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171話「各国の奮戦! 個性的なヤツら!」

 闇の精霊王インボーロ、漆黒のマントを羽織っている黒髪オールバックの美青年。

 不気味に両腕を左右に広げると、マントの影から大量の黒い蛇がドバドバ飛び出してくる。


「我が“怨蛇(おんじゃ)”に(とろ)けろ……!」


 魔神(マシン)兵へ襲いかかると、全身を覆うほどに巻きついてシュワシュワ溶かしていく。

 大勢の魔神(マシン)兵が「グワー!!」「ギャー!!」「ウアー!!」とどこか無機質な悲鳴を上げていく。


「我が闇で混ぜた水魔法は強酸に等しき融解力を得る。下僕(げぼく)として愛嬌ある蛇に模して、いかなる敵をも追尾して溶かしていくのだ……。クックック」

「相変わらず悪趣味だわね。蛇自体もキモいけど」


 インボーロはムッと振り返る。

 なんと水色のロング美少女“間欠泉の魔道士”アナフェがいた。エルフから精霊に種族昇華された上位生命体。

 彼女もインボーロと同じ『神殿王国イリューバス』に在住している。


「私のように美しく芸術を極めないとね」


 優雅にしゃがんで右手を地面に潜らせると、離れた位置から間欠泉が湧いて巨大な両手を象ると魔神(マシン)兵へ合掌してペチャンコにする。

 広がっていく水流はウネウネ生き物のように無数の手を象っていく。

 魔神(マシン)兵を次々と合掌してペシャンコにしてペラペラにしていった。


「誓約によりなんでもペラペラにできる至高能力。そう押し花のようにペシャンコな物体こそ至高の芸術……はぁ……」

「お前の性癖の方がキモいわ」

「……聞き捨てならないわね」

「なんでもかんでもペシャンコにして王様に叱られただろ! 近所からも顰蹙(ひんしゅく)買ってるし」


 ジト目のインボーロに、アナフェは耳まで真っ赤にして激怒。


「う、うるさーい! 私の天才的な美的感覚は誰にも理解されないのよ!」

「知るか、自分の所有物でやってくれ。公共まで巻き込むな」

「あんたこそ、飼ってるキモい蛇を連れ歩いてるせいで近所逃げられたじゃない!」

「世間が蛇の素晴らしささえ分かれば大人気のペットとなろう! 分からない人族が悪い!」

「蛇なんかが大人気になったら世も末ね!」

「なんだとっ!」


 ギャーギャーケンカし始める二人。

 相変わらずなのか、神殿王国の騎士たちは呆れ果てていた。


 フッと軽く笑う金髪白肌イケメンが前髪をかき上げる。


「所詮は凡人なる有象無象から成り上がりの昇華生命体。私のように高貴な貴族出身でなければ気品無き喧嘩も仕方あるまい。しかし笑って大目に見よう。私は穢れなき清らかな海が如く寛大な心を持ってるのだからね」


 重度なナルシストだ、と他の騎士たちはゲンナリする。

 いつものの事で聞き流しているのだがウザい。


「さて極上の天界に昇天するくらい純真で超美麗青年たる私が、排泄物以下の下劣で気品に欠ける邪悪なる悪魔が如し魔神(マシン)など、純白の翼を広げながら聖なる煌きの軌跡を描いて、雑草を摘むが如く殲滅してごらんにいれよう!!」


 自分に酔うイケメン“白鳳の天人”カイルは天使の羽を広げて軽やかに踊り舞いながら魔神(マシン)兵に斬りかかる。


「極上天上最上白鳳美麗剣流・三百五十六式・覇皇天輪光輪翼輪天舞斬ーッ!!」


 美しく軽やかに舞いながらキラキラ光飛礫を撒き散らし剣を振るい続けて、魔神(マシン)兵を次々と斬り裂いていく。

 騎士たちは汗を垂らして「無駄に口上と技名なげぇー!」とツッコミ!


「カイル殿の剣術は一品級だからな。特に魔力こもってるのが良い」


 豹の御獣(ミケモ)族“火勢の女騎士”アガールは隊長として騎士たちの前に立った。

 威厳溢れる大きな体格の豹の獣人。クラスは遊撃士(レンジャー)

 鍛えこまれてるのか筋肉隆々なのが毛の上からでも分かる。


「剣で戦うのも槍で突くのも弓で射るのもよかろう。しかしなによりも……」


 騎士たちは嫌な予感がしてザワザワし始める。


「妖精化ッ!!」カッ!

「おい待っ!」「またか!」「変身待て待て!」「ああ、遅かった!」


 慌てる騎士をよそに、アガールは閃光に包まれるとデフォルメされたような小さな豹に蝶々の羽を生やしている感じの風貌になっていたぞ。


「魔法こそ至高っ!」


 見た目とは裏腹にクワッとアガールは真剣顔で意気込む。

 サーッと青ざめる騎士たち。


「見さらせ~~!! ホノバーン三〇魔連撃~~~~!!」


 唐突に巨大な火炎球を三〇個浮かばせると、一気に魔神(マシン)兵に降り注がせて爆炎の嵐を巻き起こしていく。

 前衛で戦っていた天使カイルは巻き込まれ「高熱的火傷級大激痛我慢不可苦悶~!」と灼熱地獄に呑まれたぞ。


「さらにさらに追加のホノバーン五〇魔連撃~~~~!!」


 ドカンドカンドカンドカンドカアァァァン!!


 それでも容赦なく魔法をぶっぱし続けて魔神(マシン)兵を吹き飛ばしていく。

 アガール自身は元々魔法が苦手で、基本的に剣や槍、弓などで戦うのが得意。


 だが、アガールは妖精化すると魔法の方が得意になってしまう。


「やっぱこうなるのかよ~~~~!!」

「脳筋が範囲魔法使うとろくにならねぇ~~!」

「ギャ~~! オレたち巻き込まないでくれ~!」


 これまで苦手だったのが急に得意になるのだ。

 広大なMP(マジックプール)、そして絶大な魔力にしてこの威力、ヤミツキ間違いなし。

 そんなギャップにカタルシスを覚えたのか、妖精化すれば見境もなく爆撃する傾向が多くなっていった。


「魔法さいっこー!! さいっこおおー!! 七〇魔連撃いこ~~!!」


 ドガ──ン! ボガ──ン!! バガ──ン!!


 アガールは今日も狂ったようにバンバン絨毯爆撃を繰り返す!

 それだけで大概の敵は勝手に壊滅してくれるのだ!

 自国にいる魔道士の誰よりもTUEEEEEEEEE!!


「あーっはははははははははははは!! 一〇〇魔連撃~~!!」

「わ~~やめろ~~~~ッ!!」


 ボガ────────ン!!


 インボーロもアナフェも「ぎえー!」と爆風に吹き飛ばされる。

 いつものの事とはいえ、巻き込まれる同僚にとってはたまったもんじゃない。


「あのバカ……!」


 神殿王国の王様“神聖槍の聖王”ミラルクは頭痛のように額に手を当てた。




 向こうの一帯が火の海になってるのを見て、オレは「なんなん?」と引いたぞ。

 最初は味方の混乱による暴発かと思ったが、現地の騎士から送ってくれた国際緊急用ツーバメで説明されて呆れるしかなかった。

 よく国壊滅しなかったな……。


御獣(ミケモ)界でも見かけてたが、まさかそういう暴走キャラとは……」


 オレが浄化の鈴を鳴らして波紋を広げている以上、各国の戦力が頼りだ。




 勇者ラルゴと勇者シオンが前衛の騎士たちと一緒に魔神(マシン)兵の進軍を食い止めている最中、数人が城壁の上で陣形を取っていた。

 二分けの金髪。メガネをかけている背の高い騎士。

 氷のアイスバレー王国が誇る『零七剣(レイ・セブンソード)』が一人“烈光の射撃王”スレヌーアである。クラスは弓兵(アーチャー)


「キマレ、ゲヤミナ、ドゥレア、アレを始めるぞ!」

「了解だ! いつでもいけるぞ!」

「ってかさ、単体でナッセ君やクックサン君とか、集団で竜族とか、ホイホイ三大奥義気軽に放ってるから()えるんだけど?」

「ゲヤちゃん! これからって時に言うなよ!」


 スレアーヌの後方で円陣を組む零七剣(レイ・セブンソード)の三人。

 “豪快な合成魔士”キマレ、青いローブで三角帽子の優男。錬金術師(アルケミスト)

 “洗練されし魔道士”ゲヤミナ、細めの水色ポニテール女。魔道士(マジシャン)

 “多彩な魔法剣士”ドゥレア、緑髪ボサボサの背の低いエルフの青年。剣士(セイバー)


拡陣(マギオーバー)ッ!! 『飛空大弓(スカイダイボー)』ッ!!」


 スレヌーアは気合を発して、具現化したボウガンを巨大なカタパルトに拡大させた。

 魔法陣を備える超巨大なボウガンみたいな形状をしているぞ。

 それを囲むキマレ、ゲヤミナ、ドゥレアが両手を差し出すと、キュイイイ……と光子が収束されていく。


「集中しろ! 均等に“(しずく)”を集めて圧縮するのだ!」

「してるわよ! きっつ!」

「……了解! 錬成完了まで、あと二分ッ!」


 オレは遠くに居る彼らの挙動を見て驚く。

 三大奥義『賢者の秘法(アルス・マグナ)』を発動しようとしているのが分かる。しかも数人がかりで収束させて圧縮しているようだ。ちょい時間かかるっぽい。


 カタパルトの上で“(しずく)”がどんどん集まっていく、三人が必死に踏ん張って圧縮制御に集中。

 二分ぐらいかけてキュッと光球が完成し、スレアーヌは「良し!」と笑む。


「滅せよ!! ファイナル・レイ・フラッシュ!!!」


 カタパルトで射出し、爆音を轟かすと極太光線が扇状へ広がっていく!

 軌道上にいた魔神(マシン)兵は跡形もなく消滅!

 一気に数千機もの魔神(マシン)兵を葬り去るほど、巨大な爆発球が明々と膨らんだ!


 ゴゴゴゴゴッ!!


 それは大地を揺るがし、山を消し飛ばすほどの破壊力だと感じ取れた。

 威力値としては五〇~六〇万クラスか。

 精鋭の王国騎士たちが平均一〇万クラスと考えれば、破格の威力だ。



「すげぇ……、集団で奥義放てんのか……!」

「むしろ逆、複数人で一つの奥義。効率悪いわよ」


 オレが驚いていると、肩のヤマミ小人が冷静に突っ込む。


「四人がかりで行う合体奥義。基本的にあくまで遠距離狙撃。時間がかかるから、いざ接戦になったら役に立たないわ」

「竜族も似た事やってたけど?」

「あれは別格。竜族単体でも奥義放てるポテンシャル持ってて、その合体技だからね。人族は逆に複数人でなければ奥義を完成できない。効率悪いから余計無駄に消耗してる」


 よく見てみると奥義放った四人はヘトヘトみてぇだ。

 考えてみればオレたちが異常なだけで、本来は取得が超困難なスキルだったっけ。

 単体で奥義を極めようとすれば、普通は一生をかけて修練を重ねてさえできるかどうかだ。師匠クッキーがそんな事を言ってた気がする。


「人族でも、数人がかりで完成させてるってだけでも相当凄いんだよな」

「そうね」



 疲労を残す顔でスレヌーアは「次弾装填!!」と号令し、マジックポーションの空ビンを放り捨てて三人は「了解!」と意気込む。

 キュイイイ……光子を収束させていく。


「みんな懸命(けんめい)に戦ってくれてるんだな……」

「そうね。変なの多いけど」


 各国の人たちと一緒に戦ってるのって、なんかワクワクするなぞ。へへ。

あとがき雑談w


零七剣(レイ・セブンソード)「かなり纏めて出された感があったけど、ようやくキター!」


“烈光の射撃王”スレヌーア「冒険者から王国騎士へ成り上がったよ」

“豪快な合成魔士”キマレ「今回の為に回復アイテム大量生産した」

“洗練されし魔道士”ゲヤミナ「魔法なら得意だよ。でも他が凄すぎて自信なくしそう……」

“多彩な魔法剣士”ドゥレア「普段は前衛として頑張っている。よろしく」


 全員、三十代後半のエリート王国騎士。

 四人がかりの『賢者の秘法(アルス・マグナ)』は、完成するまで十年以上かかったらしい。

 一発だけでも大半の魔法力を持ってかれる為、回復アイテムは必須。



 次話『大勢登場!? マジでキャラ設定集になっちまうのかー!?』

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