173話「これが蒼の六柱騎士!! 個性派ぞろい!」
ロゼアット帝国は恐るべき殺戮兵器で攻めてくるんだぞ!
いかにもゴツくて頑丈そうな重装甲車トラクターが何両も並んでいて、後方の発射機を斜めに上げて弾道ミサイルを次々と撃ちだす。
超高速で大気を切り裂いて、こちら陣営に炸裂した大爆発が数十人もの騎士を屠った。
オーラや魔法を出せない代わりに殺戮兵器は殺傷能力が凶悪だ。
「クラッシュ・バスターッ!!」
リョーコが上空から飛び込んで広範囲に大地を粉々に陥没させて、周囲の重装甲車トラクターや戦車を数十機も巻き込んで粉砕!
彼女だけで数万くらい魔神兵葬ってるぞ! しかもまだ余裕っぽい!
マジで『日章紋』TUEEEEE!!
とはいえ、あっちはいくらでも兵器を出してくるからキリがない。
「オレも頑張らねーとな!」
浄化の鈴で波紋を広げ続けて、魔神デウスの『極・魔絶』の瘴気と競り合っている。
もし押されたり、途絶えたりしたら、みんなの力が消える。
そうなったら銃火器で惨たらしく蹂躙される。それは想像したくない。
鋭利な形状の戦闘機が飛び交っている内で、数機がこちらへ飛んでくるとマイシが飛びかかって次々と迎撃していく。
さっきの『滅びの竜王劇』で疲労してんのに、護衛を引き受けてくれる。
「サンキュー!」
「フン! この下らない大会なんか終わらせて勝負したいだけだし! だから、てめぇはてめぇで集中しやがれし!」
「ああ!」
口は悪いが、頼もしい仲間だぞ。
獰猛に飛び回って、戦闘機やミサイルを迎撃して大爆発が次々轟く。
オレが無防備な人族だったら鼓膜破れるほど轟音と空震がひどいぞ。あと飛散する破片で怪我や失明しそう。
殺戮兵器を使った戦争っておっかないんだなぁ……。
水のブルークア王国陣営にも、弾道ミサイルが何発も撃ち込まれたぞ!?
すると宮廷魔導師タナッチ・ミナーナは杖を振りかざして、足元に魔法陣を展開。膨大な水がシュワシュワ湧き出して分厚い水玉のバリアを張る。
ミサイルはその表面で被弾して爆発の連鎖が轟く。ドドドドン!!
「この“海壁の守護導師”タナッチ! ここは通させはしませんよ!」
親戚であるアメヤの母はかなりの熟練魔道士。
とある場所から大量の水を召喚して操れるみたいだ。しかもエーテルを帯びているので水圧による頑丈な障壁にもなっている。
その後方でマメード女王はフッと微笑んでるようだぞ。
「パラディーゾ・ステラッ!!」
アメヤは上空へ高く跳躍し、逆さ剣山みたいに光の短剣を無数連ねた『衛星』を踏み台に蹴り出す事で、弾幕を降り注がせた。
しかも次々と『衛星』を生み出しては蹴り出して、一人波状攻撃を可能にしているぞ。
魔神兵は「ギャー!」「ギエエー!」「グワー!」と撃破されていく。
アメヤは延々と制空権を握り、魔神兵を寄せ付けていない。
「さすが蒼の六柱騎士“星降りの使徒”アメヤだー!!」
「あの英雄といい勝負してたんだぞ!」
「魔神なんかに負けるものか!」
「いいぞー! がんばれー!! アメヤちゃーん!」
同僚の騎士たちには人気のようでワイワイ盛り上がってるぞ。
黒髪ロングの美女。手足も隠すほどのローブで包んでいる。周囲に水玉が浮いている。そして彼女自身もフヨフヨ浮遊していた。
「ふふ……アメヤも張り切っておるな」
静かな表情で魔神兵を見据える。
パパパパパパパッと機関銃で撃たれるが、薄い水の膜に弾かれて火花散った。
「蒼の六柱騎士が一人、“清流の無幻術士”スーイツローミュ。参ろう」
周囲の水玉が蠢くと、ビビビビッと鋭く水圧ビームを放って。魔神兵を数十機スパスパ切断していく。
しかも放出して散らばった水の分子はスーイツローミュへと収束されて、再び水玉に補充される。
「いつまで経っても止まらねェ!」「コイツ疲れないのか!?」「逃げ……ガッ!!」
あれだけの水量を放出していれば力尽きるとタカを括っていた魔神兵はことごとく餌食になっていった。
彼女は『衛星』を独自に改良開発して、永久機関の水魔法を編み出した。
普通なら『衛星』からコマンド入力して撃つが、彼女の場合は『衛星』のままでコマンド入力する事で使い回せているのだ。
循環し続ける限りMPの消耗は限りなく少なくて済む。
「今はただ水圧ビームでやってはおるが、対生物なら霧状にして染み込ませて幻惑術をかけたり、逆に大勢の味方を治療、回復できたりもできる。私が浮いているのも、薄い水の膜で包んで浮かせてるだけよ」
ふふふふふ、と怪しげに笑い始めたぞ。
「スーイさん、怪しげに笑わなきゃ絶世の美女なんだがなぁ」
右手に片手剣、左手に短剣。金髪のボサボサ青年。身軽な衣服。
魔神兵が「死にさらせ!!」と一斉に機関銃で斉射してくる。しかし青年はキッと見据える。
その両目は紫色の虹彩で時計の時字のように外周から短いトゲが十二本生えている紋様だ。
「魔眼『先予眼』!」
飛んでくる銃弾が残像を出して、それは先走りして軌道を描いてくる。
先読みしたかのように、青年は銃弾の嵐を平然と掻い潜って突進。
青年の目はギョロギョロ動き、何かを見定めて軽快に動き回って銃弾をかわしていく。間合いに入ったら青年の剣が軌跡を描いて魔神兵は首を飛ばされる。
「なんで銃弾かわせるんだ!」「てめぇ!!」「ヤッちまえ!!」「クソッ!」
しかし青年は魔神兵の先の動きが見えていて、事前に身を屈めて剣を突き出す。すると勝手に魔神兵から斬られていく。
魔神兵の動きに合わせて青年は武器を突き出すだけで勝手に斬れていった。
「ああ! やっぱ“魔眼”はチートだ!」
「蒼の六柱騎士が一人、“予見の魔眼騎士”ラウト!!」
「数秒先までの未来が見えるらしい!」
「接近戦なら無敵に等しいチート能力だ!」
「俺はアイツとやり合いたくねぇ……」「確かに!」
同僚の騎士が勝手に説明してくれる。
「色んな“魔眼”は見てきたが、『先予眼』は初めてだなぞ」
「ええ。完全に未来が視えてる動きね……」
「わーっははははは!! ええぞー! ええぞー!!」
ビキニとミニスカの艶かしい女体。光沢を帯びる青髪ロング。強気でバカそうなドヤ顔。
両腕を左右に広げると、背後から無数の水晶鏡が分裂して増えていく。
魔神兵は機関銃を斉射し、更に遠くから弾道ミサイルが飛んできて、彼女へ殺到する。しかし水晶鏡が煌くと、反転したかのように銃弾とミサイルが魔神兵の方へ返ったぞ。
ドガガガガガガガガガガガガガガーン!!
「反射二倍返しなのだー!!」
イエーイ、とピースするバカっぽい美女。
隙をつこうと魔神兵がライフルで狙撃する。
しかし水晶鏡が煌き、狙撃の弾が反転。何倍もの速度で狙撃手の魔神兵を撃ち貫いて木っ端微塵に砕いた。
「蒼の六柱騎士の一人、そして氷晶の精霊でもある“鏡の防人”ビチュオーネ!!」
「ああ、あの水晶鏡による時空間魔法で敵の攻撃を反転させるんだ!」
「ただ燃費が悪いから、発動した後は十八時間も眠らないといけないんだよな」
同僚騎士は「う~ん」と悩ましくしているぞ。
「わーっははははは! わーっははははははは!!」
ビチュオーネはバカ笑いしながら敵の攻撃を反射させまくって、ドカンドカンさせてるぞ。
こんなキャラだったのか……。
魔神兵が機関銃でパパパパパパパッと撃ち込む。
対象は茶色の毛並みの狼の御獣族。
体格からして骨格も筋肉も人間と変わらないのだが、足だけはカカトが上がっている獣足。手足には鋭い爪が窺える。
衣服は騎士のマントのみで全裸だが、全身モフモフ。
「殺陣進撃ッ!! うおうッ!!」
正眼に構えた一撃必殺の剣戟を幾重も繰り出し、銃弾をことごとく散らし、魔神兵を何十機も粉砕していった。
更に破竹の勢いで後続の魔神兵まで粉砕し続けていく。
「おお!! なんか幻獣界から来たとかいうヤツか!」
「今では蒼の六柱騎士の一人、“茶毛の牙”エァミヤラ!!」
「世間知らずっていうか、何も知らない状態だったから色々教えたの大変だったわ」
「ってか師匠いたんだろ? デスだっけ? そいつ何も教えなかったのかよ?」
「エァミが言うに、師匠は適当すぎてアテにならないってさ」
同僚騎士がワイワイ言い合う。
そんなエァミヤラの姿に、オレは驚かされた。
確か殺陣進撃の開祖であるデスさまの弟子だったな。
「なんでここに?? 幻獣界にいたんじゃねぇんか?」
「破門されたのかしら? 真面目な性格だから、そんな事は……」
エァミヤラは汗を垂らしながら思い返す……。
「いいからお前下界しろ! そこでいろいろ学べ! 以上!」
デスがそんな適当な感じでほっぽり出してくれた。
で、何も分からず右往左往してた所を通りすがりの冒険者たちに助けてもらって、水の王国まで連れて行ってもらえた。
冒険者ギルドとか行ったり、王国騎士志願したりして、気づいたら蒼の六柱騎士までのし上がっていたという……。
「デスさまも人が悪い……。でも大変貴重な経験を積ませてもらって感謝します」
チラッとこっちを見てきたぞ。なんか笑んでる。
「オラも負けてられんねぇわ!!」
なんと巨大な斧を具現化させて、張り切る巨乳ビキニ女戦士! しかもドワーフ!
背が小さいながらも筋肉が窺える強靭な四肢が窺える。
「蒼の六柱騎士が一人、“斧の狂犬”グライドル!! ……狂化ッ!!」
目の白目部分を赤くして「グワオオオオオー!!」と吠え出すと、怒り狂って魔神兵へ飛び込む。
乱暴に斧を振り回して粉砕していく。
まるで猛獣だ。しかも敵の銃火器も硬い皮膚に弾かれて通じない。
「なんなんだ!?」「生意気な!!」「クソ女が!」「殺せ!!」
そんな魔神兵をグライドルは蹴散らす。
弾道ミサイルが飛んできて大爆発、しかしグライドルは「グワオオオオ!!」と無傷で高らかに吠えていた。
「ミサイルも効かねぇー!! 化け物だァ!!」
ドガアアアアァッ!!
斧のひと振りで大地が大きく爆ぜて、魔神兵が何十機も粉々に舞う。
あとがき雑談w
蒼の六柱騎士「こっちも全員登場しましたー!! やったぜ!」
“星降りの使徒”アメヤ「二つ名はこれ。英雄ナッセの親戚よ。よろしく」
“清流の無幻術士”スーイツローミュ「ふふふふふふ!」
“予見の魔眼騎士”ラウト「この“魔眼”は生まれつき、良いでしょ?」
“鏡の防人”ビチュオーネ「わーっははははは!!」
“茶毛の牙”エァミヤラ「新米ですが、よろしくお願いします。わん」
“斧の狂犬”グライドル「グワオオオオオオーン!!(狂化中)」
実は六人とも就任して数年程度の新米。
五年前で腐敗政権を排除し、いろいろ改革を行ったからであるぞ。
次話『キャラ紹介しながら戦争する小説は他にないよ……』




