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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
チエナ王国の王女が邪魔してきました

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親友が遊びに来て、私の部屋がお義兄様のお妃様の部屋だと初めて教えてくれて私は赤くなってしまいました

「聞いたわよ。エリ!」

私がすやすや寝ていたら、セッシーが私の部屋に入ってくるなり叫んで、ベッドに飛び乗ってくれた。


「ギャッ! 重い!」

私が上に乗ったセッシーに文句を言うと、


「何が重いよ。この天女よりも軽い私に向かってなんてこと言うの!」

セッシーが怒ってくれたが、


「と言うか、早く、私の上からどいて」

私の言葉にやっとセッシーは退いてくれた。


私は寝ぼけ眼で起き上がったのだ。


セッシーの後ろにいたアリスが、早速、着替えを手伝ってくれた。


「で、何を聞いたって?」

「学園の歓迎のパーテイーでいきなり、ガンダムとかいう国の王子が色目使ってきたんだって?」

「なによ、それ? 知らないわよ。それにそんな国あったかしら」

私が驚いて首をふると、


「カンダーだったかしら」

「それを言うならガンダーラでしょ。そこの王子に声はかけられたけれど、色目なんて使われていないわよ」

私が否定すると、

「本当に、あなたはそう言う事に疎いのね!」

セッシーが白い目で私を見てくれたんだけど……


「そんな事なかったわよね、アリス」

私がむっとして侍女に話をふると


「いえ、確かにガンダーラの王子がお嬢様にそう言う意味で声かけてきました。お嬢様は鈍いので気づかれませんでしたけど」

アリスがとんでもないことを言うんだけど。


「アリス、ガンダーラ王子は初めての帝国で心細かっただけではないの?」

私が再度聞くと

「そんな訳無いでしょう。王子はお嬢様の美貌に惹かれたのか、あろう事か弱小国の王子風情がお嬢様を呼び寄せたのですよ。セシール様」

「まあ、第一皇子殿下の婚約者のエリを呼び寄せたの?」

「そうです。そして、お嬢様の気を引こうと色々話しかけたんですけど、お嬢様は全然気づかなくて」

「えっ、そうなの?」

私は全然気づかなかった。それで近衛達の態度が厳しかったんだ。彼らは私を大切に守ってくれているから。

「もう本当にエリは鈍いんだから」

「お嬢様はそういう点は天然ですから。それで、その王子があろう事か遅れていらっしゃったレオンハルト様の前でお嬢様を庭に連れて行こうとしたのです」

「ええええ! じゃあ、レオンハルト様は激怒されたわよね」

「お義兄様は怒っていたけれど、そこまでじゃなかったわよ」

私が否定したら、

「いえ、あと少しでこの世から消滅するところでした」

アリスがとんでもないことを言ってくれるんだけど……


「その王子が必死に土下座して謝って許してもらったそうですよ」

「そうなんだ。良かったわね。その王国の民も。

だけど、本当にその王子も馬鹿よね。今話題の第一皇子殿下の婚約者の顔も覚えずにこの帝国に来たのかしら?」

「本当ですよね。側近の方々も何をしていらっしゃったのやら。王子を見るだけで、その国のレベルが分かりますわ」

セッシーとアリスがめちゃくちゃ落としてくれるんだけど……


そこにお茶の用意が出来たとライーサがやって来た。


「ちょっと、二人共、ライーサの前でその話題はやめて」

私の言葉に二人はやっとお義兄様が激怒して滅ぼされたマブリー王国の元王女で、私の侍女になったライーサが居ることに気付いたのだ。


「皆様。私に気遣いは無用です。父は私を見殺しにしたのです。殺されるところをエリーゼ様のお慈悲で助けていただいたのです。母まで助けて頂いて、エリーゼ様には感謝しかございません」

ライーサは首を振って言ってくれたけれど、ライーサの父親はお義兄様の攻撃前に瞬殺されたのだ。

いくらその父に見捨てられたとはいえ、思うところもあると思うのだ。


二人は思わず顔を見合わせて、少し大人しくなった。


「なんでも、新入生の中にはチエナからの留学生もいて、あなたに熱視線を浴びせていた者もいたとか」

性懲りもなく、セッシーが言ってくれた。


「何言っているのよ。私は地味なんだからそんな訳ないでしょ」

私は首を振ったが、


「そう思っているのは脳天気なあなたくらいよ」

「少なくともレオンハルト様はお嬢様のことをとても大切にしていらっしゃるんですから、お嬢様も男の人と話す時は注意してくださいね。その国がレオンハルト様の怒りを買ったら例えチエナといえども滅ぼされてしまいますから」

「さすがのお義兄様もチエナをすぐには滅ぼせないわよ」

私は首を振ったが、


「チエナがどうしたって?」

そこに扉が開いて、お義兄様がいきなり入ってきた。


「お義兄様、淑女の部屋に入る時はノックくらいしてよ」

「悪い悪い、ついいつもの癖で」

お義兄様が形だけ謝ってくれたが、いつも守ってくれたことはないのだ。私がむっとすると


「もう、お二人共、完全に新婚気分なんですね」

セッシーが頓珍漢なことを言ってくれるんだけど。


「いやあ、まだそう言うことはないんだが」

お義兄様が嬉しそうに言ってくれるんだけど、

「何言っているのよ。そんな事ないわよ。まだ結婚していないし、部屋も変わっていないし」

私がムッとして全否定した。


「何言っているのよ。エリ。あなた、昔からレオンハルト様のお妃様の部屋に居るじゃない」

「えっ?」

私はセッシーの言葉に絶句した。

お義兄様のお妃様の部屋って、この部屋が?


「えっ、エリって知らないでこの部屋使っていたの? レオンハルト様の部屋と中扉で繋がっているし、どう見ても、レオンハルト様の正妃様のお部屋なんだけど……」

「嘘!」

私は知らなかった。私は何も知らずに使っていたのだ。

お母様がお義父様と結婚してこの宮廷に引っ越す時に、確か、お義兄様の傍の部屋が良いとダダを捏ねて強引にこの部屋にした記憶があった。

そう言えば両親も反対していた。

お母様が「エリは私の部屋とつなぎの部屋にしましょう」

と言い出して、何故かお義父様が

「まあ、子供が言うことだからいずれ部屋を移せばいいだろう」

と賛成に回ったんだった。


皆、そういう理由で反対していたんだ。私はやっと判った。


「あなた、本当に今まで知らなかったの?」

セッシーが完全に呆れて聞いてくるんだけど……


「だって誰も教えてくれなかったもの」

私がムッとして言った。

考えたらお母様のお部屋もお父様の部屋と中扉でつながっていたし、前世で読んだラノベでも、貴族の夫婦の部屋ってこんな感じで中で繋がっていたんだった。


「お義兄様、なんで教えてくれなかったのよ」

私が文句を言うと


「いや、変な奴と婚約するのは俺も嫌だったし、エリなら、元々剣聖の娘だし、構わないかなと」

「えっ!」

私は固まってしまった。


私はお義兄様の邪魔をしてはいけないと一時期身をひこうとしていたのに、自分が将来のお義兄様のお后様の部屋を使って邪魔をしていたなんて……

私は信じられなかった。


「そう言う事は教えてよ」

私は真っ赤になっていた。だって、この部屋が良いということは私がお義兄様の婚約者になりたいって言っていたことになるじゃない!

私は穴があったら入りたかった。


「赤くなったエリもかわいいな」

そう言うと、お義兄様が私を抱きしめてくれたんだけど……

ちょっと待ってよ!

皆見てるし……

でも、皆に赤くなった顔を見られるのが嫌で、お義兄様の胸に顔を隠してしまったのだ。


「オヤジたちからは将来のことも考えてエリの部屋を移すようにお前から諭せと言われたけれど、俺はその時から別に婚約者はエリで問題ないと思っていたから」

そうさらりと言われて私はもう恥ずかしくて何も言えなかった。


ただただ、真っ赤になってお義兄様の腕の中で固まっているしかなかったのだ……





ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ここからどんどん続きを書いていこうと思います。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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エリーはいつもムッとしてて、なんだか主人公として可愛くない。本当に鈍感・天然なのか?
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