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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
チエナ王国の王女が邪魔してきました

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大国王女視点 帝国の皇子を好きになり、邪魔してくれた小娘を属国の嫁に出すことにしました

ついに新章開始です。

よろしくお願いします

私は北の大国チエナ王国の王女ホンファ。

お父様やお母さまから「蝶よ花よ」と可愛がられて育てられた。

私は美人で有名なお母様の血を受け継いで、小さい時からきれいだった!

そして、大きくなるにつれて更に美しさに磨きがかかったのだ!

私の美しさは国内外に知られ、チエナの至宝とか呼ばれていた。

男達はそんな私を見ると寄って来た。チエナ国内だけでなく周辺諸国でも男は本当に選り取り見取りだった。


そんな中、私は母に言われて帝国に留学することになった。



わがチエナは古代文明発祥の地で五千年の歴史があると言われている。

多くの技術や魔術は我が国を発祥としているのだ。

我が国は文明先進国。

そう、世界は我が国を中心に回っているのだ。


そんな我が国の南に蛮族の作った帝国があった。

力が全てだと何事も暴力で解決するような野蛮な国だ。

その帝国が急激に力をつけてここ数十年、我が国と国境を接するようになっていたのだ。


そんな中、母が私に命じた。

「あなたの美しさをもって帝国の皇子の心を奪うのよ」

と。


私は野蛮な帝国などに行きたくなかったが、母の命ならば仕方がなかった。

その世界最大の版図をもつ帝国の皇后に私がなるのも良かろうと思って帝国に行ったのだ。


しかし、どれだけ野蛮人がいるのかと戦々恐々として帝国に行ったのだが、帝国は普通の人間の国だった。

まあ、帝国は野蛮な国と言うだけあって、数学とか物理とか下賤な商人が好きそうな科目が幅を効かせていた。チエナのように、昔の詩歌や文学など昔からの教養科目が蔑ろにされていた。


そんな国に仕方がなく留学した私だったが、入学式で同級生の帝国の第一皇子、レオンハルト様を見て驚いた。

レオンハルト様はとても凛々しい姿かたちでなおかつ、とても引き締まった体をしている。

チエナにはいない武闘派の貴公子だった。

そんな彼を見て私はひと目で恋に落ちたのだった。


野蛮国にこれほどの美形がいるとは想像だにしていなかった。


そのレオンハルト様に私達女はみんなで群がったのだ。

当然その中でも美しさでは私が一番だったが、さすが帝国は人口が多いだけに女生徒達も結構美人が揃っていて倍率は高そうだった。


まあ、私は負ける気はしなかったが……

何しろ私は大国チエナの王女なのだ。帝国の下位貴族などに負けるわけはなかった。

高位貴族は公爵令嬢と外務卿の娘しかいない。

その3人の中では私が一番の美人だ。


しかし、そんな私の思惑とは別に、なんとレオンハルト様は私達から逃げるようにして去っていったのだ。


なぜだ?


普通はこれだけの美人に囲まれると鼻の下を伸ばして喜ぶものなのに……


入学式の後や翌朝、レオンハルト様の周りに集まった私達は尽く避けられた。


レオンハルト様はそれからも私達女性陣から避けるように男子生徒達と一緒にいることが多くなったのだ。


私は他の女どもを蹴散らしてレオンハルト様に近付こうとしたが、なかなかうまくいかなかった。


我が国の外務を使って視察という名のデートに誘ってもなかなかうんと頷いてくれないのだ。


私ほどの美人は帝都をくまなく探してもなかなかいないのに、何故だ?


『氷のレオンハルト様』女たちに塩対応なレオンハルト様はみんなにそう呼ばれるようになった。


でも、その女に対する、氷漬けの塩対応のレオンハルト様のイメージが学園祭の時に崩れ去ったのだ。


「お義兄様!」

そこに現れた一人の小娘の出現によって。


その小娘は本当にガキだった。年も調べた所10歳だ。我々と6歳も違う。


どう見てもガキだ。私みたいに胸が出ているわけでもない。まだ、全然発育していないのだ。


たしかに10歳にしては可愛かったが、それだけだ。


抱きついてきたそのガキをレオンハルト様が邪険にするかと思ったのに、なんとレオンハルト様はその小娘を抱きしめられたのだ。


私達は唖然とした。


あの女に対して見たら逃げようとするレオンハルト様がその少女を抱きしめたのだ。


それも満面の笑みを浮かべて。


なおかつ、抱き上げたんだけど……


嘘ーーーー!


私には信じられなかった。


すわロリコンか?

私は思ったが、


「ふん、後妻の連れ子だそうですわ。レオンハルト様も子供には甘いですね」

けばけばしい、外務卿の娘のアガットが馬鹿にしたように言ってくれた。


確かにその小娘は本当に子供だった。

到底レオンハルト様に相応しいとは思えなかった。


「ねえ、お義兄様。次はあちらに行きたい」

「ああ良いぞ」

レオンハルト様はその小娘の我儘に付き合って次々に案内していく。


私達の唖然としている視線を全く無視してだ。


恋人に接すると言うよりはどちらかと言うと本当の妹に接するみたいだ。


まあ、この小娘は無視してもいいだろう。

私達は頷きあったのだ。


小さい子が可愛いのかと思って、クラスの他の女性徒がクラスに妹を連れてきたりしたが、レオンハルト様は全く興味を示さなかった。


一度、ブラント侯爵家のエドモンが妹のセシールを連れてきた時に、

「よお、セッシー、元気にしていたか?」

レオンハルト様が声を掛けたので、やはりロリコンかと私は思ったのだが、

「はい。エリーは元気にしていますか?」

「ああ、相変わらず元気にしているぞ」

どうやら、セッシーとやらはあの小娘の友達らしかった。


やっぱりレオンハルト様はどちらかと言うとシスコンらしい。

まあ、でも、妹に優しいだけなら、問題はない。

妹などさっさと嫁がせればいいだけだから。


私はそう、思っていたのだ。


しかしだ。静かにしていればそのままにしておこうと思ったのに、この小娘、私達の卒業パーティーでやってくれたのだ。


卒業パーティーはレオンハルト様と最後に踊れるチャンスだ。


私は教室でも、外交ルートも使ってパートナーになろうとしたのだが、なんとレオンハルト様は12歳になったその小娘をパートナーにするというのだ。


12歳の小娘を卒業パーティーのパートナーにするなんて聞いたことはない。


まあ、公爵令嬢や外務卿の娘に先を越されるよりはましだったが……。


私は二番目にレオンハルト様と踊ってもらおうと必死になったのだ。

そして、当日を迎えた。小娘は白い衣装に身を包んでいて、見た目は可愛い子供だった。


「まあ、エリーゼさんも、まだ、お子さまですのに、レオンハルト様に付き合わされて、大変ね」

私は小娘を労ってやったのだ。


なのにだ。小娘はきっとして、私を睨みつけてくれたのだ。


たかだか側室の連れ子のくせに、この大チエナ王国の王女の私を睨みつけてくれたのだ。


「お義兄様、私、ケーキが食べたい」

そう言うと、強引にレオンハルト様を連れて、ケーキの積んである一角にまで、連れて行って、ケーキを凄まじい勢いで食べ出したのだ。


やることがお子様ね、私はムッとしたことが馬鹿らしくなったが、


なんと小娘はレオンハルト様にケーキを食べさせ始めたのだ。

あ、あの小娘、何をしてくれるのよ!


「お義兄様、クリームがついているわ」

そう言って、レオンハルト様の口周りをハンカチで拭いて、甲斐甲斐しく世話をしてくれたのだ。

そして、勝ち誇ったように私を見てくれた。


そして、あろうことか踊る前にレオンハルト様が小娘のおでこにチュッとキスしてくれたのだ。

私は怒りのあまり、握りしめた手が震えていた。

その上、あろうことか小娘は、レオンハルト様と3回も踊ってくれたのだ。


次に踊ろうと待ち構えていた私達はとんだ恥さらしだった。


絶対にあの小娘に泣きを入れさせてやると私は心に決めたのだ。




私は国に帰るなり、帝国の外務卿の娘と組んで、周辺の属国の老王の後妻や、短気で難有りと思われる暴力王、チエナの下位貴族の子爵家や男爵家に命じて大量の釣書を帝国の小娘宛に送らせたのだ。


数打ちゃ当たる。大量の物量作戦で、なんとしてもあの小娘をレオンハルト様の側からいなくならせるようにしようとした。



その生意気な小娘が帝国の属国の婚約者に決まったと聞いた時は私は小躍りした。


ざまあみろ、小娘め。これで邪魔者はいなくなったと私は清々したのだった

ここまで読んで頂いて有難うございます

不定期更新ですが、頑張って更新して行こうと思います

ついに大国チエナが動き出します

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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