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172話「世界最強の王国騎士!! それが零七剣!!」

 零七剣(レイ・セブンソード)四人の複合『賢者の秘法(アルス・マグナ)』の二発目が放たれ、巨大な爆発球が轟音を伴って敵勢力を数千機消し飛ばしていた。


 ゴゴゴゴッ!!


「八年前の雷帝魔王による大侵攻以来だな」


 現役復活した勇者ラルゴはかつての戦争を思い返す。

 “烈火の熱々僧”ラティオは業火に包んだ両拳でラッシュして、魔神(マシン)兵を粉々に砕いていく。クラスは僧侶(プリースト)だが、まるで格闘僧(モンク)だ。


「確かにな……、だが今回は更にタチの悪い魔神(マシン)だ」

「雷帝魔王も恐ろしい強さで、我が国の被害も甚大だったがな」


 “針地獄の護兵”エルグランドは槍を地面に突き刺して、向こうで岩のトゲを無数生やして魔神(マシン)兵を串刺しにする。

 大勢を相手に戦うにはうってつけな戦法だ。


「全くね!」


 “氷雪の女豹”セレナは杖を振り上げると、氷塊が無数生まれて白い豹を象っていく。

 氷魔法(ヒェラ系)によって作られるゴーレムの一種。

 セレナの意思通りに白豹は獰猛に駆け抜けて魔神(マシン)兵を粉砕していく。


「お撃ち!!」


 白豹は口を開けて氷魔弾(ヒェラ)を撃って魔神(マシン)兵を粉砕。

 次々と氷魔弾(ヒェラ)を撃って、吹雪の爆発を巻き起こして魔神(マシン)兵を蹴散らす。


「久々ね! こうやってパーティーで戦うのは!」

「ああ!」

「フッ!」

「みんな頼むぞ!! ラティオ、エルグランド、セレナ!」

「「「おう!!」」」


 手馴れた戦い方とコンビネーションで魔神(マシン)兵を寄せ付けない。

 そんな歴戦の勇者パーティーに新米勇者シオンは「おお~!!」と目を輝かせる。


 そんな折、魔神(マシン)兵は機関銃で銃弾を乱射! シオンは白い龍を剣の切っ先から造形付加で象り、それを回転させるように振るう。


白龍秘剣流はくりゅうひけんりゅう! 龍旋刃(りゅうせんじん)ッ!!」


 とぐろを巻くように白龍がシオンを包み、全方位からの銃弾を弾いていく。

 更に、そのまま突進して魔神(マシン)兵を斬り伏せていく。

 嵐のような回転斬りで数十機もの魔神(マシン)兵が輪切りにされていった。


「……嵐爪(らんそう)!!」


 クール風にシオンは剣を振りきって呟く。




 それを見て、オレは苦笑いしてしまう。

 城路(ジョウジ)本家の剣術を教えたっけなぁ。まさか白龍にアレンジしてるとは思わなかったぞ。

 それに『嵐爪』は園児スキーなロリコン(スリー)が使ってた厄介な技だったなー。




 するとイケメンな銀髪の青年が現れたぞ。

 零七剣(レイ・セブンソード)の総隊長にして最強の“烈風の剣士”ユース。

 実は風刃の精霊王として昇華された人族。


「油断はせず、全力で挑んでいこう!」


 具現化した剣を振るうと、ユースの周囲を一陣の白い風がビュンビュン周回し始めた。

 何度か素振りをしていくと、数を増やしていって球状のように旋風を描いている。


風刃(エアッジ)!!」


 周回していた風が一陣、二陣、三陣と弧を描きながら飛び出していって、数十機の魔神(マシン)兵を斬り裂く。


「来た!! 風刃(エアッジ)ッ!!」

「自身を回る風は弾数に等しい! 素振りをすれば、その斬撃を風に変換してストックできるんだ!」

「そして命中した瞬間、斬撃が再現されて斬り裂くんだ!!」


 魔神(マシン)兵の機関銃が唸り、銃弾が襲いかかるがユースを包む風刃(エアッジ)が弾いてしまう。

 反撃と、ブーメランのような軌道で飛び回る風刃(エアッジ)が数十機もの魔神(マシン)兵を一斉に斬り裂いていく。面白いように駆逐していった。


「攻防一体の風刃(エアッジ)!! さすが零七剣(レイ・セブンソード)最強の騎士だぜ!!」



「こっちも負けてられないわ!」

「“繰糸の銃士”トラコ!!」


 片手に拳銃を持つ黒髪ベリーショートの強気な女騎士。

 この人も零七剣(レイ・セブンソード)の一人でもあり、魔植の精霊王でもあるんだぞ。


「しゃらくせぇ!! このアマ蜂の巣になりな!」


 魔神(マシン)兵が機関銃で斉射するのに対し、トラコは明後日の方向へ拳銃を発砲。すると超高速で城壁まで糸が伸びていって、縮む事で引っ張り上げてかわす。

 移動しながら銃で発砲して、あちこちに糸を撃ち込む。銃身をグイと横へ薙ぐと、伸びていた糸はクルクル円を描いて魔神(マシン)兵数十人を縛り付ける。そしてまとめて輪切り。


「これが『織糸魔(オイトマ)』で繰り出す繰得糸(クリエイト)!!」

「馬鹿め!! スキありだクソ女が!!」

 パパパパパパパパパパパッ!


 魔神(マシン)兵の銃弾がトラコの腹を蜂の巣に!? 間違いなく致命傷!

 絶句するトラコだがフッと笑む。

 なんと、体が糸の塊でできているかのようにグニョグニョ蠢いて元に戻ってしまう。


「なっ!? 元にッ……?」

「私の体を糸状に変換して修復する再生糸(サイセイト)……!」


 魔神(マシン)兵は驚愕。その顔を糸が絡んでグシャッと砕く。


「トラコさんって、どうやって倒すか分からんよなー」

「ああ。全身糸だから打撃の類は効かないし、斬撃や射撃に対しても糸がちぎられたりするだけでダメージは小さいんだった!」

「しかも糸同士で繋げば元通りだもんな!」

「あいつ一番チートや!」


 拳銃を腰にしまうと、俊敏な動きでトラコは素手で魔神(マシン)兵へ飛びかかる。

 五指から糸を出して引っ掻けば、魔神(マシン)兵は輪切りに! ズカカッ!


「これが斬糸(ブレイト)!!」


 銃撃はあくまで遠距離へ糸を伸ばす補助的なもの。白兵戦では、五指などで繰り出す切れ味の鋭い糸攻撃だ。

 踊るように舞って、周囲の魔神兵を輪切りしていく。


「さっすがトラコさん!」

「いや、あっちも見ろ! 負けてねーぞ!」


 すると光の一筋が屈折しながら魔神(マシン)兵を次々と貫き、あっという間に数十機も爆散させたァ!?

 その光の一筋が急に止まると人型へシュワシュワ象っていく。


「チッ! めんどくせーヤツらだな!」

零七剣(レイ・セブンソード)の一人“烈光の魔道士”チャス!」


 やさぐれる感じはエルフの女性。金髪ロングでタレ目には隈がある。猫背で両手は常にズボンに入れている。

 どちらか言えば闇属性っぽく見える。でも光属性。


「あーあーさっさと異世界行けばよかったか。まぁえーわ」


 襲いかかってくる魔神(マシン)兵へ腕を伸ばすと光線化して頭を貫く。今度はキックしたかと思えば光線化して眼前の魔神(マシン)兵を数体貫いた。

 体を光に変えて攻撃が可能な光輪の精霊王だ。


 魔神(マシン)兵が一斉に襲いかかるのを見て、チャスは両手を掲げて光輪を生み出す。


「まとめて消えろよ! 光輪の威光ハロー・ルミネッセンス!!」


 両手を振り下ろすと光輪は螺旋状に霧散し、また螺旋状を描いて敵勢力へ襲いかかると光柱を噴き上げていったぞ!

 一気に数百機もの魔神(マシン)兵が消し飛ぶ!

 ゴゴゴゴゴ、と地鳴りを響かせて恐ろしい威力を感じさせた!


「この大会で勝ったら、有給休暇二ヶ月いただくわ」


 騎士たちはワッと湧き上がった。


 氷のアイスバレー王国の零七剣(レイ・セブンソード)は、“烈風の剣士”ユース、“繰糸の銃士”トラコ、“烈光の魔道士”チャス、“烈光の射撃王”スレヌーア、“豪快な合成魔士”キマレ、“洗練されし魔道士”ゲヤミナ、“多彩な魔法剣士”ドゥレアの七名で構成される最強集団!

 しかも三体の精霊王が入っているのだ!


 アイスバーレ王国を治める“氷淵君主”セダン王様はニヤリと笑む。


「現在では世界最強の王国騎士として、十年ごとに行われる国際天覧武術大会で一〇連覇に達し、現在も記録更新にある」


 オレの方をチラッと不安そうに見てきたぞ?


「三年後に来るであろう国際天覧武術大会では、ナッセ殿が鬼門か……」


 この距離では普通聞こえないような声なのだが、丸聞こえだぞ。

 ってかそういう世界開催の大会あったなんて知らなかったぞ。

 ライトミア王城の騎士たちが今までオレに教えなかったのは、逃げられないよう黙っているのでは……?


「……知らないフリして大会開催数日前に世界旅行と銘打って逃げよう」

「ふふ、まぁこの大会に勝ってからね」


 ヤマミ小人はクスクス笑う。




 魔界一負けず嫌いな“魔迅の鬼神”タッドはリョーコとアクトの無双に興奮して、居ても立っても居られなくなっていく。


「負けないっすあああああああああっ!!!」


 タッドが大地を大きく揺るがして、更なる変貌を遂げていく!


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ッ!!!


 全身から赤黒いスパークが爆ぜるように迸っていく。

 白く染まった髪の毛がタテガミのようにボリュームを増して首周りに伸ばし、そのギザギザ髪の中心部に黒が沿う異質な毛色へと変わり、褐色の肌が黒光りに染まって、筋肉質に膨れ上がって、ツノがバガーンと破裂して光り輝くツノがあらわになり、常駐的に稲光を迸らせる。


「これが超鬼神タッドっすよおおぉぉぉぉッ!!!」


 大地を大きく揺るがすタッドの威圧に誰もが驚いていく。

 オレは「あっ! また突っ走りやがったぞ……」と呆れていく。

 この間の仮想対戦(バーチャルサバイバル)大会でリョーコに惨敗したのが堪えたらしいな。


天地崩壊(てんちほうかい)大魔迅閃(だいまじんせん)ッ!!」


 ドガガガガド────────ンッッ!!!


 タッドが全力で螺旋状の台風みたいな黒閃を数十キロ範囲に撒き散らして、魔神(マシン)兵を数千機も粉微塵に消し飛ばし、巨大なキノコ雲を立ち上らせていく!

 威力値一〇〇万オーバーの破壊力に各国の誰もが驚いたぞ!


「っす────────…………!」


 案の定、タッドは(わず)か数十秒で勝手に力尽きた。

 大柄な体格で下半身がタコのような六本足の魔族タコヤキンが、そのタッドを背負って撤退(てったい)していった。


「衝動的な悪癖は治らんな……。魔法力だけは回復させとけ」

「ハッ!」


 “魔戦卿”シルビュードはため息をつく。

 この大会でタッドはもう戦力外だなぞ。ムリな変身は数日間も寝込むリスクを負う。

 だからダンジョン攻略など長丁場には向かない。



「ナッセ様! 定期的に報告します! 敵兵勢力はただいま一三〇〇万です!」


 とある兵士が城壁の上からオレに見上げてきた。

 さっきの竜族の『滅びの竜王劇』で、帝国領外側に出てた大半が消し飛び、現在も各国の奮戦により着実に数を減らせてるとの事。

 とはいえ、まだ圧倒的に数で不利だ。


「こちら国際連合軍の戦死者は七四八〇人、負傷者は二万六八九〇人に達しています!」



 魔神(マシン)兵が機関銃を乱射し、オーラで防ぎきれなくなった兵士たちが血飛沫を上げて倒れていく。

 また要塞爆撃用のミサイルが飛んできて、その大爆発が数十人の兵や騎士の命を散らす。

 そしてその魂は流星となって飛び上がって、魔神塔(マシンタワー)へ吸い込まれていった。今もなお飛び続けている。


 大会という名の凄惨な戦争なのだと、オレはグッと堪えた。

あとがき雑談w


零七剣(レイ・セブンソード)「全部登場したので感無量(スッキリ)!」


“烈風の剣士”ユース「いかなる場面においても全力だ!」

“繰糸の銃士”トラコ「甘くみないで! エリート騎士なんだから!」

“烈光の魔道士”チャス「エルフらしくねぇって言われるけど、知るかよ!」

“烈光の射撃王”スレヌーア「ヨシ!」

“豪快な合成魔士”キマレ「ヨシ!」

“洗練されし魔道士”ゲヤミナ「ヨシ!」

“多彩な魔法剣士”ドゥレア「ヨシ!」


 勇者たちも活躍して氷のアイスバレー王国ご満足!!



 次話『次はどの国だー!!』

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