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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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お義兄様視点 可愛い弟が小憎らしい弟に変わって俺と義妹の仲を邪魔してくれます

フランシス・ロアール、俺の一番下の弟の名前だ。


「見て見て、お義兄様。めちゃくちゃ可愛いよ」

エリは生まれたての赤ちゃんを見てとてもはしゃいでいた。

「そうだな」

そう、シスは12歳の俺から見ても生まれた時はとてもかわいい赤ちゃんだったのだ。

エリと同じ黒髪で父と同じ碧眼だった。


6歳のエリは甲斐甲斐しく、シスの面倒を見ていたので、必然的にエリとよく一緒にいた俺も良く面倒を見させられた。


でも、その当時は本当に可愛かった。


しかし、徐々にシスが俺とエリの間に入ってきて、邪魔するようになったのだ。


俺がエリと遊びに行こうとすると、一緒に行きたいと泣き叫び、お菓子を食べているとその間に入ってきて、俺にはどちらかと言うと大きくなるにつれて邪魔な弟という感じになってきた。


帝都内にエリと遊びに行こうとして見つかって、邪魔されたことなど枚挙にいとまがない。


そして、エリは俺達の予定が重なるといつでも弟のシスを優先するのだ。

本当に忌々しい、弟だった。


そもそも、エリのサンタル王国の王子との婚約についても、絶対にこの生意気な弟が何かかんでいるに違いなかった。12歳、いや当時は9歳か、のガキが何か出来るわけは無いはずだと皆笑い飛ばすが、こいつは我が皇帝一族の悪だくみの才を一身に受け継いでいるのではないかと思えるほどいつもあざといのだ。エリには一切見せないが……


今回も俺がせっかくエリと仲良くなれて、いい雰囲気になっていたのに、邪魔しに来やがって!

本当にムカつく。


その上、エリの胸に顔を埋めて、俺に向けて優越感満載のどや顔をしてきやがったのだ。殴ってやろうにもエリがいる。こいつは、エリの前では平然と弱い弟ぶりを見せているのだ。

エリはそんな弟を可愛がっているが、何を言っているんだか、こいつは絶対にそんなひ弱な奴ではない。我が皇帝家の血を引き継いでいるのだから。


何しろやる事がえげつない。俺に、サンタル王国を平定するようにとの父の命令書を持って来やがった。

それも、俺の頭の上がらないシャルルまで連れてきやがって!

相手がシャルルで無かったのなら、俺はそいつに強引に任せてエリと一緒に帰ったのだが、シャルルが一緒ではどうしようもなかった。


これもそれも絶対に弟の悪巧みのせいだ。こいつは使えるものなら何でも使うのだ。俺とエリの間を邪魔しようと本当に小さい時からよく暗躍してくれた。それが大きくなるにつれてどんどん規模が大きくなっていくのだ。


「くっそう! こうなったら、即座に貴族を降伏させてやる。シスの野郎、覚えておきやがれ!」

俺はレッドに飛び乗ると、第五軍を置いてけぼりにして、直ちにサンタルの王都に一人で駆けて、舞い戻ったのだった。



そして、即座に大使館に乗り込むと、

「レトラ、レトラはいるか」

俺は入るなり、あのどうしようもない大使を呼んで叫んでいた。


「これはこれは殿下、お早いお帰りで」

そこにはシャルルの長男のパウルがいた。

こいつはロザンヌ公爵家の中では武官でなくて、異例の文官畑で、今は外交官をやっている。


それも話す言葉が、嫌味だ。こいつはおのれの父が派遣されることなどとっくに知っていたはずだ。俺が一緒に来ることも……


「レトラはどこにいる?」

俺が聞くと

「自室に軟禁しましたが……」

「どこだ。案内しろ」

俺はエリーゼを蔑ろにした、ヘボ外交官に会いに行ったのだ。


「レトラ!」

俺が扉を蹴破るように開けると、


「ヒィィィィ」

そこには、怯えきった顔面蒼白なレトラがいた。


今にも殺されるのではないかと怖れた目で俺を見てきた。


「レトラ、ようく聞け。貴様はこの王都に何年いた?」

「こちらには20年になります」

「そうか、20年か、この国の貴族共のことは良く判っているな」

俺が確認すると

「それは当然でございます」

「よし、貴様にチャンスをやる」

俺はレトラを見据えて言った。

レトラはブルブル震えながら俺を見上げてきた。


「この国は我が帝国が制圧することに決まった」

レトラは頷いた。まあ、そうなることは皇帝の怒りを見たら判るだろう。


「皇帝陛下はいたくお怒りで、エリーゼに狼藉を働いたやつは全て処刑しろとおっしゃっている。お前を含めてだ」

俺はお前という所を誇張して言った。

レトラがそれを聞いて更に恐怖に震えるのが判った。


「レトラ、お前は助かりたいか?」

「いえ、それは助けて頂けるのなら」

レトラが俺の質問に必死に俺を見て答えてきた。


「判った。これから俺の言う通りに出来たら救ってやる」

「ほ、本当にございますか?」

レトラは身を乗り出してきた。


「そうだ。ただし死にもの狂いでやれ」

「はい、何でもやります」

レトラは頷いた。


「明日の12時までに全貴族を王宮に集めろ」

「全貴族をでございますか?」

「そうだ。貴族共には伝えろ。明日、12時に来れば領地は安堵すると」

「それは真でございますか?」

驚いてレトラは聞いてきた。俺の後ろのパウルも驚いているはずだ。


「俺は嘘は言わん。東方10カ国でもそうした」

「しかし、我々はエリーゼ様に酷いことをいたしましたが」

「今回だけは許してやる。寛大にもエリーゼが許してやれと俺に頼んできたからだ。判るか、俺はエリーゼには甘い。それと父の皇帝もだ」

俺は噛んで含めるようにレトラに言った。

レトラが頷く。


「ただし、二度目はない」

「に、二度とエリーゼ様を蔑ろになどいたしません」

レトラはコクコクと頷いたのだ。


「ただし、12時に間に合わなかったものは、所領没収だ。これを直ちに全貴族に伝えろ。1分1秒でも遅れたら、俺直々に行って、その領地を接収する。その時逆らっても万が一にも生き残れないのは王子の末路がどうなったか、見れば判るな」

「はい、それはもう」

俺が脅すとレトラは再度コクコクと頷いた。


「よし、では直ちに大使館の全員で手分けしてやれ。言うことを聞かない奴がいれば俺自身が出向くからすぐに知らせろ。明日の12時には帝国の第五軍が到着する。それに間に合わなかったら帝国の第五軍が攻撃に向かうと伝えるのだぞ。この国の軍隊など第五軍にかかれば瞬殺だ」

「了解いたしました。直ちに貴族を説得に参ります」

レトラは尻に火がついたように飛び出していったのだ。



「宜しかったのですか? あのようなことを認めて。陛下はエリーゼを辱めた貴族の領地を全て没収しろとおっしゃっていらっしゃっていた様に思いますが」

パウルが心配して聞いてきた。


「大丈夫だ。俺がエリーゼの願いを聞いてそうしたと言えば、親父もそれ以上言えまい。それ以上言えばエリに話をさせる」

「まあ、それは陛下もエリーゼに甘いですから」

俺の言葉にパウルはなんとも言えない顔をした。


「なあに、このようなちっぽけな国の貴族がどうなろうと大勢には影響しまい」

俺は真実そう思ったのだ。


「しかし、貴族共は集まるでしょうか?」

疑い深そうにパウルは聞いてきた。

「なあに、その時は攻撃するまでだ」

俺は当然のごとく言い放ったのだ。


「まあ、心配する必要はないだろう。皆ペトラの話を聞いたら堰を切ったように集まってくるさ」

俺は自信たっぷりに言い切ったのだ。


そして、俺の言う通りになった。


大半の貴族がその次の日の12時には集まってきた。


来なかった貴族は既に逃げ去った後だったのだ。


ここに1日でサンタル王国は帝国の領土と化したのだ。


「よし」

俺は直ちに帝都に帰るためにレッドに飛び乗ったのだった。

あのボケナス弟が邪魔する前に、なんとしてでもエリとの仲を進展させないと。

でも、あのボケナス弟は甘くは無かったのだ……


ここまで読んで頂いて有難うございました。

命のかかっている大使は必死に働きました。

次回王宮に帰ったお義兄様を待つものは?

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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