お義兄様視点 敵の大軍を殲滅しました
エリはいつもわがままだった。
今回も俺がキスしたとお冠だったが、小さい時はエリはおませで、すぐにキスしてきたくせに、完全に忘れている。
ファーストキスは5歳の時に俺とすでにしているって言うのに!
それで怒られても、昔はそちらからしてきたじゃないかと言いたいのだが……
「レオン、小さい子どものキスと大人になってからのキスは意味が違うぞ」
俺はトマスに言われた。まあ確かに俺にとってはエリはいつまで経っても小さいエリだったが、それを言うとまた怒られるから言わないが、確かに今は胸もそこそこ大きくなって小さなエリではなくなっていた。
確かに、エリは少しは大人になったようだ。
だが、それがどうしたのだ!
エリが子供のままだろうが、大人になろうが、俺はエリを他の男に渡すつもりなど毛頭ないのだ!
今回のサンタル王国のボケナス王子みたいな事を二度とさせないと心に決めたのだ。
俺はその元凶、余計な話を持ってきた外務卿の前で、見せつけるようにエリを抱き締めてキスをしたのだ。
外務卿としては娘を俺の婚約者にしたいみたいだが、俺はエリが良いのだ。
他の女は元々眼中にない!
今度余計なことをしたらただではすまさないという怒りをもって睨み付けてやったのだ。外務卿はさすがに青くなっていた。
そう、ほんの少しの隙でもエリはいなくなってしまう。今回のサンタルの件で俺は嫌ほど思い知らされた。
そうならないために、エリには俺がついていることを周りの男どもに思い知らせたのだ。
騎士共は元々判っていると思うが、文官共にも見せつけてやったのだ。
それでなくてもエリは可愛いのだ。放っておいたら他の男どもが寄ってくること間違いなしだ。
これだけ周りを牽制しておけば他の男達も寄ってこないだろう。
もう絶対に離さない。
サンタルから連れ帰る時に俺は決心したのだ。
そして、先日は俺にとって記念日になった。先日、なんと、エリが俺と結婚してくれると言ってくれたのだ。俺は天にも舞う気持ちだった。
まあ、一抹の不安はエリは忘れっぽい性格だということだ。
でも、指切りまでしたのだ。今回は大丈夫だろうと俺は安心していた。
エリが熱があって意識が完全に戻っていないことを俺は忘れていたのだ……
そのエリに他の男が近づかないように近衛の手配も十分したというのに……そのエリがAAAに連れ去られただと!
近衛共は何をしていたのだ!
第一軍でそんな事をしようものなら担当者は即座に処刑だ!
近衛は真面目に仕事をするつもりがあるのか?
本来ならば俺は即座にエリのところに行きたかった。
生きた心地がしなかった。しかし、そう言うわけにもいかない。
今回の件を企んでくれた東方10カ国の奴らにも目にもの見せてやらねばなるまい。
俺のエリに手を出したらどうなるか、周辺諸国にも見せしめてやるのだ。
まあ、エリは大丈夫だろう。あいつはいつも要領も良いはずだ。捕まってものんびりと……
でも、抜けているところがあるからな。俺は一抹の不安を感じた。
何か余計なことを言って殴られているかもしれない。
そうなっていたらと思うと胸がとても痛んだ。
そいつは絶対に処刑するのみだ。切り刻んで公開処刑してやる!
まあ、どのみち俺の大切なエリに手を出した奴など生かしてはおかないが……
「奴らめ、俺のエリに手を出すとは、絶対に許さん!」
俺は怒り狂っていた。
その怒りのエネルギーがそのままレッドになだれ込んで、レッドのスビードが更に上がった。
こんな速く走るレッドは初めてだった。
街道の脇から見ていたら、赤い塊が恐怖のスピードであっという間に現れて、消えていったとしか見えないだろう……
そして、その状態で6時間くらい走らせた時だ。
なんと早くも前方にテルナンの城壁が見えたのだ。
通常は3日くらいかかる距離なのに……
テルナンの王都の周りを東方十カ国の残党共が囲んでいるのが見えた。
多くの攻城兵器と兵士たちが見えたのだ。
その大軍の前に、俺は夕日を背負って現れたのだ。
「ようし、レッド、行くぞ!」
俺は剣を抜いた。
大将はマブリー王国のしがない国王だと言う。
俺の温情が仇になったようだ。絶滅させておけば良かった。
もっともエリの卒業パーティーに間に合わせるように一日も早くこの地を出発するには属国にして、許すしか無かったのだ。王城を一つそのまま消滅させれば良かったかもしれないが……まあそうすればしたで、また別な奴が総大将になっていただろう。
俺様に真っ向勝負をしてくるならまだ脈アリと許さないでもなかったが、俺様のエリに手を出すなど言語道断。
「絶対に許さん!」
その剣が俺の怒りに赤く染まっていた。
「突撃!」
俺は叫ぶと同時に、剣を振り下ろしたのだ。
剣先から俺の怒りが奔流となって前方の敵に襲いかかった。
ピカッ
ズカーーーーン
大爆発が起こった。
敵の中央部には巨大なクレーターが出来ていた。
敵の全軍の3分の一が消滅した瞬間だった。
「ウォーーーーー」
俺は雄叫びを上げて、残りの敵に襲いかかったのだ。
俺は剣を振り回していた。
当たるをもっけの幸いに敵をなぎ倒していったのだ。
敵が大混乱に陥った所で4つの城門が開いて、我軍が突出してきた。
前方の俺、後方の帝国軍だ。
1時間後には東方10カ国軍は殲滅されていた。
ルネゾンの王族もマブリーの王族も俺の怒りの一撃の前に消滅していたのだ。
降伏者は2万人を数えたのだ。
それ以外は本当に地上から殲滅していたのだ。
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次はAAAです。
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