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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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公爵令嬢視点 従兄妹が好きだったのにポッと出のガキに取られてしまいました

私はベアトリス・クラパレード、クラパレード公爵家の令嬢だ。


そう、この大陸一強力なロアール帝国の中でも力のある公爵家の娘なのだ。


私は小さい時から父や母にとても大切に育てられた。


そして、叔母にも可愛がられたのだ。


なんと、叔母はこの国の皇后様だった。


私は即ち、皇后様の親戚だったので、よく、王宮に叔母様を訪ねる両親について遊びに行ったのだ。

王宮のお菓子も当然美味しかったが、私の目当ては別にあった。

そう、そこには見目麗しい、王子様がいたのだ。

従兄弟の第一皇子のレオンハルトだ。


従兄弟は本当に見目麗しくて、きれいだった。

男にきれいと言ってよいかどうかは判らなかったが。

小さい頃は、偶に一緒に遊んだ。

もっともレオンハルトはどちらかと言うとやんちゃで、私の相手はなかなかしてくれなかったが。

私は一緒にいられるだけ幸せだった。


私は出来たら将来は叔母のようにレオンハルトの横で皇后様になりたいと思っていた。


母には「レオンハルト様はあなたには、ちょっと血が濃すぎるんじゃないかしら」

とあまりいい顔はしなかったが、他国の王族ではいとこ同士の結婚もよくあることなので私はぜひともレオンハルトと一緒になりたかった。


でも、そんな叔母が私が9歳の時に死んだのだ。


原因は東方10カ国のテロの攻撃だったと聞いた。その頃は帝国軍も東方十か国に大敗して、帝都も暗雲が立ち込めていた。


しばらく情勢が安定しないからと私は王宮にも連れて行ってもらえなかった。


出来たらショックを受けているレオンハルトを慰めに行きたかったのに、母は危険だからと許してくれなかったのだ。


でも、その間にあの娘がレオンハルトの隣りにいるようになったのだ。



私が11歳の時に皇帝陛下が再婚されたのだ。その女は元剣聖の妻だった女で、どこぞの属国の子爵家の出身だそうで、とても身分の低い女だった。


「皇帝陛下の夜のお世話と王子殿下達の乳母代わりだ」

と父は言っていたが、私は意味がその当時はあまり良く判らなかった。


久々にレオンハルトに会いに行くと、レオンハルトは今は忙しいから相手ができないとあっさりと断られたのだ。子供心にショックだった。


でも、ふと、中庭を見るとそのレオンハルトが小さな娘の手を引いているではないか。


「お義兄様。抱っこ」

その娘が言うと、レオンハルトは

「エリ、もう少し歩くんだ」

と言って怒られていた。私はいい気味だと思ったのだ。


でも、その娘は

「ああん、疲れた。お義兄様の抱っこが良い」

と再度言うとなんとレオンハルトは

「エリは仕方がないな」

と言ってその娘を抱っこしたのだ。

私は唖然とした。

今まで私といる時はどこか冷たい感じがしたのに、そのガキといる時は満面の笑みを浮かべているのだ。


「小さな子供が珍しくて可愛がっているだけよ」

お母様はそう言って笑ってくれたが、私にはそうは思えなかったのだ。


だってあんなに楽しそうなレオンハルトは初めて見たのだ。

私はとても悔しかった。でも、その娘は所詮側室の連れ子だ。到底、レオンハルトの隣に立つことは出来まい。

今だけレオンハルトの横にいて甘えればいいんだわ。

私は黒い笑みを浮かべて笑ったのだ。



私はそれからは淑女教育を未来の皇后様になるべく必死に頑張ったのだ。

何しろ私とレオンハルトは同い年で、15歳になれば一緒に学園に通う事になるのだ。そして、学園時代に二人の仲を深めればよいのだ。その時の為に、今から自分を磨いたのだ。



そして、待ちに待った学園時代がやってきた。私とレオンハルトは同学年で3年間一緒に学べるのだ。


思った通り、私はレオンハルトとは同じクラスだった。私は早速レオンハルトに近付こうとした。幼馴染として。


しかしだ。同じクラスには隣国チエナ王国のホンファ王女もいたし、外務卿で侯爵家のアガットもいた。そして、その他の伯爵令嬢達も私と同じことを考えていたのだ。


休み時間になると皆でレオンハルトを巡って取り合いになった。女の戦いは凄惨だ。私はレオンハルトに近付く奴を脅したり、他のものに言って虐めたりして手を引かそうとした。


しかし、レオンハルトは女たちが寄ってくるのに嫌気が差したのか、休み時間等はその側近の方と過ごすのが多くなり、私達は近づけなくなったのだ。


私は帝国内では最高位の公爵家令嬢だから、王女を除けば身分は一番高く、多くの令嬢たちと仲良くはなった。でも、レオンハルトとは、なかなか一緒になる機会がなかった。


年に一回の卒業パーティーでレオンハルトと踊れるかと期待したのだが、レオンハルトを狙う令嬢は多く、レオンハルトはその令嬢たちから逃げ回っていたのだ。


お父様にお願いして、レオンハルトと会おうとしても、レオンハルトも公務に忙しいみたいで、中々会えなかった。


そして、三年生になって、最後の卒業パーティーの時が来た。


私はレオンハルトのパートナーになれるようにお父様にお願いしたのだ。

最悪、親戚扱いなら何とかなると思ったのだ。


婚約者がいない者は、親兄弟や親戚の者がパートナーを務めるのだ。

それなら王女や侯爵令嬢にも言い訳が付くと私は思ったのだ。


「義理の妹のエリーゼをパートナーにするそうだ」

父の返答に私は戸惑った。

だってあの娘はまだ12歳のはずなのだ。そんな小娘をパートナーにするなんて考えられなかったのだ。


「まあ、ベアトリス、今回はあきらめろ。チエナの王女もカルディの所も陛下に頼みに行ったそうだ。陛下としても一人を立てるとほかに角が立つ。その点エリーゼならば、義理の妹だし、子供という事で周りも納得するだろうとおっしゃられたら、どうしようもない。まあ、その後踊ってもらえばよいだろう」

私は父の言葉に納得するしかなかった。



当日、出て来た小娘はやはりまだお子ちゃまだった。出るところも出ていないし、童顔だ。私はホッとしたのだ。


衣装もデビュタント用の白い衣装で本当に子供っぽかった。


胸は私の方が圧倒的に大きいし、顔も圧倒的に私の方がきれいだった。


それに娘は少し嫌味を言ってやったら、怒って、軽食コーナーに行っていきなり食べだしたのだ。

本当にお子ちゃまだった。


しかしだ。


いきなりその小娘がレオンハルトにケーキを食べさせたのだ。


「キャーー」

「あの子、レオンハルト様に食べさせたわ」

周りはキャーキャー騒ぎだしだが、私は完全に切れていた。

あのガキ、何をしてくれるのだ。

それも私達に見せつけるようにやってくれるんだけど……

完全に計画的な犯行だ。

私は腸が煮えくり返る思いだった。



そして、ダンスの時がきた。

所詮お子様もここまでだ。ダンスになったら圧倒的に女の魅力が勝る私のものだ。

私は王女とアガットに先に越されないように出来るだけレオンハルトに近付いたのだ。


レオンハルトのダンスを初めて見たが、とてもうまかった。

それも、小娘をうまくリードしている。

レオンハルトが小娘の下手さ加減をカバーしていた。


私は曲が終わるのをまだかまだかと待ったのだ。

次にレオンハルトと踊れることを期待して。


しかしだ。なんと二人は二曲目もそのまま踊ってくれたのだ。

そして、3曲目も……


結局私は一曲も踊れなかったのだ。


もう絶対に許せなかった。

私は絶対にこの小娘を排除してやると決めたのだ。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

続きは今夜。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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