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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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ファッションお化け令嬢に虐められている時にお義兄様が来てくれました

アガットは元々、衣装が派手なのだ。

髪の色は目の覚めるようなピンク。瞳はグレーの瞳で、衣装は目の覚めるようなショッキングブルーに金のモールを散らばめているんだけど、もう、何か前世の大晦日の歌番組の衣装大会のようなド派手な出で立ちなのだ。

その上、私に見せつけるように、そのドレスの胸元が大きく開いていて、胸の谷間が見えていた。


髪の毛がピンクなので青黄ピンクの3色の信号みたいだった。


お義兄様の卒業パーティーの時は私もよく知らなくて、「あのファッションショーのお化けみたいな人は誰?」

と大きな声でお義兄様に聞いてしまい、皆の大爆笑を買ったのだ。特に笑い出したお義兄様が笑い止まないので、アガットからはものすごく睨まれて大変だった。それ以来、ファッションお化け嬢、違ったアガットからは目の敵にされているのだ。


「まああああ、素晴らしい青色ですわ。それと目の覚めるような金色の帯、素晴らしい。アガット様は今日はどちらのドレス工房の宣伝にいらっしゃいましたの?」

言わなくてもいいのに、セッシーは言ってくれた。


「まあ、失礼な言い様ね。私はドレス工房の宣伝塔ではありませんわ」

そう口では言いながら、アガットは口調の割には満更でもなさそうだ。

そうだった。自信過剰なアガットにはその様な嫌味は絶対に通用しないのだ!


「まあ、これを作ってくれたのはあの有名なドレス工房の『リエド』なの」

案の定、アガットは自信満々に言ってくれたのだ。


「まあ、『リエド』をお使いですの。あの浮気工房の?」

「浮気工房って何なの?」

不思議そうにアガットはセッシーに聞いていた。


「ああら、アガット様は知られませんの。あの工房、エリーの衣装を作っていたにも関わらず、他のライバルの女の衣装まで作る浮気っぶりで、王家とロザンヌ公爵家から出禁を食らったのですわ。アガット様ともあろうお方が、そんな工房をお使いになってよろしかったのですか?」

更にセッシーは言い募ってくれたのだ。でも、絶対にそんな言い方ではアガットには響かないんじゃない?


「まあ、物は言いようね。私は『リエド』のオーナーからはこう聞いたわ。

『私の好みでない方の衣装は私は作りたくありませんの。でも、たまにどうしてもと頼まれて仕方無しに作りますけれど……中々満足できるものが出来なくて。

その点、アガット様なら素材が素晴らしいので、私の衣装にぴったりですわ』って言っていたわ。まあ、貴方じゃね」

あろう事かアガットは私の胸を見て微笑んでくれたのだ。そして、自分の胸を張って、強調してくれた。確かに『リエド』の衣装は大胆に開けており、アガットの豊かな胸の谷間を強調して見せてくれていた。私はそれがとても下品だと思ったんだけど、胸の無い物の僻みだと取られては元も子もないので言わなかったけれど……


私はムッとした。


セッシーの嫌味も図太いアガットには全く通用しなかったのだ。

さすがアガットというべきか。


「本当にエリーゼさんはまだ、子供ですもの。

レオンハルト様も義理で面倒見ておられるようですけれど、いい加減に解放して差し上げたらどうなのかしら。あなたのような邪魔な小姑がいたら、レオンハルト様もおいそれと妃にしようという令嬢方と付き合いも出来ないのではなくて。それは、他のご兄弟方もそうなのではないかしら、ねえ、モイーズさん」

アガットはその後ろにいたモイーズ・トローム伯爵令嬢を見たのだ。モイーズは確かローレンツお義兄様の婚約者のはずだ。私がサンタルに行ってからの婚約発表があったので、まだお話したことが殆どなかった。でも、この前ベアトリスに頬を張られた時にその後ろの取り巻きの一人としていたのを私は覚えていた。


「本当ですわ。私はローレンツ様が、『あの、エリーゼは本当に馬鹿だからな』とおっしゃっているのを聞きました。ローレンツ様はあなたが継母様の連れ子で、面倒を見させられて、とても嫌だったとおっしゃっていらっしゃいましたわ」

私はモイーズの一言に完全にぶち切れていた。


「な、なんですって、それ本当なの?」

私はぐいっとモイーズの前に身を乗り出して聞いていた。

「私が嘘を言ってどうするのよ」

モイーズははっきりとお義兄様が私に暴言を吐いたと言ってくれたのだ。


「セッシー聞いた! ローレンツお義兄様が私に暴言吐いたって今モイーズさんが言ってくれたわよね」

私は隣のセッシーに聞いていた。


「いや、エリー、言っているのはローレンツ様の婚約者のモイーズ嬢であってローレンツ様は何一つ仰っていらっしゃるっていう証拠はないわ」

冷静にセッシーは答えてくれたが、


「何言っているの。私はちゃんと聞いたわよ」

モイーズがはっきりと証言してくれたのだ。


「ローレンツお義兄様って信じられない。10歳の時にお義兄様がおねしょしたのを誤魔化すために、私がお義兄様のベッドの上で水をこぼしたことにしてあげたのに。その恩をこんな所で、婚約者に言わせて返してくれるなんて、最低!」

私の言葉に皆絶句しているんだけど、そんなの知ったことじゃない。


「レオンお義兄様の訓練に行くのが嫌だって散々駄々をこねて、頼むから私も来てくれって頼むから、私も行きたくないのに、無理やり何回も付き合ってあげたのに。なのに、そんな事をいうの! もう絶対に許さないんだから」

私は完全に切れていた。


「モイーズ良いの? あなた、エリーが怒ると手がつけられなくなるんだから、どうなっても知らないわよ」

セッシーが何か言っているんだけど、もうローレンツお義兄様は絶対に許さない。


私は決めたのだ。


「それよりも、ちょっと、エリーゼさん。さつきから気になっていたんだけど、あなた、そのドレスの文様、レオンハルト様の文様じゃないの?」

いきなりアゴットが話題を変えてきたのだ。


「まあ、本当ですわ」

「いくら、あなたがレオンハルト様の継母の連れ子だって言ってもその文様を勝手に使ったら行けないと思うわ」

「本当に!」

「なんてこの子は厚かましいんでしょう!」

「信じられないわ!」

アゴットの取り巻きたちが次々に言ってくれたけれど……


「えっ、鷹ってお義兄様の文様だったんだ。知らなかったわ」

私が言うと、


「まあ、なんて図々しい」

「勝手に王家の文様を使うなんて、許されないことよ」

「すぐに、その服から文様を取りなさいよ」

皆様が寄って集って私を攻めるんだけど、


「えっ、それはお義兄様に言ってよね」

私は当然のことを言ったのだ。


「まあ、この子、なんて厚かましいのかしら。勝手にレオンハルト様の文様を使っておきながらそんな事を言うなんて」

「本当よ。下手したら不敬罪よ」

「拘束は愚か処刑もありうるわ」

なんか取り巻きたちが好きに言ってくれるんだけど。


「だって、これ作るように指示したのお義兄様だし」

私が言うと


「何言っているのよ。レオンハルト様は今まで誰にもドレスを作って頂いたことはないのよ。いくら継母の連れ子だって、あなたにそこまでしてくださるわけないでしょ!」

「そうよ、直ちにその文様を取りなさいよ」

「そうよ」

皆私の衣装に群がって私の衣装から文様を取ろうとするんだけど。


「何をしている!」

そこに氷のように冷たいお義兄様の声が響いたのだ。


ここまで読んで頂いて有難ううございました

お義兄様の遅れての登場です。

続きは明朝。


続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[良い点] 友達有能、流れを読めるのも良き [気になる点] 黒歴史は秘匿してあげて [一言] 沸騰するやかん
[一言] さて、地獄へ旅立つ時間の始まりかな?
[一言] ああ、良い所で次回に続くーw それよりも、ローレンツお義兄様にとばっちりが(^_^;)
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