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170話「魔神帝国の六帝騎士、総出陣! しかし!?」

「「「うおわああああああああああああああああッ!!!」」」


 各国でモニターに映っている戦況で、観戦者が興奮して大音響で歓声が沸いていた!


 なぜならアクトとリョーコが台風のような天災のごとく、数百もの魔神(マシン)兵をドッカンドッカン無双し続けていたからだ。

 面白いように数百もの敵勢力が上空へ舞う様は爽快感バツグンだぞ。


「いいぞー!!」

「このまま魔神(マシン)デウスもやっちゃえー!!」

「チキューTUEEEEEEEEE!!」

「リョーコ! リョーコ! リョーコ! リョーコ!」

「凄いぞォォォォアクトォォォォ!!」

斧女子(オノガール)! 斧女子(オノガール)! 斧女子(オノガール)! 斧女子(オノガール)! 斧女子(オノガール)!!」


 好評のようで観戦者はペンライトならぬオノライトでフリフリ~!




 アーフォスさんは汗を垂らして白目で引いている。


「ナッセ君ってさ、恐ろしい仲間いるのね……。俺怖いわ」


 ゴレアックは冷静に見極め、基本威力値一〇〇万オーバーでリョーコが一番強いと思われがちだが、アクトがまだ本気じゃないと(うかが)えていた。

 今のアクトでさえ勇者や魔王級に強いのだが、彼の目はごまかせない。


「ゴレちゃんはどう見る?」

「……リョーコは変身の燃費がいいから、開幕で全力を出せている。アクトは三段階くらいの変身があり、燃費が悪いからか最後のは控えたままだ。それぞれ自分の戦い方を熟知している」

「そうかいそうかい。やっぱアクト隠してるのね」


 ゴレアックほどじゃないが、多分そうじゃないかって気がしていた。

 改めて見てもバケモン過ぎるわ、とアーフォスは片目(つむ)って苦笑する。




 そんなリョーコとアクトの独壇場を許すまいと、重厚な魔神(マシン)兵が出る。


「この千閃騎士バレミアットが止めてみせましょう!」

「ハゲ坊主のマッチ! 我が自慢の棒術を受けよ!」

「このラマッシャ! 炎を扱う事にかけては最強よ! 燃え尽きろ!」

「ぶぱっはっは! このキジャナ様の銃弾から逃れないのねん!」

「このファバ、遠距離狙撃で一発仕留めます!」

「ヴィバンの幾重操る魔法陣でオッサンや小娘など(ほふ)ってやろう!」


 ロゼアット帝国が誇る六帝騎士、千閃騎士バレミアット、乱棒騎士マッチ、火輪坊ラマッシャ、跳撃騎士キジャナ、無音の狙撃手ファバ、連陣魔道士ヴィバン!!

 各国で脅威とされていて、いずれも世界に名が轟くほどの猛者!

 オーラやエーテルは性質上全く出せないが、その分だけ金属人間として強化されているのだ!


「いっせーのォ……!」


 リョーコが斧を引いてタメに入り、その隙を逃すまいと六帝騎士が各々の攻撃をしかける!


「バカめ! 一人でその動作をやるのは命取りだッ! 死ねいッ!」

「だが戦士は防御力が高い! 全員でかかれ!」

「この女を始末したら、次はアクト! そしてナッセを仕留めよう!」


 バレミアットの幾重もの斬撃、マッチの棒術による猛乱打、ラマッシャの輪状の斧による火炎斬撃、キジャナの屈折する弾幕、ファバのサイレント狙撃、ヴィバンは本来得意とする魔法陣の代わりとして備えられた4丁の機関銃(マシンガン)による弾幕が殺到!


 しかしタメる際の予備動作に過ぎない爆裂球が膨れ上がって、全てを弾く!

 そして光り輝く斧が凄まじい唸りを轟かし、リョーコは爆発するように一気に飛びかかる!


「クラッシュ・バスタァァ────ッ!!」

 ズゴオオオォォォォンッ!!


 輝く斧の振り下ろしで大地を広範囲で砕き、前衛のバレミアット、マッチ、ラマッシャ三機をまとめて粉々に!

 すかさず「続いて──!」のキャンセル技によって最初の技を放った反動による惰性や硬直を無視して、思いっきり斧を振って横一線に薙ぐ!


「スラッシュ・スレイヤー!!」


 斧から放たれた巨大な三日月が遠くにいたファバ、キジャナを他の魔神(マシン)兵数百機もろとも上下両断! 遅れた衝撃波によって粉々に吹き飛ぶ!

 しかし勘のいいヴィバンは「くっ!」と飛び越えていて、機関銃(マシンガン)で乱射──!


「もう一丁……!」


 それを見逃さず、連発スキルで「ブレイク・ストライカーッ!!!」とフォース纏った突進技で銃弾を弾きつつヴィバンを完全粉砕!!

 そのまま周囲の魔神(マシン)兵も巻き込んでドガアアァァンと大爆裂を広げた!


《なに……!? 瞬殺だとッ!?》


 まさかの六タテで六帝騎士が全滅!! 魔神(マシン)デウス絶句!



《だ、だがな! 六帝騎士などいくらでも出せるわッ!! 行けいッ!!》


 魔神(マシン)兵はいくらでも複製できる為、同じ六帝騎士がぞろぞろ何十機も出陣!

 それに意を介さず、アクトは「黒蛇道!!」で屈折する漆黒の刀剣波で次々と貫いて撃破!!

 木っ端微塵に砕き散らされる六帝騎士!


《な、な、なんだとッ!? 金属人間になって強化されてるはずなのにッ!?》


 二人にかかれば、世界で恐れられる六帝騎士など有象無象のザコだぞ!




 鈴を鳴らし続けるオレの側で、ヤマミは神妙に佇んでいる。


「……大丈夫」

「え?」


 オレの肩に手を置くヤマミ。ギュッと握ってくる。


「例え億が一、敗北して、あなたが永久の地獄へ落ちたとしても、必ず私が引っ張り上げる!」


 半顔で振り向けば、執念深い顔を見せていた。

 そうヤマミはオレに関して執着がかなり強い。この異世界へ来る前の地球で並行世界(パラレルワールド)を数多飛び越えても、彼女とは一緒だった。

 今でこそ平穏で忘れられがちだが、彼女は闇属性だけあって執念深いのだ。


「あ、ああ……。ありがとな」

「礼をするまでもなく、これは私の信念。あなたと一緒に道を歩む。人族としての生涯を終えて、妖精王として長い宿命を背負うとも……絶対離れない!」


 重い愛情とも取れる言葉。

 おそらく人によっては敬遠されがちな愛情ではあるが、オレは快く笑む。


「ああ、魔王化とか星獣とか色々あったからな。いまさらだ!」

「ふふ」


 満足そうに微笑むヤマミ。


 ──もし敗北してバッドエンドになったとしても、必ず彼女は元通りにしようと執念深くオレを追いかけ引っ張り上げてくれる。

 そして今度こそ魔神(マシン)デウスを地獄に突き落とすだろう。


 だからこそ頼もしい! 結婚して良かった!


「勝って、この世界でワクワクすっぞ!!」

「ええ!」


 互い肩を組んで意気投合! 光と闇の混合投合! 夫婦として親愛投合!

 ヤマミは黒い小人を一体オレの肩に乗せた。


「……蹴散らしてくるわ!」

「おう! いってら!」


 ヤマミはオレから離れ、急降下。

 下にいたクックさんと並ぶように降り立つ。威風堂々と妖精王の姿!


「クックさん、行くわよ!」

「うに!」


 クックさんはウニメイスを掲げ、真紅に輝くウニを核に放射状に渦潮のトゲを生やすウニみたいな大きな水の塊を浮かせる!

 なんと『賢者の秘法(アルス・マグナ)』と『無限なる回転インフィニティ・スピン』を組み合わせた究極必殺技である!


「賢者のウニ・アクアスクリューッ!! いっけー!!」


 ウニメイスを振り下ろして投擲!

 渦潮のウニは超高速で魔神(マシン)兵大軍へ飛び込むと、一気に拡大して凄まじい渦潮の群れが周囲を呑み込んでいく!


 ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォ………!!!


 猛威を振るう渦潮群は、数多の魔神(マシン)兵を水圧と激流で粉々に引き裂く!

 まるで荒れ狂う海のようだぞ!

 しばし常駐した後、間欠泉を吹いて周囲へ怒涛の津波が押し寄せる! ドッ!!


「えげつねぇ破壊力だ!」

「もはや範囲魔法どころかマップ兵器じゃねぇか!」

「あいつクラスは僧侶(プリースト)なんだよな!?」

「攻撃力に全振りした規格外の破壊僧だー!」



 一方でヤマミは踊る黒い小人を何十体も周囲に出し、次々と地面を走る黒筋として伝播(でんぱ)させる!

 無数の屈折していく黒筋が魔神(マシン)兵の足元から襲い掛かり、黒炎を噴く!

 一気に黒炎の海で広がっていって、大軍を貪り尽くす! ゴゴゴゴ!


「灰すら残さず燃え尽きろ」


 ヤマミの冷徹に見据える三日月マークが入った虹彩の両目、その静かな表情には、味方陣営ですら恐れおののくほど!


「ナッセの妻ってたけど、コイツ単体でもやべーよ!」

「あの黒炎練りこまれてるわ……」

「地面を走るヤツ、反則じゃねぇか!」

「コイツ『血脈の覚醒者(ブラッド・アウェイク)』か!?」




 精霊王インボーロも、大会に参戦していて盗み聞きしていた。


「……思った以上にヤバそうな女だな」


 自分の部分を黒い霧状として飛ばして、ナッセとヤマミのやり取りを聞いていたのだ。

 精霊系の上位生命体は自然と一体化するかのように、自身の体を自然に変える事ができる。インボーロもまた自身の体を部分的に切り離して諜報活動する事も得意。

 故に、命取りだった。


「どうヤバいの?」

「うっ!」


 なんと黒い小人が腕を組んでインボーロの前に現れていた。

 ヤマミも同じように諜報活動が得意だったのだ。


「盗み聞きとは悪趣味ね」

「分かった……止めておくよ……さすがに懲りた」

「あなたはあなたで、自分の大切な人を見つけなさい。きっと楽しくなるから」


 意外に励ましてくれてるみたいで、インボーロは目を丸くした。


「……ここだけの話、私はナッセに執着している」

「言われなくても思い知った」

「でもね、すれ違ってた時期があったから、一歩間違えば憎悪の念で執着してたわ……」


 ねっとりした感じの言葉に、インボーロはゾッと身震いする。


「この手で殺そうと執拗に狙ってたかもしれない……」


 黒い小人を介して、ヤマミの据わった深淵な目が窺えた気がした。

 彼女はナッセのオプションではない。引き立て役でもない。……自分の信念で執拗に添い遂げる為には手段を選ばない一人の女である。


 愛情なら、夫婦として徹底的に愛し合う。

 憎悪なら、最も愛した男として必ず殺す。


 そんな表裏一体の闇が彼女(ヤマミ)の内面から感じられ、同時に惚れた自分の浅はかさを後悔する。

 あの二人は、もはや好いた惚れたなんて軽い関係で繋がってはいない。


「だから私は止めときなさい!」


 そう言うと黒い小人は地面に潜っていった。取り残されたインボーロは呆然……。



「彼女にするなら、明るい系女子にしようか……。うん」


 闇属性系女子は止めようと、未だ独身童貞のインボーロは密かに決意した。

あとがき雑談w


ヤマミ「ナッセが浮気したら、濃厚な惚れ薬を飲まして一生私に依存させてやるわ……。あと相手には後悔させるぐらい生き地獄を味わせてやる……。ふふふ……」


 ナッセはゾワッと寒気を感じた気がしたぞ。

 あとクーレロもリョーコもなんかゾワッと身震い。

 ……ヤマミは常にマークしている。


インボーロ「重度のストーカーじゃないか! たまたま上手くいっただけで、間違ったらいろいろヤベーよ!」



 次話『各国の軍勢もがんばってるぞー!』(適当w)

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