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184話「魔神皇帝の野望! 黒夜叉アクトの奮戦!」

 魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアットは黒いドクロの『偶像化(アイドラ)』を頭上に浮かせ、更の上で『虚無・終・魔絶』が悍ましい闇の瘴気を放っていて、ナッセの『極楽の鈴』の浄化の波紋と拮抗している。

 そして足場になっている魔神(マシン)デウスの更に下で、魔導砲となる六門の魔法陣が形成されつつあり、その水面下で大規模な魔法陣を描き続けている。


《秘術『マンカインド・インデックス』!》


 考案自体はとっくに数十年前からあった。

 だが、実現するには困難を極めた。魔法陣の製作だけでも十年に及んだ。

 後は発動する為に必要な魔法力の量で、一旦は頓挫(とんざ)……。


 しかしそれも魔神(マシン)デウスが解決してくれた。


《……おかげで、完成を見るのはもはや感慨(かんがい)深いな》


 魔法を全く使わない、という訳ではなく自身の本能的なスキル『魔絶』系以外に使う方法を知らなかっただけ。スペックがすごく高いだけで精神性は幼くて技術も未熟。

 たが供給用として利用できれば充分。後は期待しない。所詮は道具。


《とりあえずナッセが邪魔してこないように『虚無・終・魔絶』で足止めできればいい。案の定、ヤツはこちらを睨むだけで動けない》


 ナッセと同じようにヤマミもこちらを睨んでいる、と魔神皇帝(マシンカイザー)は眉をひそめる。

 だが好都合だと考える。

 邪魔も何もしてこなければ、成功したも同然と内心喜びが沸く。


《いずれにせよ、秘術(これ)が成功すれば……、我が思うままに()()()()()()!》


 自分で人類の敵を決めて、各国の矛先を向けさせる。

 それは何者にも防げず、思い通りに世界情勢を変え、望む未来を築ける究極の秘術になるのだ!

 これこそが人類の進化に必要な事であり、そして未来を切り拓く(いしずえ)だ!


《クックック……! 妖精王どもが、いかに絶望に堕ちるか愉しみだ……!》


 魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアットは狡猾に笑む。




 と、そんな独り言が聞こえちまった。やべー!

 アイツが言ってたように足止めされているオレは寒気がした。


《あいつ……敵を決めれるって言ってたぞ……?》

《うん聞こえた》


 肩の上のヤマミ小人と『思念通話(テレパシー)』だ。聞かれちゃ困るしな。


《もしそれが可能なら、最低最悪な秘術になるわ》

《最低最悪の……?》

《そう! 悪行の限りを尽くしてから、気に入らないヤツに(なす)り付ければ……?》


 ハッとして青ざめる……。


《ヤツらが潔白の身になり、逆に敵と決められたヤツが四面楚歌にッ……!》

《ええ……、ヤツらにとって都合の良い世界になるわ……》


 戦々恐々と息を呑む。


《そんなん……最低だぞ…………!》


 魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアット勢力が次々現れた敵を倒していく英雄だと、各国は騙され続ける。

 しかも蹂躙された犠牲者も誤認させられて救われねぇ……。


《そう……、尊厳を踏みにじる非人道的な悪魔秘術よ》


 ギッと歯軋りし、胸糞悪い気持ちが沸き上がってくる。


 手前勝手な自作自演なんかで未来を弄ばれちゃ、気持ち良いワケがねぇ!

 アイツが言ってたように人類の()()なんかじゃねぇ! 紛う事なき()だッ!!


《こんなの許せねぇぞ……! ワクワクドキドキなんかできるものかッ!》

《ええ! 未来をヤツらなんかに独占させはしないッ!》


 魔神皇帝(マシンカイザー)の悪魔的策略を打ち破るべき、オレたちは毅然(きぜん)と立ち向かう────!




 そして戦局は七つに分かれた。

 六帝魔騎士マシンリッター・ゼクスとこちら側の猛者が激突。


 “千閃騎士”バレミアット対“黒夜叉”アクト!


 “乱棒騎士”マッチ対“暴焔の魔王”ジャオガ!


 “火輪坊”ラマッシャ対“日章の斧女子”リョーコ!


 “跳撃騎士”キジャナ対“風閃の爆走騎士”ティオス!


 “無音の狙撃手”ファバ対“灼熱の火炎竜”マイシ!


 “連陣魔道士”ヴィバン対“魔迅の鬼神”タッド!


 そして“砂漠の魔勇者”ボゲー対“聖雷の勇者”セロスのパーティー戦!



 バレミアットは不敵な面構えで、アクトと対峙……。


「“千閃騎士”と異名された俺を相手とは、いかに“黒夜叉”アクト殿とて無謀であろう。速やかに我が軍門に下れ!」


 傲慢そうにバレミアットは提案してきて、アクトは目を細める。


「あァ……寝言は寝て言えよ! それともボケたかァ?」

「妖精王の若造といるより、魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアット様に仕えた方がいいぞ?」

「寝ぼけんなァ! 三流皇帝(ロゼアット)よか、相棒(ナッセ)と歩んだ方が人生充実するわァ!」

「……むっ!」


 万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)アクトは常時、赤煙をシュポーッと噴出させながら立ちはだかっていて、頼もしい。

 不機嫌なバレミアットは双剣をブンブン振り回し始めて、弧を描く軌跡が乱雑と重なっていった。まるで刃の竜巻を纏っているかのよう。


「同じ人類として風上にも置けぬわッ!! 無限ノ剣閃(むげんのけんせん)乱刃交柵(らんじんこうさく)ッ!!」


 幾重の剣閃を纏いながらアクトへ高速突進! 人形で繰り出すのとは段違いの“生きた”太刀筋している! 手強いぞッ!

 それに対しアクトは刀一本で構える!


「オメェらこそ風上にも置けねぇわァ!」


 ガガガギィンギガガガガギギギガギィンガガガガ!!


 誰もが驚く!

 アクトは必死に刀一本だけで無数の斬撃をことごとく捌いていって、互角の様相を見せていたからだ!

 やや押されているものの剣戟の勢いでは負けていない!

 バレミアットは押し切ろうと勢いを強めていくが、アクトは剣戟を重ねるたびに成長する勢いで「があああああああァ!!」と押し返していく!


「ぬう!?」


 ガギギィッ、とバレミアットの双剣を砕いてアクトが押し勝ったァ!

 追撃とバレミアットを地上に叩き落とす! ドゴーンと大規模に土砂を巻き上げ、更にズザザザザと地面から飛沫を噴き上げながら転がっていった!


「そんなんで俺を勧誘するなんて百万年早ぇえわァ」


 刀をひと振りしてアクトは笑む! やはり五年経っても強ぇえ!!

 煙幕をブワッと吹き飛ばしてバレミアットは立ち上がり、悔しさを滲ませてアクトを睨み上げた!


「どうやら痛い目見て思い知らせるしかあるまい!」


 なんとバレミアットの下半身がボコボコとカマキリのような異形と化して六本の足に、腕の代わりに六本のカマキリの鎌みたいなのに変形をしていく。両目が膨らんで複眼みてーになった。

 その奇妙な容姿はバレミアット自身の欲望を体現した『偶像化(アイドラ)』である。


「斬り刻んでやるッ!! 無限ノ剣閃(むげんのけんせん)大嵐無尽(おおあらしむじん)!!」


 バレミアットは六本あるカマキリのような鎌で、幾重の斬撃を飛ばし続ける! 数百数千もの斬撃が怒涛とアクト一人へ集中砲火!

 アクトはカッと見開く!


「心剣流・天海(あまかい)龍塒巻(りゅうのとぐろまき)!!」


 アクトは身体を振り回し剣を振るい、斬撃の大竜巻を起こすァ!!

 それは空を衝き、大地をも深く抉るほど、超巨大で圧縮凝縮された斬撃の竜巻!!

 バレミアットの数千もの斬撃さえ、ことごとく弾き返してしまう!!


「あぁッ!? 斬れなあッ!?」

「へっ! この程度じゃ、俺は斬れねェなァ?」

「な、なんだとォ!? ぐぬぬ斬らせろッ!! 斬らせろ斬らせろ斬らせろおッ!!」


 斬りたい衝動が先行し始めたバレミアットは正気を失いつつある!

 そして『偶像化(アイドラ)』もボコボコと本体を呑み込みつつある!


「斬らせらあああああ!!」

「っち!」


 暴走したバレミアットとアクトは再び激突!

 上空を縦横無尽に飛び回りながら幾重もの激突を繰り返して、あちこち激突の衝撃波が巻き起こる!


 ガガガギィンギガガガガギギギガギィンガガガガ!!


「斬りたぁ斬りたぁ斬りたぁ斬りたぁ斬りたぁ斬りたぁィィィィィィ!!」


 バレミアットの複数の刃と、アクトの刀が乱雑に交錯しあい、両者睨み合い!

 上空だけに飽きたらず、地上も城壁もあちこち穿たれて飛沫を噴き上げていく!


 ドッ! ドドッ! ドッ! ドッドッ! ドドドッ!! ドッ!!


 余波で嵐のように吹き荒れていく!

 凄まじい激戦で天災と思わせられるほどだ! ゴゴゴゴゴッ!!


「これがアクトの実力!?」

「マジで速いし、パワーアップしてなおかつ『偶像化(アイドラ)』で暴走してるバレミアットにも負けてねぇッ!」

「さすがナッセの仲間!」

「実はナッセの相棒らしいぞ!」「マジか!?」


 ガガガガァンギギギギギィンギィンガギギッ!


 未だ縦横無尽に駆け抜けながら交錯し続ける両者の剣戟に、各国の人々や観戦者たちも驚いていく。

 アクトはモテるので一部の女性たちがキャーキャー喚いている。



「おのれぁあ!! 斬らせろ斬らせ……あぁぁああああ!!!」


 もはや自分の『偶像化(アイドラ)』にバレミアットは全身を呑まれ、上目遣いのままゴボゴボ気泡を吐いている! 溺れてるみてーだ!

 そう、完全に欲望に呑まれてモンスターに堕ちているんだぞ!

 そして『偶像化(アイドラ)』は六本の足と鎌をもつ黒いカマキリになってて、頭上から禍々しい角が伸びていく!? ズズズズ……!


「斬りたァ斬りたァ斬りたァァァッ!! 無限ノ剣閃(むげんのけんせん)怒涛荒刃(どとうあらじん)ッ!!」


 そして鎌を針に変えて欲望全開による超高速連続刺突をアクトへ集中砲火だ!

 しかしアクトは据わった目で「テメェにかかずらっているヒマねーからなァ?」と構えていく!


「心剣流! 四刀(しとう)龍将総一閃(りゅうしょうそういっせん)ッ!!!」

 ド   ン!!


 四刀重なる一太刀の下で超高速連続刺突を破られ、バレミアットは『偶像化(アイドラ)』ごと肩から下まで両断されて絶句!!

 全てを震撼させ、天地を割るほどの大技に、誰もが目を丸くして驚愕!


「なっ!? なんだッ!? 大地が裂けた……!?」

「何が起きたッ!?」

「暴走して爆発的に強まったバレミアットを一撃で!?」

「見ろ! アクトの様子がこれまでと違うぞーッ!」


 アクトからバリバリッと黒い電撃が迸っている!

 黒髪が少しフワッと逆立ち、具現化された漆黒のロングコートが炎のように絶えず揺らめいていた!

 しかも阿修羅のように背後から漆黒の腕が複数ユラユラ踊り、顔の左右側面から顔が浮かび上がっていく!


「これが俺の最終境地……“万覇羅参(マハーラティガー)”だァ……!」



 この形態こそ『次元法(アーカーシャ)』を、この現世で繰り出す極意!

 幾重もの次元に存在する自分自身と『連動(リンク)』する事で、威力値を数倍に跳ね上がらせる事ができるのだ! しかしこれは本来、極楽浄土でのみ可能な技法!

 アクトは如来王(ごときおう)の一人である自由神(ドゥニア)で極楽浄土と接続する事で、現世でも『次元法(アーカーシャ)』を可能にしたようだった!

 これにより威力値は約一九〇万にまで引き上げられた!!


「すげぇ……! まるで神みてぇだ!」

「なんという神々しさ……!!」

「アクト、マジで強ぇえ!!」


 バレミアットは「斬りぁ斬りぁきぃ……」と狂気を呟き、ドガアッと爆破四散。

 その魂はドンと打ち上げられ、弧を描いて魔神皇帝(マシンカイザー)へ戻っていった。


「く……!」


 魔神皇帝(マシンカイザー)ロゼアットは(はらわた)煮えくり返って顔を怒りに歪ませる。

 いずれアクトの矛先をナッセに向けさせれるとは言え、自分の腹心を一撃で叩き斬られるのは気分の良いものではない。




 “火輪坊”ラマッシャの懐剣のような輪状の斧と、リョーコの斧と交差! ガッ!

 周囲にゴウッと衝撃波を撒き散らす!


「早くも一人撃沈されたわねー!」

「この小娘がッ! 我が業火で地獄を見せてくれるわッ!」


 余裕に笑むリョーコに構わず、ボコボコとラマッシャが欲望を体現する『偶像化(アイドラ)』に包まれていく……!

あとがき雑談w


アーフォス「ねぇナッセ君、極楽浄土とか次元法(アーカーシャ)とかなんなの?」


ナッセ「話せば長くなるけど、極楽浄土は今の世界より更に成長した世界だぞ。実は世界って何段階と成長しているって話だぞ」

アーフォス「えー世界広がりすぎじゃないの」


ゴレアック「うむ、では次元法(アーカーシャ)は……?」

ナッセ「世界には複数の次元で重なっていて、それに干渉する事で威力値を何倍にも引き上げたり、死んだ人を生き返らしたり、遠く離れた人と話せたり、何でもアリっぽいぞ」

リョーコ「あ、そうそう。それ木星人っていうかインド人しかできないからー」


アーフォス「早い話がチキューやべぇって感じかねぇ」

ゴレアック「そんな恐ろしい所なら、ナッセたちの強さも納得がいくな……」



 次話『ラマッシャ対リョーコ! 一体どうなる?』

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