表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/166

私の大切な人形が破壊されていて、戦ったお義父様とお義兄様にプッツン切れました

その後、私はお義父様とお義兄様と一緒に宮殿の中の皇族の住まいの一角に連れて行かれた。


というか、元々私が生活していた場所だ。


でも、私は一応、家臣の娘だからと遠慮しようとしたのだ。


「何を言っている、エリーゼ、そんな事を言って父を見捨てるのか」

お義父さまが騒ぎ出すし、

「そうじゃ、エリーゼは我が公爵家に帰ってくるべきだ」

そこに何故か、祖父のロザンヌ公爵までいて、ますますややこしくしてくれて……


「何だったらエリは俺の部屋に来れば良い」

と、お義兄様が爆弾発言迄してくれて、ますます、二人は煩くなったのだ。


「儂は、まだ、エリーゼとレオンが付き合うのを認めたわけではないからな」

お祖父様がとんでもないことを言い出すんだけど……


「お祖父様、私とお義兄様は兄妹なんです。付き合うわけがないでしょ」

私は当然のことを言ったのだ。


「「「えっ?」」」

でも、3人共驚いた顔をするのは何故?

お義兄様なんか死刑宣告を受けた虜囚みたいな顔をしているんだけど……


全く訳が判らなかった。

世間一般の常識を言っただけなのに、なんでみんなこんな反応するの?


遠くにいるアリスとセドリックは頭を押さえているし、シスはお義兄様を見て笑っているんだけど……

うーん、良く判らない。


「そうか、そうだな。エリーゼとレオンハルトは兄妹であったな」

お義父様がとても喜んで言うんだけど、


「何言ってるのよお義父様。あたり前のことでしょ」

私が言うとお義兄様は益々、青い顔をするんだけど。


「そうじゃな、すっかり忘れておったわ」

お義父様はそう言うと隣のお義兄様を憐れんだ視線で見るんただけど、何故に?

私には全然判らなかった。


「まあ、レオンも戦闘に関しては多少は一人前になったようだが、女に関してはからきしなのだな」

お祖父様まで理由のわからないことを言ってくれるし……


「本当に。お義兄様も頑張って」

シスはやることがたくさんあるからか、早急に自分の部屋に帰って行った。

姉としては少し悲しかった。

まあ、五日間一緒にいたから良いかなとは思ったが……


それにお義父様にもちゃんと話さないといけないことがあったし、弟の前ではなかなか話し辛かったので、いなくなってくれてほっとした面もあった。



「あのお義父様」

私は姿勢を正して話しかけたのだ。


「ど、どうしたのだ、エリーゼ? 改まって儂に話すなど」

お義父様が驚いて私を見てきた。


「この度のサンタル王国の王子との婚約破棄の件、大変申し訳ありませんでした」

そう言うと私は頭を下げたのだ。


「何だ、その件か」

お義父様がほっとして言ってくるんだけど、私にとっては大事件なんだけど……


「いや、本当にこちらの方こそ、あんな婚約を認めて悪いことをしたな。元々格下からの申し出だったので、断ってよかったのだ。それをエミリーの母だからと儂もほだされてしまった」

「本当じゃ。儂の大切なエリーゼをコケにしおってからに」

お義父様の横からお爺様も怒って言うんだけど……


「どうしようもない王子は処刑したのだったな」

お義父様がお義兄様にギョッとすることを言うんだけど。


「エリを貶める発言をしましたので、ついかっとしてしまいまして」

お義兄様が私の方を申し訳なさそうに見ながら言ってくれた。


「良い良い。ついでにエリーゼをないがしろにした貴族どもは全員領地取り上げの上、追放してきたのだな」

お義父様がとんでもないことをお義兄様に言うんだけど……

私が縋るようにお義兄様を見ると、


「エリが嫌がりますのでそこまではしておりません」

お義兄様が言ってくれたので私はホッとした。


「なんと、何の処罰もせんとおめおめと戻って来たのか」

お義父様の機嫌が急に悪くなった。


「お義父様。私が無理やりあの国にお邪魔したのが悪かったのです。これ以上の惨劇はやりたくありません」

私はそう言ったのだ。

「しかし、それでは示しがつくまい」

お義父様が言うんだが


「父上、締め付けるだけが政治ではありますまい。奴らはエリーゼの処置に感激しておりましたぞ」

お義兄様が私を庇って言ってくれた。


「しかし、貴族どもは甘やかすとつけあがるぞ」

「まあ、陛下、殿下が温情を示されるなど素晴らしい事ではございませんか。あの恐竜皇子と呼ばれ怖れられている殿下が示された温情なのです。あの国の者共も二度と帝国に逆らったりしますまい」

「まあ、それならば良いが」

おじいさまがうまくフォローしてくれたので私はホッとした。

それに、恐竜お義兄様に逆らうような勇気を持った貴族たちがいるとも思えなかったし……


「エリ、長旅で疲れただろう。自分の部屋で少し休んだらどうだ」

お義兄様が言ってくれた。

確かに、極上の馬車だったけれど、五日間の旅は疲れた。それまでも色々あったし。

私はお義兄様の言葉に素直に従ったのだ。


「何、三年ぶりに会ったのに、もういなくなるのか!」

おじいさまが機嫌を悪くするが、

「まあ、公爵、すぐに夜会もある。その場で会えばよかろう」

お義父様がとんでもないことを言ってくれるんだけど……


「えっ、私も出るんですか」

思わず聞き返していた。

私は未成年だったから、王宮の夜会なんてほとんど出たことは無かったのだ。

「エリーゼも成人したのだ。当然出てもらう必要がある。それに、貴族の面々にもエリーゼが帰って来てくれたお披露目もあるしな」

お義父様が楽しそうに話してくれた。


「そうか、それならば仕方があるまい」

おじいさまも納得してくれたから良かったんだけど、私はとても気分が重くなった。


そんな私を連れてお義兄様が部屋を出てくれた。


「はああああ」

「どうした、溜息をついて」

お義兄様が聞いてくれた。


「えっ、夜会の事が気になって」

「夜会なら、気にすることは無い。俺がエスコートするからな」

「えっ、でも、お義兄様も誰か他の人をエスコートした方が良いんじゃないの?」

そうだ。何しろお義兄様はこの国の跡継ぎなのだ。

そろそろしかるべき人を決めてしていくべきだと私は思ったのだが、


「誰か一人をエスコートしてみろ、他の奴らが黙っていない」

お義兄様が言うんだけど、そろそろ誰か好きな人が出来ても良い頃なのに。

私がいない間に誰かいると思ったんだけど、お義兄様にはまだ相手がいないみたいだ。


何でだろう?


お義兄様は顔もよし、背も高いし、体も鍛えている。

その上、次の皇帝なのだ。絶対に人気があると思うのだけど……

人気があり過ぎて競争が大変なんだろうか?


そのあたりを聞こうとした時だ。丁度自分の部屋の前に来たんだけど、


「あれ、傷がついている」

そう、扉に燃えたような跡があった。


「えっ、何か残っていたか」

お義兄様が慌てだしたんだけど……


私は慌てて部屋の中に駆け込んだのだ。


部屋の中は別に元のまま……何か変だ。


そして、私は部屋の片隅に置いてある親友のセッシーからもらった手作り人形に目がいった。


私がとても大切にしていた物なのだ。サンタルに持って行って壊してはいけないと思って、この部屋に残していった私の宝物だ。


でも、何か変なのだ。


「ギャーーーー」

次の瞬間私の悲鳴が宮殿内に響き渡ったのだ。


何と人形の手と足が逆についていたのだった!



ここまで読んで頂いて有難うございます。

お義父様とお義兄様の戦いの後でした……


続きは今夜です

お楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[一言] この主人公、苛つく程に鈍感すぎる。 義兄が相手を作らない理由は明白なのにな。
[一言] これは戦争じゃぁ...
[一言] 一点物の人形が… 慌てて直したんだろうな〜(^^;;
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ