親友とお手洗いに行ったら、いきなり知らない男たちに襲いかかられました
私はお義兄様を睨みつけたんだけど、お義兄様はどこ吹く風で私に微笑みかけてくるだけなんだけど、絶対に変だ!
なんでキスしてきたか全然わからないし。
まだ、婚約者を作りたくないから周りを牽制するために私にキスしたんだろうか?
でも、ここで理由を聞いて、またお義兄様にキスされたらたまったものではない!
イジワルなお義兄様なら本当にやりかねないのだ。
そんな事になったら、私はお義兄様狙いの女どもに寄って集って殺されかねない。
私はまだ18歳なのだ。色恋の恨みで殺されたくない!
でも、お義兄様から離れたほうが命の危険は無くなると思うんだけど、お義兄様と踊るのは、不謹慎だけど、本当に楽しいのだ。
なにしろ、お義兄様と踊っていると全てのタイミングがピッタリなのだ。
小さい時からお義兄様を練習台にして散々練習したからか、お義兄様の足を踏みまくったからか、お義兄様は私の踊りのクセ等を完全に理解しているのだ。だから全てのタイミングをピッタリ合わせて踊ってくれるので、本当に踊りやすい。
私に合わせて踊ってくれるお義兄様と踊る時は本当に楽しくて、いつまでも踊っていられるのだ。
でも、あまり長い間一緒に踊っていて、お義兄様狙いの令嬢方からこれ以上恨みを買いたくないと私は思ったのだ。
一曲目が終わって、お義兄様狙いの女達が大挙して押し寄せてこようとしたので、私はその反対側に逃げようとして……あれ、お義兄様が手を離してくれないんだけど……
「あの、お義兄様、私、お手洗いに行きたいんですけど……」
「それは次を踊ってからでいいだろう」
私が逃げる言い訳にせっかく良いことを思いついたのに、お義兄様は許してくれなかった。
「えっ、でも、そんな……お義兄様狙いの令嬢達の邪魔をしたくないので」
思わず本音を言ってしまって、しまったと思った時は遅かった。
お義兄様の視線が鋭くなっている。
失敗した。これはまたやばい奴だ……
私はまずいと思って、今度は唇を奪われないように、口を完全に閉じて、顔をそむけたのだ。
そうしたら、お義兄様はあろうことかニヤリと笑って、私をぎゅっと抱きしめてくれたのだ。
殺到するお義兄様狙いの女どもの前で……
いや、ちょっと、待って、これは絶対にやばいって!
「「「キャー」」」
「あの女ったら、レオンハルト様にくっついて」
「信じられない!」
「許せないわ!」
女たちの罵声を聞いて、私は顔面蒼白になった。
ちょっ、ちょっとお義兄様、私の命が……
私はお義兄様を下から睨みつけたら、
「余計なことを考えるからだ」
お義兄様は私の視線をどこ吹く風で流してくれて、私に微笑みかけてくるんだけど……
そして、音楽が鳴り響いて、又お義兄様が踊りだしたのだ。必然的に私も踊らざるを得なかった。
ムカついた私はお義兄様の足を思いっきり踏んでやろうと思って、やったのだが、尽く外された。
それも普通に踊って外してくれるのだ。
クーー!
悔しい!
お義兄様は私の怒り顔の前にも平然としていた。
そして、私をくるくる回してくれるのだ。私は昔からそれが好きで何回もお義兄様にねだってやってもらったから……楽しくなってしまって……
結局私は3回もお義兄様と踊ってしまったのだ……
もう、貴族令嬢たちの視線の怖いことったら無かった。
幸いなことに3曲踊った後に、トマスさんが急遽報告があるとお義兄様のところに来たのだ。
私はこれ幸いと逃げ出そうと、セッシーの所に行った。
「エリー、凄いじゃない! お義兄様にキスしてもらって! 他の令嬢たちがカンカンに怒り狂っていたわよ」
セッシーが教えてくれた。
「そんなこと言われても知らないわよ! いきなりしてきたのはお義兄様だし……お義兄様も他の令嬢の虫よけに私を使うのは本当にもう止めてほしいわ」
私が怒って言うと
「あの、エリー、いくら人の良いお義兄様でも普通虫よけにキスはしないわよ」
セッシーが言ってくれたが、私は周りからの怖い視線を感じてよく聞いていなかった。
「セッシー、それより、ちょっとお手洗いについてきて。口紅が取れたかも知れないから、見に行きたい」
「それって、他の令嬢が聞いたら殺されかねないわね」
「だから、お願い」
私はセッシーと連れ立って人の居なさそうな、端の目立たないトイレに行ったのだ。
ここは隠れ家的な存在で、王宮に昔から住んでいる私だからこそ知っているトイレだった。
「どうやら大丈夫よね」
トイレの洗面台の鏡に自分の口紅が取れていないかチェックした。
「ねえ、エリー、頬にキスマークつけてあげようか」
「止めてよ。セッシー。そんなの見つかったら他の女たちに殺されるわ」
「うーん、それよりもあなたのお義兄様に殺されるかも知れないから止めておくわ」
なんかセッシーが理由のわからないことを言ってくれた。
「何なのよ。その理由は?」
私がセッシーに突っ込もうとした時だ。
いきなり女子トイレのドアが空いて、清掃員の男たちが入ってきたのだ。
「えっ、あなた達は何なの?」
しかし、男たちは私の問いに答えずにいきなり私達に襲いかかってきたのだ。
ここまで読んで頂いて有難うございます。
か弱い、女二人……の運命や如何に?
今夜更新予定です。
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