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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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怒りのお義兄様が私達を守らなかった近衛騎士を叱責していたらお義父様まで現れました

パシーン

大きな音とともに私は頬に痛みを感じた。


そう、私はベアトリスに頬を引っ叩かれていたのだ。


「姉上!」

驚愕したシスの声がしたが、私はシスが叩かれていなくてホッとした。


私が叩かれるくらい問題はない。少し痛みがある程度だ。


と思ったのだ次の声を聞くまでは……


「何をしているのだ!」

そこには氷のような視線をベアトリスに向けるお義兄様がいたのだ。


「お義兄様!」

「レオンハルト様」

皆完全に固まっていた。


何故ここにお義兄様がいるの?

サンタル王国の制圧をお義父様に命じられていたはずだ。

私達はあのまままっすぐに馬車で帰って、今着いたところなのだ。

お義兄様は、私がお義兄様と別れた所から、わざわざサンタル王国まで戻って、王国を制圧して、ここまで帰って来たって事? そんなの無理だ。

どんなに頑張ってもここにいるはずはないのだ。


それが、ここにいるなんて絶対におかしい。


私は眼の前にいるのが幻ではないかと一瞬思ったほどだった。

でも、どう見ても本物だ。

それも怒り狂っている。これは絶対にいけない奴だ。


「お義兄様。いけないんだ! お義父様にサンタル王国の制圧を命じられたのに、無視して帰ってきたのね」

私は取り合えずお義兄様に話しかけてみた。それも、わざと明るい声で話しかけてみたのだ。


「エリ、何を言うんだ。俺は全ての貴族共を降伏させて帰ってきたぞ」

お義兄様は私にいけしゃあしゃあと言ってくれたけれど、絶対に嘘だ。

「そんなの嘘よ。出来るわけないわ」

「俺に不可能はない。何ならお前の伯父に聞けば良い」

お義兄様は私に得意に話してきたのだ。

これはいけるかも。

私は期待を持って話してみたのだ。


「じゃあ、今からお義父様の所にいっしょにいきましょうよ」

「そうだな。これが終わったらな」

ダメだ。上手くいかなかった。

お義兄様のその声は完全に怒り狂っていた。これは絶対にやばい。

下手したら死人の出るやつだ。

私はさらに足掻こうとして、

「ウグ」

お義兄様に強引に口を塞がれてしまったのだ。


「エリが話すと、話しがややこしくなるから少し黙っているんだ」

私の口を押さえながらお義兄様が言うんだけど、私が話をして誤魔化さないと、絶対に死人が出るやつじゃない。

私はなんとか話そうとしたが、無理だった。

お義兄様の声の端々に怒りがにじみ出ていた。

これはもう無理だ。


私の口も塞がれてしまった。こうなったらお義兄様に勝てるのはお義父様だけだ。

でも、今、二人揃ったら更に酷いことになるのは火を見るよりも明らかだった。

私は仕方無しに、黙っていることにした。


「そこのお前ら! 今公爵令嬢が第四王子を張ろうとした時に、何故前に出て、盾とならなかった」

お義兄様は私達の後ろにいた近衛騎士達にいきなり叱責を始めた。


「いえ、相手が公爵令嬢様でしたので我々としても手の出しようがなく」

私達の護衛をしていた近衛隊長が言い訳した。な、何で言い訳するの! そう言うときはただひたすら謝ればいいのに!

私の心の叫びは届かなかったのだ。


「愚か者!」 

お義兄様は一喝したのだ。柱が震えた。

お義兄様の一喝に近衛はもちろん、みんな一斉に縮み上がった。何しろ恐竜皇子として近隣諸国に怖れられているお義兄様なのだ。その大きな声は外にいても聞こえたはずだ。


「近衛にとっていちばん大事なのは皇子の命だろうが! 貴様らがそれを盾となって守らずにどうするのだ!」

お義兄様の叱責が宮殿内に響き渡ったのだ。


叱られた近衛騎士たちは固まっていた。


「それも女のエリに庇われるとはどういう事だ。貴様らそれでも騎士か!」

もう騎士たちは何も言えないみたいだった。


「そんな事で近衛を任せるわけにはいかん。貴様らは今日付けで第1軍に編入する。一から鍛え上げるからそのつもりでいろ」

「そ、そんな」

男たちは青くなっていた。


お義兄様の指揮する第1軍、帝国最強に鍛え上げたお義兄様の指揮する最強軍団だ。シスに馬車の中で聞いた所によると、東方10カ国との戦いで大半の国を殆どその一軍だけで降したらしい。

その一軍は訓練の厳しさでも定評があるのだ。まあ、トップがお義兄様だから仕方がないのだけれど。

私に訓練してくれる時も鬼だった。本当にもう死ぬかと思った。でも女の私だから絶対に手加減してくれていたはずなのだ。それに耐えられた上の二人のお義兄様は凄いと女だてらに思ったのだ。

近衛騎士なんて、父が貴族だから、という理由だけで騎士になったという輩もいるそうだ。一時期は守りも厳しくはしていたのだが、出来る騎士はお義兄様が戦場に連れて行ったのだ。残っている騎士たちは禄なのが残っていないのかもしれない。


それに、まあ、今のは確かに騎士がシスを守る場面だった。

本来公爵令嬢が出てきた段階で、そうしなければいけないのだ。

それが出来なかったのだから仕方がないと言えばそうだ。


「で、殿下、申し訳ありません」

そこにヴェリエ近衛騎士団長が飛んできた。


「ヴェリエか、近衛は最近たるんでいるのではないか」

「いえ、そのような」

「今、ここの公爵令嬢が第四皇子に手を出そうとした。それを近衛は自分の身を盾にして守ろうともしなかったのだ。自分の身を盾にして守らずしてそれが近衛か!」

「も、申し訳ありません」

近衛騎士団長は頭を下げたのだ。

そう、怒り狂ったお義兄様にはまずこれなのだ。


「良く言って聞かせますので」

「甘いわ。お母様が殺された時、近衛騎士団長はどうした」

「えっ」

ヴェリエは固まった。

「どうしたと聞いている」

「責任を取ってご自害なさいました」

「貴様もそうなりたいのか」

「いえ、そのような事は」

騎士団長は青くなっていた。


「今、公爵令嬢がナイフを持っていたら、どうなっていた?」

「……」

騎士団長は答えられなかった。

「どうなったと聞いている!」

「はっ、フランシス殿下が刺されたかと」

「違うだろう! エリーゼが代わりに刺されたのだ。俺はそうなったら貴様らを許せる自信がない」

お義兄様がなんか訳の分からないことを言っている。

そして、その手の上には何故か小さな火の玉が出来ているんだけど。

ちょっと、それは爆裂魔術かなにかではないの?



「どうしたのだ。騒々しい」

そこに現れなくても良いのに、お義父様が現れたのだ。

これは最悪の状況だった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

皇子に皇帝まで揃ってどうなるのか

続きは今夜です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[一言] 近衛が王族守らないとか余程無能なんだなあ
[気になる点] この主人公さんは、自分の同母弟の政治的立場を考えれば、それだけで、自分が舐められている状況にも、鈍感であってはいかんのではと。 あと、この主人公さん、皇帝にも溺愛されてるようですが、皇…
[良い点] 最後2行目の、現れなくても良いのに、笑ってしまいました。 いつも楽しく拝見しています。 素敵な癒やしの時間をありがとうございます。
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