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186話「魔眼によって魔王化だと!? ヤバいッ!」

 “無音の狙撃手”ファバと、“灼熱の火炎竜”マイシが対峙!


 ファバという男は長身優男。黒い帽子を被り、長いコートを着ている。鋭い視線を持つちょびヒゲのオジサン。

 しかし彼もまた『偶像化(アイドラ)』でボコボコと自身を包んでいく。

 それに伴って表情が狂気の笑みに広がっていった。


「ふはっ! 私の“絶対”を思い知れ~~!」


 なんと自身の顔を剥き出しにしたアイスクリームのような『偶像化(アイドラ)』に!

 全長五メートル。首から下を丸いクリーム、更に下は逆さまの円錐コーン、バッタのような足が四本ギチギチ動く。帽子が吹き飛び、四つの複眼を持つズズメバチの頭みたいなのが凶悪なアゴを剥いて「ギャアアア」と吠える。

 誰もがドン引き……。


 ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ……!


「フン! 進歩のねぇヤツらだし」


 マイシは余裕な顔でボウッと竜を象ったフォースを全身に纏う。



 ヤマミは目を細める。

 彼女もまた同じ『偶像化(アイドラ)』の使い手。


「己の『願望』『欲望』を降ろして自身を『堕落(フォーリングダウン)』させると同時に精神生命体(アストラル)へと昇華する。そして自らモンスター化する秘術……」

「下手すればバレミアットやラマッシャみてーに暴走するんだっけ?」

「ええ……そうよ……」


 肩の上のヤマミ小人は目を細めたまま頷く。


 ……魔女アリエルに『偶像化(アイドラ)』を覚醒させられた時を思い返す。

 ボワッと『偶像化(アイドラ)』を粉微塵に散らして、アリエルは降りてきた。


「己の欲に溺れず、それを上手く制御できてこそ『偶像化(アイドラ)』の極意ぃ~」

「制御……? 極意……?」

「激情と本能が渦巻くからねぇ~、それをコントロォ~ルするのは至難の(わざ)ぁ~。でもねぇ~、使いこなせればぁ~無敵ってワケぇ」


 厳密に言うと実は誰でもできる秘術。

 生物であれば必ず『欲望』を持っている。本能であり激情をかき立たせる要因。

 それ故に失敗すれば理性が吹っ飛んで完全なモンスター化するリスクがある。

 いわば諸刃(もろは)(つるぎ)とも言うべき秘術なのだ。


「……肉体が持つ本来の制限を持たない金属人間の体を得る事で、第三次オーラであるフォースをムリヤリ出せた。だけど、その状態での『偶像化(アイドラ)』は逆にモンスター化しやすくなったわ」

「えっ? それヤバイじゃねーかぞ!」

「うん。ヤバい」


 魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアットを見ると、なんか怪訝(けげん)な表情をしているぞ。

 まるで「こんなはずじゃない」みたいな?


《おかしい……。今まで、そんな人格破綻は起きなかったはずだぞ……》




 マイシは剣を振りかぶって、ファバへ飛びかかる!


 しかしどこからか光線が三筋、違う方向から放たれた!?

 下半身の円錐からズズメバチ型の『分霊(スクナビコナ)』を出して尻尾の針から撃ってきたようだが、マイシを包むフォースに弾かれて効かない!


「ふぁッ!?」

「茶番は終わりだしッ!!」


 竜の爪が如し振り下ろされるマイシの剣が『偶像化(アイドラ)』ごとファバを爆裂させる!

 大地を揺るがし、烈風が吹き荒ぶ!


「やっちまった!! 瞬殺だ!」


 その近くで『偶像化(アイドラ)』で包んだファバが笑みを見せる。そして両目の魔眼『転生眼(テンセーメ)』が煌く。ギン!

 赤い虹彩で、瞳孔から放射状に四本のトゲの紋様。

 片方の目のトゲ紋様が一本消えて、三本になる。


「マイシ! あと三回、いや七回殺さないと倒せねーんだ!!」

「へっ! 大した事ないし!」

「ふはっ! 私は絶対に死なんぞぉ~!」


 なんと他のズズメバチが一斉射撃を行い、それはマイシではなく各国の兵士を何十人も射殺した!?

 すると生命エネルギーがモヤモヤと顕現化(けんげんか)されて、それがファバの目へ吸い込まれていく? するとどうした事か、トゲの紋様が増えていって合計二六本に!?


「ふ、増えた!?」

「ちっ!」

「ふはっはっはっはぁ!! 数人のいのちエネルギーでストックを増やせるぞ~! これで私は絶対死なな~い!!」


 命を弄ぶかのように嘲笑い、更に各国の兵の射殺を続けている。


「てめぇ! 止めやがれしッ!!」


 激怒したマイシは周囲のズズメバチを『炸裂剣(バーストソード)』で殲滅させる!

 あっという間にファバに斬りつけて木っ端微塵に粉砕!


「私は絶対の存在だぁ~!」


 (となり)でスウッと浮かび上がて嘲笑うファバ!

 構わず問答無用でファバを砕き続けるも、何度でも即復活してきてキリがない!


「むだだ~! 私は絶対だー!! 絶対であるべきなんだぁ~!」


 どんどん命を奪っていって魔眼のトゲが最限りなく増え続けていく。

 だからこそスナイパーのクセに殴りかかってたのか。誰かを殺し続けて命のストックが増えれば、苦手な距離を気にする必要はない。

 ましてや戦争中。ストック調達には困らない。


「ふは~っ! 私の絶対は誰も敵わないんだァ~~ッ!!」


 狂喜乱舞とファバは踊り舞っている。

 マイシが何度も粉砕しているのに、依然とふざけた態度を変えない。


 オレは湧き上がる怒りに魔神皇帝(マシンカイザー)へ睨もうとしたが、表情を見て留まった。


《あのバカ……! くそ! もはや自分で自制できぬか!》


 なんか都合が悪いらしく、魔神皇帝(マシンカイザー)は苦い顔で歯軋り。

 すかさずファバへ掌を向けたようだが、何も起こらないみてーだ。


《く……! ヤツの『偶像化(アイドラ)』のせいでどうにもできん!》



 ズズッと膨れ上がる威圧に、オレは思わずファバとマイシの方へ振り向く。

 なんとファバの『偶像化(アイドラ)』がボコボコと肥大化していって、巨大なスズメバチの巣みたいになっていく!?

 さっきまで円錐だったのに、紋様が彩る楕円形の球体に!


 ファバはゴポゴポ取り込まれて、代わりに八つ目のスズメバチの頭部が肥大化して四つの羽をブブブブブブブッと羽ばたかせている!?

 その頭部から黒いツノが二本伸びていく!


「お、おい……!?」

「見ろ! スズメバチの大群が出てくるッ!!」

「ひええええ!!」

「こんなんどうしようもないぞ!!」


 空を覆うかのような大群に、兵士たちが恐怖で逃げ惑う!


《ふはっ、ふははっはぁっははははぁ~! いひひひ~!》


 もはや理性を失ったファバ!

 命を(もてあそ)ぶという下卑た欲望が魔眼によって促進(そくしん)されて、肥大化が止まらない!



 その現象にオレは少し見覚えがある!


「あ、あれ……魔王化じゃないか!?」

「大量の命をストックしたせいで、そのエネルギーが余計『堕落(フォーリングダウン)』を加速させたみたい!」

「ど、どうなっていくんだぞ?」

「あなたが言った通り、最悪魔王化するわよッ!」

「え?? ちょっ……マリシャスいねぇし、魔王化の概念なんて……!?」

「それは『鍵祈手(キーホルダー)』の場合!!」



 ズズメバチの大群がメキメキ異形化していく!?

 更に風景がファバのイメージ空間に染まっていく! ドロドロと粘着性のあるハチミツの海が広がる、黄金空間!

 あちこちで噴水が起きている!


《ファハハハァ、ハァ、ハハハァ、ハァ!!》


 気づけばファバのスズメバチの巣みてーな『偶像化(アイドラ)』は下のはちみつの海に着水して柱のように伸びていく! そして徐々に柱の幅が膨れていく!


《ハァ、ハハハァ、ハハハハハァ、ハァ、ハァ、ハハハハハァ!!》


 ただただ膨れ上がるばかりの威圧で、大地の震えが徐々に大きくなっていく!

 完全な魔王化まで待ったなしだ!!

 そりゃ魔神皇帝(マシンカイザー)だって焦るワケだぞッ!




 それをマイシは笑い飛ばす。


「へっ! ブクブクに太りやがって……、暴食も大概(たいがい)にしやがれし!」


 全身からボウッと地揺るがす激しいエーテルを噴き上げ、更にウロコを模すスパークが迸る!

 それに留まらず、更に激しさを増して周囲が激しい振動で蠢き始めていく!

 彼女(マイシ)の威圧が異常に膨れ上がっていく!


「かああああああああああ……ッ!!」


 セミロングだった髪はロングに伸び、竜の両翼を象るように広がって白いラインが竜の翼の骨を描く!

 頭上の二本の逆立った髪の毛は四本に増え、それぞれに尖った角を表すような白いラインが走る!

 溢れた閃光が全てをカッと一瞬真っ白に覆った!!


 あまりの眩しさに誰もが目を瞑って、徐々に目を開ける。

 するとマイシの風貌に驚愕していった!


「お、おい!! すげぇぞ!?」

「竜王ぱねぇ!!」

「とてつもない威圧だぁ!!」


 威風堂々とマイシが立ち(そび)えウロコを模すスパークが荒々しく(ほとばし)る!


「へっ! 灼熱の火竜王マイシっしょ!!」



 異形ズズメバチの大群が唸りあげて殺気立つ!

 数千数万もの大群が凶悪なアゴを剥いて、超高速で食いちぎらんと殺到してくる!

 しかしマイシはキッと睨み据え、剣を振るう構え!


「一気に決めるぞし! 灼熱火竜王のッ、炸裂焔嵐剣バースト・フレイムストームッッ!!」


 獰猛な火竜王が暴れ回るかのように爆裂の嵐が、異形ズズメバチの大群を一気に吹き飛ばしていき、広範囲に吹き荒れていく!

 まるで滅亡兵器級の破壊力! 大地を揺るがし、大気が騒ぐ!

 そしてそのまま魔王化寸前のファバの『偶像化(アイドラ)』へ突き抜ける!!


《ファハハハハハハハハハァァァア!!》


 巨大な柱から、ムカデのような触手を幾重も伸ばしてきてマイシを襲う!

 しかしマイシを包むフォースを前に蒸発して、ことごとく消し飛ぶ!


「灼熱火竜王のォ!! 炸裂凰翼(バースト・ウィング)最終剣(・ファイナル)────ッッ!!」


 灼熱に燃え盛る両翼を左右に広げ、剣を突き出しながら急降下突撃!

 巨大な『偶像化(アイドラ)』の上部を木っ端微塵に破裂!!


 ドガアアアアアアアアァァンッ!!


 破壊が連鎖していって下まで崩壊していく!!

 そこから抜け出したファバ本体は正気を取り戻したのか魔眼でギン! 構わずマイシは剣を振るう!!


「馬鹿め! この魔眼があるかぎり私は絶た──」

「かあああッ!! 灼熱火竜王のッ、炸裂焔嵐剣バースト・フレイムストームッ!!」


 炸裂剣(バーストソード)による集中砲火をファバに叩き込みながら急落下! 尾を引くかのように爆裂の嵐が連鎖していく!

 絶え間ない連撃によってストックがあっという間に底をつき、ファバはたまらず「ガハッ!」と白目で吐血!


「かああああああああああッ!!!」


 そのまま地上へ激烈に叩きつけ、爆裂が大規模に膨れ上がって灼熱の余波が周囲へ荒れ狂う!

 大地を揺るがし、熱風が破片を飛ばしゴゴゴゴゴゴゴゴッと唸る!


 立ち込める煙幕からファバの魂が抜け出して、ビューンと魔神皇帝(マシンカイザー)へ戻る!



「へっ! 欲に溺れたヤツが“絶対”になれるかし!」


 息を切らしながらも不敵な笑みでマイシは魔神皇帝(マシンカイザー)へ剣を突き出す。

 さしもの魔神皇帝(マシンカイザー)も「ぐ……!」とシワを寄せて悔しがる。

あとがき雑談w


ナッセ「さっきから一話決着で進んでるぞ」

ヤマミ「もう(しゃく)がないからでしょ。急いで畳んでるわ」

リョーコ「残り十四話だっけ?」

アクト「あァ……。ローファンタジー編辺りだと、俺のダクライ戦かァ……」


ナッセ「もうクライマックス手前じゃねーかぞ!」


 “千閃騎士”バレミアット VS “黒夜叉”アクト ○勝ち

 “火輪坊”ラマッシャ VS “日章の斧女子”リョーコ ○勝ち

 “無音の狙撃手”ファバ VS “灼熱の火炎竜”マイシ ○勝ち


 “乱棒騎士”マッチ VS “暴焔の魔王”ジャオガ

 “跳撃騎士”キジャナ VS “風閃の爆走騎士”ティオス

 “連陣魔道士”ヴィバン VS “魔迅の鬼神”タッド

 “砂漠の魔勇者”ボゲー(PT) VS “聖雷の勇者”セロス(PT)



 次話『ティオス先輩! 一話で決着お願い!』

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