものに変わった! 下にはキトン、上にヒマティオン。頭上には花を連ねた花冠が淡く灯る!
《あ、ありえない……ッ!! 第一ヤツは死んで魔神塔へ飛んでいったはずだぞッ……!? 戻って来れるはずなどッ……!?》
見開いていく大魔神皇帝は焦りを募らしていく!
さっき確実に殺したはずなのに、なぜ蘇ったのか!? 『分霊』かと疑ったが、そんな物では魂は飛ばない!
《貴様!! どうやって蘇ったアァァァァアーッ!!》
残り三八秒ッ!
「かかったわね……!」
ヤマミは冷淡な視線で笑みを浮かばせていた────!
そう、ナッセが殺される時のリアクションは芝居だった!
「あなたが殺したのは、私が生み出した本物そっくりのニセモノよ……!」
『ブラックローズ・アバター複製分霊化』
闇の妖精王の能力! 本物そっくりに『分霊』として召喚できるのだ!
敵の星獣の爆撃で覆い尽くされた時に、アバターと入れ替え、本物のナッセは上空へ飛び上がっていて『開闢の秘法』錬成の準備に取りかかれたのだ!
大魔神皇帝はそれを知らない!
故に、ナッセさえ仕留めれば終わりだと狙い続けて、ついに魔神塔で抹消できた!
それで確実な勝利を確信した──!
たったその油断が生んだ隙により、オレは無事に『開闢の秘法』を錬成する事ができた!
さすがの大魔神皇帝は愕然していたが、キッと睨んできた!
数千万ものライフルを生成し────!
しかしアクト、リョーコ、セロス、ジャオガ、マイシに限らず、各国も一斉に総攻撃を仕掛けて、ことごとくライフルを破壊しつくしていった!!
《ナッセェェェ!! 貴様さえ消せばッ!! 貴様さえ──ッ!!》
それでも意地とライフルを生成し続けて、ナッセの抹殺を諦めないッ!!
残り一四秒ッ!!
だがッ!!
「弾け散れ────!! 大爆裂ホノ・エクスプロージョンッッ!!」
クックさんは交差していた腕を大の字に広げると、膨大な量の火炎球の嵐が怒涛と放たれた。大地を震わせ、周囲を飛沫で吹き荒れ、全てのライフルを眩い灼熱で吹き飛ばしたッ!!
完全に眼中なしだった小娘の攻撃に大魔神皇帝は驚愕!!
《なにいいいいいいいいッッ!!?》
みんなはオレに向かって拳を突き上げて、腹の底から叫ぶッ!!
「「「今だッ!! ぶちかましたれ──────────ッッ!!!!」」」
みんなの頼もしい支援を受けて、感謝せずにいられない!!
ここまで力を合わせなけれな、絶対たどり着けなかった! みんなありがとう!
これで────────ッ!!
「大魔神皇帝ッ!! もう終わりだぁぁぁあ──────ッ!!!!」
《やめろおおおおおおおおおおおッ!!!》
全身全霊、渾身のひと振りで『開闢の鈴』を炸裂させたッ!!
眩い音色の輝きが放射状に爆ぜ、光飛礫を舞い踊らせながら光輪が煌びやかに広がっていった!!
キィ────────ン!!
《ぐあああああああああああああ────────ッッ!!》
浄化の光を浴びて、大魔神皇帝及び五体の星獣は断末魔を上げた────!
暖かく輝く光輪が音色と共に、波紋のように広く広く響き渡っていく!
大魔神皇帝を中心に、戦場を純白に輝く花畑が一気に覆い尽くし、花吹雪が美しく舞って吹き荒れる!
各国の人々は足元に広がる花畑に驚き惑った!
「う……おおおおッ!?」
「な、何だッ!?」
「殺伐してた戦場がッ……花畑にッ!?」
「これが──あの鈴の力!?」
「スゲェ……!」
「噂に聞いていたが、これがチキューの大魔王をも浄化した……あのッ!?」
「見ろ! 星獣が……ッ!」
五体の星獣から漆黒が剥がれ、服従の仮面まで砕け散った!
解放されて呆然としているぞ!
「浄化力強すぎッ!」
「おいおい! あっちの魔神までッ!」
大魔神皇帝ロゼアットとしての『偶像化』が剥がれて、魔神デウスと分裂!? いや、まだ粘着性の糸が何本か二体を繋げているままだ!
魔神が持つ永久不滅の特性を逃すまいと、ロゼアットが必死に縋り付いているのだ!
《くそおおおッ!! あの鈴は何なんだッ!? ち……力がッ……!?》
《ああ~~~~力が抜けていく~~~~!》
開闢の鈴を喰らって、魔神デウスも黒髑髏の『偶像化』も五メートルに縮んで大幅な弱体化!!
もはや絶大な魔力などを発揮できる力は残っていない────!
残り六秒ッ!!
《まだまだまだァァァッ!! 勝負はまだァァァァァッ!!》
魔神皇帝ロゼアットは黒髑髏の巨人で包んだまま、残り僅かな時間が過ぎるまで魔神デウスへ必死にしがみつく!
オレは銀河の剣を生成して、魔神デウスへ急降下していく!!
「ギャラクシィ・シャインフォ────ルッ!!」
渾身の振り下ろしが魔神デウスの頭上を強打して、ガッチリ極めて真っ逆さまの体勢にしたまま急降下────ッ!!
《そうはさせぬわ────ッ!!》
魔神皇帝ロゼアットが苦い顔で邪魔しようと飛びかかる!
残り五秒ッ!!
「ヤマミィ!! そいつを頼んだ────ッ!!」
「うん! 任せてッ!!」
なんと飛び上がってきたヤマミが『偶像化』を具現化した!
大袈裟なほどに大きく伸びた三角帽子と纏う黒フード、そしてその裾は触手のようにウネウネ動いている!
三角帽子の下には氷彫刻ような美しい色白なヤマミの顔、両肩にもミニバージョンの氷彫刻のようなヤマミの顔が三角帽子をかぶっている!
両腕のように二本の裾が大きく伸びていて、それが魔神皇帝ロゼアットこと黒髑髏の巨人を背中から絡みついて、ぐりんと真後ろへ反り投げたままで急降下────ッ!!
《なっ、何をッ!?》
「ヤマミ・偶像化式! メテオスープレックス!!」
誰もが驚愕した!!
オレが魔神デウスに銀河の剣で極め、ヤマミが魔神皇帝を偶像化で極め、そのまま同時に急速落下していくのだ!!
残り四秒ッ!!
《ぐぐぐ……ッ!! ふざけるなッ!! こんなものッ……!》
なんとか外そうと震える魔神皇帝! まだ勝負を諦めていない!
しかしどうしても極められたまま外せないッ!!
黒髑髏の巨人である『偶像化』から脱皮するように抜け出す事すらできない!
焦りまくる魔神皇帝ロゼアットも汗を流していく!
残り三秒ッ!!
近づいて来るのは魔神塔の頂上!
なんと塔の魔女であるサラカートとエムネが「こっちこっち!」と、十つの輝く円で囲む壮大な魔法陣を移動させていた!
例の『知識共有化』で状況を把握して、こうしてくれた!
「ナッちゃーん!! 思いっきり落としちゃえーッ!!」
「これで封印だよ……! あと一息……!」
それを見て魔神デウスはギョッと恐怖を感じた!
──トビーが言ってた事を思い返す!
塔の魔女であるサラカートとエムネを目にして、マロハーは驚きに見開いていく。
「実はね『星塔』はマロハーちゃんを核に原動力として機能しているんですよね~! 定員は一名ですので、完全に入っていると死んだかのように思考も何もできない状態で、外部と疎通する事は叶いません。ですが、他の概念的存在を部分的に入れれば~」
「その分だけ……はみ出した……!?」
エムネの震える声に、トビーは「ご名答~~」とニッコリする。
《い、いやだ~~~~~~ッ!》
魔神デウスは首を振りながら泣き叫ぶが、極められたまま抜け出せない!
しかし魔神皇帝ロゼアットはニッと笑う!
《ふははッ! いいぞッ! 貴様は余の身代わりとして独り封印されろッ!! そうする事で余は助かるのだ────ッ!!》
魔神皇帝ロゼアットは、魔神デウスの欠片を剥がして糸を引っ込めていく!
そうすれば弱くなるものの永久不滅の力だけを独占して、自分だけ助かる算段ッ!!
《さらばだッ!! 魔神デウスよッ!! はははははッ!!》
《た、助けてくれ~~ッ!! 一蓮托生だったじゃないか~~!!》
《そんなもの言葉のあやよ! 貴様は余の為に犠牲になるのだッ!!》
そんな外道をオレたちは許せられない!!
「ナッセェ────ッ!!」「ヤマミ────ッ!!」
残り二秒ッ!!
オレとヤマミは急速落下しながら、互い近づきあっていく!
そして真っ逆さまの魔神皇帝の正面と、魔神デウスの背中を密着させ、ヤマミの長い裾が二体を固定させるように絡み直して、オレは銀河の剣を二体の股に極め直したッ!
合体技が極められて、神々しい光が放射状に放たれた────!!
「お、おい!! あいつらの技が合体した────ッ!?」
「まさか、こんな土壇場でッ!?」
「確かにこれなら、ヤツらを一体として叩き落とせる──ッ!!」
「元々、魔神属性を共有しているから一体としても充分カウントできるぜ!!」
「いいぞ────ッ!!」
さしもの魔神皇帝は《グッ!》と極度の焦りで表情を歪め、魔神デウスは絶望で青ざめたまま!
完全に極められて、逃れられないからだッ!
《クソォ────ッ!! 離せええッ!! 離さんかあああッ!!》
オレとヤマミは合体技を極めたまま、更に加速して急速落下!
それはまるで彗星のように輝く尾を引きながら、魔神塔へと直行ッ!!
「これこそ、私たち夫婦のツープラトン奥義ッ!!」
「そして喰らえ──ッ!! ギャラクシィ・シャインドッキングΩ──ッ!!!」
ズガガァァァァンッ!!
魔神二体まとめて魔神塔の頂上に叩きつけた────ッ!!
物凄い衝撃で魔神塔を震わせて、ふもとの地面から衝撃波の波紋が広がっていく!!
《ガフォッ!!》
《ギ……ギハッ!!》
逆さまの魔神デウスと魔神皇帝ロゼアットはゲホッと吐血。
そのままズブズブと魔法陣へ沈んでいく……。
残り一秒ッ!!
なんと黒髑髏の巨人である『偶像化』の股から、ロゼアット本体が半分抜け出してきた!?
自ら更に弱体化してでも、と死に物狂いで脱出して襲いかかる!!
《負けなああああッ!! 勝つのはッ、余だあああああッ!!》
しかしオレは剣を正眼に構えていてニッと笑む!
ロゼアットは驚いて見開く!
「そう来ると思っていたぞッ!!」
オレは戦意を爆発させるようにカッと見開く!
「三大奥義が一つ『超越到達の領域』!!」
刹那、オレを中心に“超越の輪”が世界へ拡大していく!!
それは時の流れを堰き止め、天の川が横切る夜景へと変えた! そしてオレは一撃必殺を幾重も同時に繰り出す!!
「光輝・流星進撃!! 二十連星ッ!!」
十五撃の剣閃が煌めき、それはロゼアットを完膚なきまで滅多打ちして、あちこち部位を完全粉砕ッ!
「相棒を蔑ろにした時点で、お前は負けたんだぞ──────ッ!!」
最後に渾身の振り下ろしでロゼアットの頭上を痛烈強打!!
釘を打つかのように二撃、三撃、四撃、五撃と徹底的に叩きのめすッ!
────堰き止められていた時の流れは解放されるッ!
《あがあああぁああぁぁぁ…………ッ!!》
ズブズブと完全に沈んでいって、魔法陣は元々の姿である大魔神皇帝を描いていく。
逆にマロハーがスポンッと抜け出した。小さなマロハーとも合体。
「母さんッ!!!!」
そしてオレは思わず飛び込むようにマロハーへ抱きつくと、優しい笑顔で包み込んでくる。
母の懐かしいぬくもりに安堵し、緊張していた身体がほぐれていく……。
「ただいま……!」
「おかえりなさい! ナッセ!」
至上の喜びの最中で、母さんと深く抱き合った。ぎゅっ!
「やれやれ」
パヤッチは和んだ笑みを見せる。
サラカートとエムネも「良かった……」としんみり微笑んでいく。
こうして、オレたちの完全勝利で大会に幕を下ろした────!
あとがき雑談w
ナッセ「やったー!! これで優勝だー!!」
トビー「ひえっひえっひえっ! まだ敵が残ってますよ~?」
アクト「あァ? まだいんのかァ……?」
リョーコ「どこにいるの!?」キョロキョロ
セロス「あ!」
ローワ「……え? 俺!?」
なんと勇者ボゲーの仲間の一人である“荷物運搬士”ローワが残っていたぞ!?
セロスたちに囲まれて四面楚歌……!
ローワ「ごめんなさあああああい!! まいりましたああああっ!!」
土下座して降参したぞ! それにより大会に幕を下ろしたのだーっ!
次話『不穏に忍び寄るトビーに戦慄……!? 残り二話!』




