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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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お義兄様と何を約束したか覚えていませんでした

その日も体は重かったけれど、熱は下がったみたいだった。


「お嬢様、お加減はいかがですか?」

アリスが部屋に入って来て聞いてくれた。

「少しマシみたい」

私が言うと、アリスは私の額に手を伸ばしてきた。


「本当ですね。熱は下がったようです」

アリスが喜んで言ってくれた。


「朝は少しは食べられそうですか?」

「うん、おかゆさんくらいなら」

「判りました。すぐに準備いたしますね」

アリスは急いで部屋を出て行った。


私はぼんやり天井を見ていた。


そう言えばお義兄様の夢を見た。


お義兄様は元気にしているんだろうか?


私がぼんやりとしている間にアリスが朝食を準備して戻って来てくれた。


そして、すくって食べさせようとしてくれるんだけど


「アリス、食べるくらい一人で食べられるわよ」

私がむっとして言うと、


「レオンハルト様がいらっしゃらない時くらい私が食べさせられますよ」

アリスが言ってくれた。そう言えば私が風邪をひいた時はいつもお義兄様が食べさせてくれていたのだ。

昔は私も体が弱くてしょっちゅう風邪をひいていたのだ。

ここ最近は引いた事なんて無かったけれど……


その度にお義兄様がかいがいしく世話をしてくれたのだ。


そして、よく、冷たいアイスが食べたいとお願いすると

「風邪をひいている時にアイスは良くないだろう」

「ええええ! 熱のある時にアイスを食べると熱がアイスの冷たさで下がるような気がするのに」

という私なりの飛んでも理論を私が言うと

「そんな訳ないだろう!」

最初は反対していたお義兄様も


「お願い!」

お義兄様を上目遣いでお願いしたら、

「仕方がないな」

とお義兄様も折れてくれて、良く厨房からアイスを持って来てくれたのだ。


その時のお義兄様に食べさせてもらうアイスはとても美味しかった。


「はい、お嬢様、あーーーーン」

アリスがそう言って私の口元にスプーンを持って来てくれるので、思い出していた私はそのまま口を開けてしまったのだ。


アリスがスプーンを入れてくれて

「熱い!」

思わず私はむせてしまった。


「あっ、熱かったですか?」

慌ててアリスは水を飲ませてくれた。


「すみません。そう言えばお嬢様は猫舌でしたね」

アリスが思い出したように言ってくれたんだけど、

「アリス、あなた、私の専属でしょ」

さすがの私もむっとして文句を言ったら


「すみません。だって、食べさせるときは絶対にレオンハルト様がすると言われて、私がさせてもらったことは無かったので……」

アリスが言い訳してくれるけれど。


「だから、自分で食べるから」

私が言い張ると

「たまには私にも食べさせもらっていいじゃありませんか? レオンハルト様がいらっしゃらない時くらいしか私は出来ないんですから」

アリスが言うんだけど、

「えっ、そう言えばお義兄様は?」

こういう時に真っ先に来てくれるお義兄様がいないのに私は気付いた。


「えっ? レオンハルト様は東方十か国が反乱を起こしたので、その鎮圧に向かわれたのです。昨日その事を告げにいらっしゃったではありませんか?」

「えっ、お義兄様は戦場に向かわれたの?」

私は初めて知った。


「昨日、聞かれなかったのですか?」

アリスが驚いて聞いて来た。


「お義兄様、昨日来ていたんだ」

私は昨日のあれが夢では無かったのを知った。熱でうなされていたので、何を聞いたかまではよく覚えていなかった。


「でも、レオンハルト様は部屋から出て来られた時はとても上機嫌でしたよ」

アリスが言ってくれるんだけど……お義兄様は何で上機嫌だったんだろう?


私のキョトンとした顔を見て、


「何かお嬢様と約束したとかおっしゃられて、それはそれは上機嫌でした」

「えっ、お義兄様と何を約束したんだっけ?」

私はよく覚えていなかったのだ。


「えっ、そうなんですか? 『早速衣装の準備をしなければなるまい』と、とてもご機嫌でしたよ」

「うーん。私に衣装作ってくれるって事は、また、パーティーに出ないといけないの?」

お義兄様狙いの女たちの鋭い視線の嵐に耐えないといけないのだろうか?

私はうんざりした。


「えっ、お嬢様、おそらくそんな事ではないと思いますよ」

「えっ、そんなことでは無いって、それよりも酷い事があるの?」

お義兄様は今度は何をさせるつもりなんだろう?


パーティーの女どもの妬みの視線と嫌味の大合唱以上の物なんてあるんだろうか?

私には想像できなかった。


「お嬢様は全然覚えていらっしゃらないのですね」

「だって熱でうなされていたもの。でも、何かで指切りした記憶はあるのはあるのよね」

碌でもないことをまた約束したらしい。


「レオンハルト様もお嬢様が正気の時にされればいいのに! 熱出している時にすることじゃないと思うんだよね」

顔を出したセドリックが言ってくれるんだけど……


私なんかとんでもないことを約束してしまったのだけは判った。


「うーん、お義兄様が確か私の胸で良いとかなんとか、褒めてくれたのは覚えているんだけど」

今まで散々貧乳とか全然ないお子ちゃまだ、とか馬鹿にしてくれたお義兄様が『エリの胸の大きさが俺の好みだ』みたいなことを言われて有頂天になった記憶はあった。


「二人とも私が何を約束したと思う?」

「さあ、下手なこと言うと命が亡くなるので……」

「私の口からは何とも。レオンハルト様が帰って来られたら直接聞かれたらどうですか?」

私が聞いても二人は答えてくれなかったのだった。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

何も覚えていないエリーゼでした……


お話はここから山場に差し掛かります

次話は今夜更新予定です

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

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3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


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前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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