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175話「吹き荒れる風の乱舞! 侮れぬ嵐の戦士!」

 風の国の“疾風の勇者”バベナス。

 長身細身の男。センター分けのロン毛を後ろに結んでいる銀髪。三角の目、鼻、アゴとか色々(とが)っている。胸元を開けた白い衣服。ツバメみたいな白いマント。


「ふむ」


 バベナスは尖った鼻を上げて魔神(マシン)デウスを見つめ、ざわざわ悪寒していた。

 彼の感知能力は極めて高く、どれだけ危険かを察知しやすい。


「……魔神(マシン)側に詰みに近づいているが、どうも嫌な予感がするな」


 超再生による不死と魔法などの力を無効化する『極・魔絶』の瘴気をナッセが抑え、霊属性の付加魔法(バフ)で殺戮兵器への耐性を得て、数多ある兵器を攻略していき、圧倒的な兵力も(くつがえ)さんとする勢い。

 リョーコとアクトは未だ健在で無双中。一番敵の数を減らしている。

 このままいけば逆転するだろう。


「なのに……まだ……」


 魔神(マシン)デウスには「何かある」とバベナスは頬に汗を垂らす。


「どうしたー? またいつもの察知かー?」


 “暴風の猛獣”パックウリ。

 金髪のオールバック。幼い顔の丸い目が無垢っぽい。満面な笑顔が天真爛漫さを表している。

 黄色を上着として下の衣服は緑色。

 烈風を体に纏う『形態(フォルム)』、超振動の疾風を纏う剣、彼は暴風のように軽やかに舞いながらも、周囲の魔神(マシン)兵を乱暴に砕いていく。


「パックウリ、こちらは各国へツーバメで連絡する。その間を頼む」

「ああ! わかったー!!」


 パックウリは全身に風魔法(ヒュザ系)を纏わせる事で、流れるような動きで上下縦横無尽に舞える。

 更に自分の剣にも集中的に注ぎ込んだ魔法剣で威力を高めている。

 竜巻を回転ノコギリに超圧縮された剣は、(かす)っただけでも粉々に砕くほど。


「なんなんだ!? あの竜巻みたいなガキ!!」

「銃弾が逸らされる!!」

「くそッ!! しかも動きが早くて目で追えんッ!!」


 数十機もの魔神(マシン)兵は翻弄され、粉々に一掃されていく。



「相変わらず暴れん坊ねー」


 “天衝姫”ソルマト。

 銀髪のおかっぱの少女。青いラインが走った白い衣服。両腕には鳥の翼が同化している感じ。手と足は鳥のようなもので鋭い鉤爪がある。

 彼女もまた風魔法の『形態(フォルム)』で全身に風を纏っている。


「ハーピィシャワー!! とくと浴びなー!」


 空を飛翔しながら、具現化した羽毛の矢をばら撒いて魔神(マシン)兵を次々と撃ち貫いていく。

 超高速で飛びながらの追尾弾(ホーミングショット)は強い。

 空で踊る彼女に射抜かれていく魔神(マシン)兵はひれ伏すしかないのだ。



「気を抜くな! まだ魔神(マシン)デウスの倒し方が見つかっていない!」

「わーってるよ! カイロット!」


 “空の踊り姫”カイロット。

 黒髪ショートの女性。身軽な衣服で手足に金属の装飾品が装備されている。スレンダーな体型で引き締まってるのが窺える。

 真面目な性格でキリッとしている。


 踊りながら竜巻の『衛星(サテライト)』を浮かばせ、それぞれ火、氷、石飛礫、各属性の魔法を包む『包装(エッグ)』で放つ。

 魔法の(から)で覆う事で別の魔法を隠し内蔵する本来の使い方と違い、やや合成魔法に近い。

 火炎の竜巻、吹雪の竜巻、石飛礫を回転させている竜巻。

 それらは竜巻で引き裂きながら燃やす、冷やす、砕く、と恐るべき威力になっている。


「ぐわあああああ!!」「ぎゃあー!!」「な、なんてヤツだ!!」


 なすすべもなく魔神(マシン)兵は引き裂かれていった。



「連絡は済ませた! こちらも行くぞ! 颯脚疾駆(さっきゃくしっく)!!」


 バベナスは双剣である曲刀の聖剣キュルミュルを両手に駆け出し、自ら疾風となるかのようにフッと超高速移動して一気に数十機もの魔神(マシン)兵の首を飛ばす。

 あちこちでフッ、フッ、フッと一瞬だけ姿を見せるだけで目にも映らない。

 ただ大地に駆け抜けた後の飛沫がジグザグと走ってるだけだ。


「ぐわあああーッ!!」「ぎぃえーッ!」「ぎゃあ~ッ!!」


 魔神(マシン)兵はなすすべもなく翻弄され、首を刈り取られていく。

 二つ名の通り、自ら疾風となったかのように目にも映らないレベルの超高速移動で斬撃を見舞う。これが勇者バベナスの真の実力か!?


「パックウリ! ソルマト! カイロット! 魔神(マシン)退治だ!!」

「「「おおうッ!!」」」


 勇者バベナスパーティーは遊撃隊として快進撃!


 そんな彼らの戦闘スタイルを初めて見て驚いたぞ。

 いずれも最強の国王騎士に勝るとも劣らぬ実力者ぞろい。特にバベナスの速さは群を抜いているぞ。

 しかし、すっげー頼もしい勇者、他にもいたんだなぁ……。



 “風間の王者”ナムベジ王様は気難しい顔で魔神(マシン)デウスを見ている。


「ううむ。バベナス殿の言う事は当たるからな……」


 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)も王国騎士として、勇者たちにも負けてはいない!


“天翼の聖槍士”ミカナーナ。

 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)が一人。リーダー。銀髪ロン毛のイケメン、肩当てと胸当ての鎧、騎士マント。

 そして両翼と真っ直ぐの刃が特徴の槍型聖剣『フェザーシュート』。


「分が悪い大会であれ、俺は元より覚悟している身。行くぞ!!」


 槍をかざすと、薄く輝く半透明の羽毛が集合してミカナーナの背中に両翼を付加。空へと上昇していく。

 それを狙いすました弾道ミサイルが迫って大爆発。

 しかし無数の翼がミカナーナを包んでいてノーダメージ。


「いかなる攻撃も通さぬ包装翼(ウィングラップ)! そして……」


 槍を振り下ろすと、手裏剣のように無数の翼が超回転しながら魔神(マシン)兵へ降り注ぐ。

 スパスパ輪切りにして何十機も斬り散らされていった。


「全てを斬り散らす風車翼(ウィングソーサー)!」


 すげぇ……攻防一体の聖槍か。

 お、今度は槍の刀身にでっかい翼っぽい尖った刃を生やして「天翼轟剣(ウィングバスタード)!!」って言いながら、戦闘機をスパスパ斬って捨ててるぞ。



“雲雨の祈手”シナッバ。

 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)が一人。栗色ロングで後ろの方で結んでいる、両翼を備えたカブト、放ち口を覆うマスク、肩当てと胸当ての鎧、後はロングスカート。女騎士。


「いきますわよ。『慈雨の雲(ヒーリング・クラウド)』発動ですわ」


 剣を天高くかざす。

 すると上空に薄く輝く雲が徐々に広がっていく。そしてキラキラする雨が降り注ぐ。

 それは兵士や騎士たちの傷と疲労を癒していく。


「うおおおおおお!!」

「傷が癒えた!!」

「それだけじゃない! 体力も戻ってる!」

「この持続する効力! すげー!」


 しばらく回復が継続する常駐範囲魔法には驚かされるぞ。

 これなら戦いながら回復できる。

 オレもヤマミも真似できねーぞ。相当熟練してねーとあんなの創れねぇ……。



“飛燕剣”ユーガ。

 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)が一人。鳥頭みたいな髪型、厳つい顔、騎士マントが翼を模している。両手のナイフに加え、肘、膝、つま先、カカトからもナイフを生やせる。全身凶器だぞ。


「フッ! 燕舞(スワロー)ッ!!」


 燕のように高速で走り抜けて魔神(マシン)兵を斬り裂いていく。

 バベナスを見た後だと下位互換に見えてしまう。こんなんでもスゲー速いし、アクロバットな動きも相当なんだが……。



“魔風導師”ディビジョ。

 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)が一人。エルフの魔道士(マジシャン)、銀髪ロング、全身を包むローブ、背が高い女性。


「ヒュザラジン天魔葬(ドーム)ッ!!」


 杖を振るうと、荒々しい旋風が渦巻き始めて魔神(マシン)兵を細切れに斬り散らしていく。

 周囲はもうカマイタチの嵐だ。誰も近づけねぇ。

 銃弾もミサイルも逸らされて届かねぇ。あれだけ大量に、そしてこの威力。

 魔力が高いエルフってのもあるが、これだけ長く魔法を操り、無数の敵を一掃してしまうコントロール能力も熟練されているぞ。



“霜天者”レナジ。

 風翼五戦将(ウィンド・フィフス)が一人。ベリーショートの青髪、肩当てのみの鎧、筋肉ムキムキの大柄な女。


「もう付加魔法(バフ)はしばらく大丈夫だし、そろそろ暴れるか! ツイスト・ナックル!」


 両拳に凝縮された竜巻を纏い、魔神(マシン)兵へ殴りかかると周囲を巻き込んだ大旋風が吹き荒れて数十機を粉砕。

 しかも銃弾や弾道ミサイルさえも、合掌する事で全身に竜巻を纏う「ストーム・アーマー」で弾いてしまう。

 恐ろしい女傑だぞ。火の国出身だったりしない?



 “球根霊の主人”カッコ。

 黄緑ショート、ベストを着たミニスカワンピース、そんな小柄な女性が変身すると、可愛らしい蝶々の羽を生やした小人になる。

 地面からボコボコッと両目口があるタマネギっぽいのが抜け出てきたぞ。


「コンちゃん! みんなやっちゃってー!!」

《おう!!》

《やっちゃるでー!》

《いこいこー!》

《えーい!!》


 球根かタマネギか、無数のコンちゃんが暴れまわって魔神(マシン)兵は蹴散らされていく。

 一部ヒヤシンスみてーなの咲かして、無数の種を弾丸としてばら撒いて粉砕していくのも見かけた。スイセンのような鋭い葉が剣のように振るわれたりもする。

 色々なの生やして攻撃もできるのか。



 “紅葉の狩猟者”モウジッミ。

 ベストのみ着たリスが二足歩行する御獣(ミケモ)族。無駄に巨乳だからメスか。


「モミジストーム!!」


 なんと全身からモミジ型の魔法弾をばら撒いて、魔神(マシン)兵をことごとく爆撃してるぞ。

 カッコとモウジッミは王国騎士ではなく、オレたちと同じ上位生命体。そして不思議な固有能力が顕著だ。


「そして!! 更なる千秋モミジストーム!!」


 突然、周囲に木々がボコボコッと生え出して、真っ赤なモミジの嵐が吹き荒れたぞ。

 容赦ない絨毯爆撃で数百機も魔神(マシン)兵が葬り去られていく。


「うははははは!! くたばれ!! くたばれ!! 鉄クズども~~!!」


 どっちが悪党か分からないくらい、モウジッミが哄笑し始めたぞ。


「ぎょえ~~!!」「ぐは~~!!」「うぎゃああ~~!!」


 魔神(マシン)兵が気の毒と思うくらい、モミジストームが勢力を広げて猛威を振るっている。

 あんな過激な性格だったとは……。

 御獣(ミケモ)界で集合してた時では分からないモノがあるんだな。


「ドン引きするわね……」

「だなぞ」

あとがき雑談w


風翼五戦将(ウィンド・フィフス)「これで全員活躍だー! あ、そうそう」


“球根霊の主人”カッコ「普通に暮らしてましたけど、もうバレましたね」

“紅葉の狩猟者”モウジッミ「付近の森で暮らしてたよ。ふん」


 この二人も一応冒険者だけど、活動は消極的。

 単騎でも強い為、基本的にソロ。

 見た目が強く見えない為に知名度もなく、今まで勧誘されなかった。


風翼五戦将(ウィンド・フィフス)「この二人を入れて七戦将にしたいなー」



 次話『次はどんな国かお楽しみにー!』

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