197話「一縷の望みへ繋げろ! 一致団結の特攻!!」
大魔神皇帝ロゼアット及び五体の星獣!!
そして!!
“妖精の白騎士ナッセ”&“黒魔の妖精ヤマミ夫妻”と“天空の蒼騎士”パヤッチ及び二体の星獣!!
アクト、リョーコ、セロス、ジャオガ、マイシは突然の加勢に驚いたが、これ以上にない味方と察して笑んでいく。
「相棒ァの親父さんかァ……! っち、イケメンじゃねェか!」
「全然わっかいじゃん! でもナッセの父さんっての分かるわ!」
「……まさか!? ナッセも俺たちと同じ……この世界の!?」
「チキューの人族じゃないようだな。だがどうでもいい。星獣が二体とは心強い!」
「フン! まだだし……! ヤツらを倒し切らないと意味ないっしょ!」
最後にマイシは五体の星獣を睨み据える。
「パヤッチ…………!」
マロハーは涙を溢れさせていく。
まさか復活するなんて、と嬉しさが込み上げる。
「「行くぞッ!!」」
オレたち親子で戦意を漲らせてフォースが昂ぶった!! ゴウッ!!
なんとパヤッチも『偶像化』のように、星獣の上で神々しい巨大なパヤッチへと変貌!
こっちの光闇の妖精聖騎士に勝るとも劣らぬ巨像だ!
「父さん!? それは……!?」
「星獣と『連動』する事で可能な化身形態! その名も『天空の星獣騎士』だ!!」
どうやら父さんは自らを犠牲に星獣を鎮めてから、実に三百年もの長い年月により徐々に打ち解けたみてぇだ。
そんだけ長い時間がありゃ、好きなだけ対話できんだからな!
オレみてーに『運命の鍵』で一瞬にして友達にするのではなく、長い年月で語り合って仲良くなれば星獣と『連動』も不可能ではない!?
この事情を知れたのはクーレロの妖精王能力のおかげッ!!
────残り四分ッ!!
《この星の星獣か!! だがしかし無駄ッ!! 無駄の極みッ!!》
大魔神皇帝ロゼアットは歓喜の笑みで、絶対的な勝利を確信!
それでもオレたちは戦意が漲って、気力が燃焼! 最高潮に昂ぶる気合い!!
「出し惜しみはしないぞッ!! シャイニングロードッ!!」
光魔法を自身に重ね、眩い閃光と融合!
しかも!
「水面鏡!! シャイニングロードッ!!」
なんとパヤッチまでもオレと同様の光魔法を身に纏う!?
未だ繋がってるクーレロの『知識共有化』で、その詳細が脳裏に浮かぶ!
風景のみならず全てが水面に映るが如く、隣り合わせの術者のスキルを完全コピーする特殊なスキルだぞ!
「先輩! 力尽きるまで全てをつぎ込むつもりですッ!! だから今の内に作戦を──ッ!!」
クーレロは息を切らしながらも『知識共有化』を維持!
長く続かなかろうとも、淀みなくコンビネーションを可能にするには、この手しかない!
真剣な目で力を振り絞る!
そしてアイナの『思考書記化』で大魔神皇帝の狙いを把握し、オレたちにクーレロの能力を通じて伝わる!
まだヤツはナッセを潰そうと狙っている! それで全てが終わるから!
オレはヤマミと目配せして頷き合う!
狙いがオレなら分かりやすい! これを利用しない手はないぞ!
未だヲタ芸で踊り続けるシトリとパーズは極度の疲労にまで蓄積されながらも、ここが踏ん張りどころと力を振り絞る!
「思いっきり行けー!! 最後まで僕たちが維持する!!」
「やっちゃってくださーいッ!!」
残り三分!! 全員が練った作戦は充分に行き渡ったッ!!
ヤマミは紋様が光る黒い立法四角形こと『極星盤』を手に、オレと『連動』を持続!
大魔神皇帝に従う五体の星獣が一斉に口を開けて、光子を収束……!
《全ては終わる運命ッ!! 世界全ては我が絶望の闇に沈み、永劫の地獄へ堕ちろッ!》
五体五発の地核砲こと、刹那の光線が真っ直ぐな軌跡を描き、大地を抉りながらオレたちへ迫る!
「おおおおおおあああッ!! オーロラ・グランドウォールッ!!」
パヤッチは天空の星獣騎士として槍を振り上げ、それを思い切って振り下ろした!
こっちも星獣と共に父さんに力を足して、更に倍増させといたッ!
怒涛の滝のようにオーロラの壁が降り注いで、全ての地核砲を阻み、誘爆!!
超高熱プラズマの爆発球が連鎖、瞬間膨張して眩い白光を散らす!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
この超絶破壊力! 滅びの竜王劇と同等ッ!!
大陸をも粉々に吹き飛ばし、全ての有象無象を灼熱に溶かし、星の形さえ崩しかねないほど!
対となる星獣の力がなければ全滅必至!
「「うおおおおおおおおおおおッ!!」」
光闇の妖精聖騎士ナッセと、天空の星獣騎士パヤッチは爆風を突き抜けて、星獣五体に迫る!!
「「W・流星進撃!! 無限大連星ッッ!!」」
親子で繰り出す渾身の一撃による瞬間連撃の嵐が容赦なく五体の星獣を叩き伏せ、完膚なきまで連打を重ねていく!!
力尽きるまで絶えない連撃の嵐に星獣すらも《ウガガアァァァッ!!》と苦悶に呻くしかない!
「「おおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」」
無限とも思える流星の嵐は激しく大地ごと星獣を穿ち続けていく!!
これで星獣は完全に抑え込まれたッ!!
残り二分ッ!!
《グッ! お、おのれェェッ!!》
大魔神皇帝は危機感を覚え、自ら戦おうと挙動を起こす!!
具現化された数千万のライフルと、五つの大砲が火を噴き始める!!
それを見計らったアクトたちが飛び出して、ナッセたち親子を飛び越していく!!
大魔神皇帝は《なに!?》と見開く! しかし爆撃は容赦なく放たれた!!
《馬鹿めッ!! 自殺行為だッ!! 揃って塵芥に散れいッ!!》
「「「うおおおおおおおおああああああああああああッッ!!」」」
天文学的な弾幕にも怯まず、アクト、リョーコ、セロス、ジャオガ、マイシは流星群のような軌跡を描いて全身全霊の特攻だッ!!
「心剣流!! 十二刀・黒蛇道!!!」
アクトは十二本の黒い刀剣波を放ち、縦横無尽に屈折しながら弾幕へ殺到ァ!
「いっせーのォ!! ローリング・デストロイヤーッ!!」
リョーコは縦回転に超高速回転しながら連続斬撃を見舞って、弾幕を斬り開く!!
「レイ・サウザンドスラッシューッ!!」
セロスの幾重の左右斜め斬り下ろしが網目のような軌跡を描いて、弾幕を弾く!
「ぬおおおおおッ!! 冥黒炎連弾ッ!!」
クリムゾンジャオガは黒炎球を乱射して、弾幕と相殺していく!
そしてマイシが巨大な火炎竜の両翼を象るフォースを纏ったまま突進!
「火竜王のォォォォ、炸裂凰翼最終剣────ッッ!!」
弾幕を突き抜け、大砲の巨大光球をも斬り裂き、大魔神皇帝の胴体へ届く!!
四方八方へと亀裂が走っていって木っ端微塵に弾け散らす!!
ドガアアアアァァァァァアンッッ!!
「やっちまったぞぉぉ────ッ!!」
「ああ!! あの大魔神皇帝を打ち倒したぁぁ────ッ!!」
「あいつらが一致団結すりゃ無敵だあああああッ!!」
《馬鹿めッ!! 忘れたかッ!!》
な、な、なんと!! 木っ端微塵に四散したはずの漆黒の破片が集合していって元通りの大魔神皇帝へ!!
さっきまでの特攻は無意味にッ!?
《この魔神デウスをも取り込んだ余は永久不滅!! 滅ぼすは不可能ッ!!》
大魔神皇帝はどんな攻撃でさえ何度砕け散ろうとも、無限に蘇ってくるのだ!!
こちらが有限に対し、大魔神皇帝は万全なまま暴威を振るい続けるのだッ!!
再び絶望のどん底へ陥れられた────────!
「そりゃねぇだろッ!!」
「どうやって倒すんだよッ!! こんなヤツッ!!」
「星獣だって、いつまでも押さえつけれるワケじゃねぇッ!!」
「おい見ろッ! ヤバ……!!」
砲身が長い巨大な大砲が地面から浮き出てきて、爆音を響かせて光線が放たれた!!
大魔神皇帝の狙いはただ一つ!!
《これで詰みだぁぁッ!!》
狙い違わず、ナッセの胴体を消し飛ばす!! ドッ!!
愕然するナッセは「がッ!」と血を吐き、ヤマミが見開いて「ナッセェェ!!」と絶叫!!
星獣もろとも『偶像化』がボシュンと破裂して霧散!
誰もが注視するまま、胴体を失ったナッセは血飛沫を散らしながら宙を舞う……!
「「「ナッセェェェェェッッ!!」」」
シュウウと光子に包まれたナッセは魂となって魔神塔へ飛び去ってしまった!
誰もが絶句し、愕然し、絶望に覆われていく……!
《はぁーっはっはっはっはっはっは!! 万策尽きたなァ────ッ!!》
完全勝利!! 大魔神皇帝は高らかに笑い、上空に黒い輪を広げて『魔絶』を展開ッ!!
これで誰もがなすすべなく力を失い、魔神塔へ一直線コース!!
世界を破滅の闇で覆うのもすぐそこッ!!
その慢心!! その一瞬の隙!! それが一縷の道と化す!!
すると上空が一瞬にして、幻獣界の風景に!? よし来た!
薄らと巨大な惑星があちこち浮かぶ澄み渡る黄緑の空、そして下方には泡ブクブクがたゆたう雲海。泡が一固まりの雲のようなのもある!
一転とした世界の変貌に大魔神皇帝は見開いた!!
ヤマミが前もって戦場を囲むような巨大な魔法陣を描いていて、それをこのタイミングで発動したのだ!
《ムッ!? い、一体何をしたッ!?》
「これで限りなく物質界域より、星幽界域に近づけたわ!」
「助かった! これで────!!」
古今東西! 過去、現在、未来……! 数多の並行世界!
みんなッ!! オレに力を貸してくれ──ッ!!
オレの祈りに呼応して、黄緑の空が星々煌く夜景に!?
深淵の闇で膨大な量の星々が煌びやかに輝いている!
それらはゆっくりと蝶々のように群れをなして四方八方から羽ばたいてくる!
それは上空に舞ったオレのかざした両手の元へ次々と球体状に張り付き合って圧縮され続けていく!
並行世界にも及ぶほどの深い次元から、天文学的な量の雫が凝縮されていくぞ!
そんなオレに見上げて気づいた大魔神皇帝は驚愕した!!
《ば、馬鹿なッ!!? さっき死んだはず……ッ!? 貴様も……永久不滅の存在なのか……ッ!?》
ついに純白に輝く『賢者の秘法』が錬成され、光輪を放つ!
そんな燦然とした暖かい光に、誰もが驚く!
まさしく希望の光とも言えるべき輝きだと確信────……!
「完成したぞ────ッ!! 『開闢の秘法』が!!」
そんなオレの勇姿に、マロハーも目を潤ませて感激していく……!
残り一分─────────ッ!!
あとがき雑談w
ナッセ「たまたま時間制限が出てきただけで、ハナっから短期決戦なんだよな」
ヤマミ「そうね」
何度も蘇ってくる魔神を相手にダラダラ戦うのは効率が悪い。
こちら側の戦い方とか学習されると困るので、初見殺しで畳み掛けて、対策させる暇も与えずに倒しきるという作戦……。
パヤッチ「例の『知識共有化』のおかげで、オレも作戦に入れたぞ。助かる」
次話『これでフィニッシュなるかッ!? 残り三話!』




