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165話「決戦手前の激励!! ナッセ奮い立て!」

 とある小さな村。

 森林に囲まれたのどかな村で、エルフや御獣(ミケモ)族やドワーフなどが通っている。

 そんな一軒家……。


 ガラッとドアが不意に開かれた。


「アクトー!!」


 なんとリョーコが玄関に踏み入れたぞ。

 しかし悪臭に「うげっ!」と顔を引きつらせる。ゴミ袋いっぱいでビール缶転がっていてゴミが散乱。

 アクトが半裸でぐったり寝転がっていた。


「な、な、なにがあったのぉ~~~~!?」


 甲高い声にアクトはピクッと反応して顔だけ起きたが、死んだような虚ろな目をしていた。


「あァ……。って、なんだリョーコかァ……」

「ってか片付けときなさいよ!! くっさ~!!」

「悪ぃなァ……」


 通りかかったドワーフが家へ入り、リョーコの横へ来た。


「まだ立ち直れてないのか」


 ため息をつかれた。

 リョーコは気になって「どういう事?」とドワーフへ振り返る。


「いやな、三日前彼女と同棲してたんだが……フラれて出て行かれたのだよ。自棄(ヤケ)(ざけ)して泣き声が絶えなかったからな」

「えぇ……」

「お前さんも彼女かい?」


 リョーコは首をブンブン振って「全然違います!」と強く否定。

 アクトは「何気にショックだぞァ……」と泣き顔。


「五年前から彼女と一緒にやってきてマイホーム築いてたんだが、数ヶ月でフラれては次の彼女を呼び込む。またフラれては連れ込んで、の繰り返しだよ」

「ちょっとー! 何回繰り返してるワケ??」

「……今回フラれた彼女で二十六人目になるか」

「多っ!!」


「あァ……、バラシュさん暴露せんといでァ……」

「起きろ! そんで片付けしろ! 俺も手伝ってやるから」


 ドワーフはバラシュさん。アクトと友達のようだ。

 アクトがフラれた時の愚痴を聞いて、共にビールを飲み合う仲になったらしい。

 リョーコとバラシュはアクトの家の中を片付けて、洗濯して、美味しい料理を作って食べさせたりなどで、整えていった。

 おかげで元気を取り戻したアクトは背伸びしてスッキリ。


「あァ~~生き返るァ~~~~!」

「全くだ……」


 世話が焼ける、とバラシュはため息。


「料理上手いのね……」

「俺らドワーフは手先は器用だからの」




 しばし準備をするアクトから離れて、リョーコは一人歩いて酒場へ入る。

 テーブルを囲む三人へ向かう。


「ふっ! 目当ての人と会えたかい」

「うん」


 リョーコは三人のパーティーと一緒に、村まで来ていたのだ。


 リーダーの剣士(セイバー)は“蒼い疾風者”リッテー・カエケーン。

 イケメンの銀髪で青い色調の服装。クールぶっている。攻撃技が得意。クラスの割になぜか剣技はあまり使わない。

 最初は一人旅していたと彼は豪語している。微妙に黒歴史。


 魔道士(マジシャン)は“活発な魔法使い”ラバーバ・ナップルパイ。

 赤髪のポニーテール。明るい性格。漆黒のミニスカ魔道士服。

 魔法が得意で主力。実は大爆裂魔法(エクスパンション)も使える。

 出身地となる都市は大昔に滅んでいる為、実は亡霊じゃないかと噂もある。


 僧侶(プリースト)は“癒しの踊り子”ユレミ・マズラング。

 巨乳金髪ロング美女。清楚(せいそ)でおしとやか。

 なのにビキニ踊り子服で、股を隠すように青布で腰から垂らしている。露出度が高いが魔法膜で覆っていて下手な鎧より丈夫だぞ。尻はプリプリ。

 主に回復系が得意だが、攻撃魔法もそこそこ。踊りながら格闘もできる。

 混乱系の精神状態異常攻撃に耐性がある。


「ありがと。連れ出せるまで時間かかるけどね」

「でも良かったねー!」

「まぁ、依頼金もらえれば何日でも引き受けるからさ」

「ふふっ」


 リョーコもなにか注文して、三人と一緒に席に着いた。


「で、アクトってヤツと一緒にライトミア王国へ行くんだろ?」

「うん。そのつもり」


 ビールジョッキーを片手にリッテーは聞いてみる。それに頷くリョーコ。


「じゃあさ! 例の大会に参加するのー!?」

「あたしはそのつもり!」

「えーマジかー! あの魔神(マシン)デウスってヤツと戦うのぉー!」


 ラバーバは豊富な感情表現でリアクションしてくれる。


魔神(マシン)デウス……。明らかにヤバイ相手ですわね。今回は幻獣界も音沙汰無いですし」

「ああ。今回ばかりは相手が悪いぜ」

「そーだよ! 大会で負けたら、どうやって逃げるかみーんな相談してたよー!」


 しかしリョーコは笑みながら首を振る。


「あたしの親友が必ずやってくれると信じてるから!」


 脳裏にナッセが映る。

 かつて密かに恋焦がれていた男。今やヤマミに取られたものの、それでも忘れられない。

 親友としてアクトと一緒の付き合い。


「だから最期まで戦うよ!」


 毅然とリョーコは言ってのける。




 翌日、アクトとリョーコは三人のパーティーと一緒に村前で、これから旅立とうとしていた。

 ドワーフのバラシュは「女難に気をつけなー」と手を振る。

 アクトは「うっせぇ! 余計なお世話だァ!」と吐き捨てると、バラシュは「ははは」と笑う。


 リョーコたちは数日かけて光のライトミア王国へたどり着く。



「「「「どわああああああああああああああああっ!!!」」」」


 なんと大勢の人々が歓声を上げていたぞ。

 そして数多の並ぶ騎士と高台にいる王様と五輝騎士(シャイン・ファイブ)、そしてナッセたち。

 アクトとリョーコはポカンとした。


「あァ……ずいぶんな人気者だなァ……」

「ってかナッセ、緊張してカッチカチになってる!」

「緊張してるなァ……」


 そしてリッテー、ラバーバ、ユレミは驚愕していた。


「あ、あれ! 噂の“妖精の白騎士”ナッセェ!?」

「見て! “黒魔の妖精”ヤマミもいるよー!」

「かわいい少女もいますね……。そこに立っているって事は高ランクの冒険者なんでしょうか?」

「あ、それ“鉄槌の女傑僧”クックサンだよー」


 リョーコは苦笑いで「クック“さん”なんだけどねー」と訂正。

 三人は驚いた顔のまま、ぎぎいとリョーコへ振り向く。


「まさか……親友って……?」

「マジ!? Sランク冒険者じゃないー!!」

「うそ……! 例の悪魔の教皇を倒したっていう、あの!?」


「あれ? 言わなかったっけ? ナッセとアクトは親友だよ」

「「「えぇえええええ~~~~っ!!?」」」


 キョトンとするリョーコに、三人はびっくり仰天する。

 誰も気づいていないが、ラバーバの下半身がうっすら透ける……。



 多くの民衆が希望と期待の歓声を上げているのをオレは気圧されていた。

 これから大会へ参加するとはいえ、期待をされるのはプレッシャーだったぞ。


「──というワケで、我々のキングは“妖精の白騎士”ナッセになろう!」


 演説していたオルキガ王様がオレへ両手でビシッと差し出したぞ。身が竦む。


「え? ち、ちょっと? オルキガ王様!?」

「戸惑うのは無理もない。じゃが、我々の未来は確実にお主にかかっているのじゃ!」

「普通、大会でのキングも王様がやるんじゃ??」


 すると五輝騎士(シャイン・ファイブ)の一人であるアーフォスさんが前に出る。


「これは事前に各国と相談して決めた事だよ。確かに王様こそキングとして我々が守るのは間違いないけど、今回ばかりはナッセ君がいないと魔神(マシン)に太刀打ちできないからね」

「うむ。プレッシャーを感じると思うが私としては、この判断が最適だ」


 ゴレアックが付け足し、今度はリアシーが出てきてハンマーの柄で床を叩く。


「『賢者の秘法(アルス・マグナ)』で浄化の鈴創れんの、おまえだけだからなー!」


 ハッと気づく。

 そうか……。浄化の鈴で魔神(マシン)の能力を封じれるから、オレがやられると誰も戦えなくなる。

 ヤツらは完全不死の上に創作士(クリエイター)そのものを無効にするチートを使うからだ。


「口惜しいが、我々にとってお前が頼みの綱だ。引き受けてくれんかね……」

「あ、ああ……」

「なに、心配する事はない、全力でサポートする」


 ポンポンと背中を優しく叩いてくれる。

 息を呑む。まだドキンドキン心音が高鳴る。テンパりそう。


「ナッセ──────ッ!!」


 大声に気づけばリョーコが民衆の中にいるのが見えた。アクトもいる。


「やっちゃいなさ────い!!」

「相棒がここにいるからなァ!! 遠慮するこたァねェぜ!!」


 拳を振り上げてアクトとリョーコが叫ぶ!

 そんな激励とも取れる親友の言葉に、オレは感銘に打ち震えていく。


「私も一緒だから……」


 ヤマミも肩に手を置いて微笑んでくれる。

 クックさんも「あたしも戦う──!!」と元気ハキハキに笑顔を見せる。

 さっきまでビビっていたが、オレは勇気に漲って自信満ち溢れた笑みを作れた。


「ああ! 魔神(マシン)なんかちょいちょい倒して! ワクワクドキドキな冒険すっぞ──っ!!」


 うおわあああああああああああああああああああっ!!!!


 民衆の歓声が湧き出す。

 眩い希望が満ち溢れた未来へ切り開くべき、オレは威風堂々と前へ向けた。

 王様も五輝騎士(シャイン・ファイブ)も騎士たちも快い笑みで見守る。





 一方、その頃────!


 魔神(マシン)デウスは据わったような邪悪な双眸を輝かせている。

 もうすぐ大会開催と当日へ迫る最中、デウスは悪意と欲望を漲らせていた。


 眼前には多くの人間をコピーされた金属人間こと魔神(マシン)(へい)が赤い目を輝かせて、規律よく並んでいた。

 彼らには魂も意思もなく、魔神(マシン)デウスの意のままに動く操り人形。


《この世界を夢も希望もない地獄に変え、正しい秩序を築くのだ! そしてゆくゆくは他の異世界も同じように支配して絶望に突き落としてやるのだ!》

魔神(マシン)デウスさま!! 万歳!! 万歳!!」

魔神(マシン)デウスさま!! 万歳!! 万歳!!」

魔神(マシン)デウスさま!! 万歳!! 万歳!!」

魔神(マシン)デウスさま!! 万歳!! 万歳!!」

魔神(マシン)デウスさま!! 万歳!! 万歳!!」


 (あが)(たた)えるように歓声を上げる魔神(マシン)(へい)

 意思があるように見えて、プログラム通り言動を行うだけの都合良い人形。


 魔神(マシン)デウスは世界を制圧するべき戦力として魔神(マシン)(へい)(こしら)えただけで、用済みとなれば廃棄するつもりだ。

 自分さえいればそれでいい。

 永久不滅の存在として、誰も倒せぬ無敵の魔神(マシン)。故に大会など結果が見えたお遊び。


 問題の封印さえなんとかできれば、心置きなく全てを絶望の永久に陥れてやれる。


《必ずや……完全無欠の魔神(マシン)となって、あらゆる希望を()(にじ)ってやろう!》


 魔神(マシン)デウスは不穏に両目をカッと輝かせた。




 ────そしてついに『終幕の決戦場』大会来たる!!

あとがき雑談w


 ナッセが結婚してから、アクトはフラフラ旅立っていったらしい。

 五年の間に26人も女をたらしこんでいた模様。

 けっこーモテるのだw


アクト「おおァ! 初めて好きになったァァァァ!!!」

リナマ「嬉しい。運命の人ね。一緒に暮らしていい?」

 熟女で、褐色のぽっちゃり女。実は既婚者だがアクトは知らない。

 依存性でアクトとべったりだった。何度もアクトは求婚したが、いつもはぐらかされていた。

 Eランク冒険者。夫の為に登録しただけ。38歳。威力値:120

 一年と二ヶ月と十二日で同棲解消。


アクト「うおおおおァ!! 初めて好きになったァァァァ!!」

エミディア「アクトって世話が焼ける男ね」

 緑髪のエルフ。体が整った美女。結婚した回数六回。現在は未婚。

 アクトは求婚をしていたが、長生きを理由に断られ続けてた。

 Bランク冒険者で、魔法が得意。540歳。威力値:12000

 四ヶ月と三日で同棲解消。


アクト「くうう!! 可愛らしくてたまんない巨乳! 初めて好きになったァ!!」

キャラベ「うふ、たくましい男だね。好きよアクト」

 金髪おさげ。巨乳。色気が高く、露出度の高い服が多い。

 ちょっと濃い化粧をする。家事全くしない。アクトに全投げ。

 Dランク冒険者。斧を振るう戦士。25歳。威力値:900

 二ヶ月と二十二日で同棲解消。


アクト「クールなのカッコ良くて興奮ァ! 初めて好きになったァ!!」

ベーサ「まぁ、暇してたし少しぐらい付き合ってもいいけど」

 青髪ポニーテール。背が高い。程よい巨乳。クールだが現実主義者。

 酒癖が悪く、見境もなく暴れる事がある。ゴミ散らかす。

 Cランクの冒険者。弓と回復魔法を得意とする。28歳。威力値:4350

 三ヶ月と七日で同棲解消。


リョーコ「……案外たらしなのねー」

アクト「い、いや! 本物の愛を探してだなァ……!(汗)」



 次話『ついに開幕!! 世界の命運を懸けた大会の行方は!!』

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