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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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弟が迎えに来て私に抱きついてきて、お義兄様は義父の命令でサンタル王国を制圧しに行かされました

私はお兄様の膝の上で寝てしまったのだ。


そして、昔の夢を見ていた。

私がまだ5歳くらいの頃だ。

「お義兄ちゃま、膝に乗って良い?」

「ええ、またか!」

私の頼みに一瞬お義兄様は嫌そうに文句は言ってくれたが、決して断ることはなかったのだ。


「お願い!」

私が上目遣いにお願いすると、確実だった。

「仕方ないな。でも、エリ、膝の上に乗せるのは将来のお嫁さんだけなんだぞ」

お義兄様は言ってくれた。


「えっ、じゃあ、私がお義兄ちゃまのお嫁さんになってあげる」

私は何も知らずに平気でそんな事を言っていたのだ。


「じゃあ約束だからな」

私達は指切りげんまんしたのだった。

なんか、本当に懐かしい思い出ですっかり忘れていたけれど、そう言えば指切りまでしたんだった。


まあ、子供の頃の笑い話だと私は思っていた。

しかし、場面が代わって


「エリ、子供の時の約束だから結婚しよう」

と、大きくなったお義兄様に跪かれているんだけど……


なんでそうなる?


あの子供の約束は、どう見ても何も知らない子供の世迷言で、笑い話なのだ。

お義兄様は帝国の第一皇子で当然その婚約者はお義兄様に相応しい人がいるはずだ。私みたいな者がなって良い訳はない。


でも、お義兄様は私にグイグイ迫ってくるのだ。


「お義兄様!」

叫んで驚いた私はハッとして目を覚ました。



馬車は止まっていた。


私はまだお義兄様の上にいた。完全に寝入ってしまったらしい。


「起きたか?」

私を見下ろしてお義兄様が聞いてきた。


私が頷いた時だ。いきなり扉が開いてたのだ。


「姉上! お会いしたかったです」

そこには私の弟のシスが飛び込んできたのだ。


「えっ?」

「おいこら、急に飛びついてくるな」

注意するお義兄様の手をかいくぐってシスは私に抱きついてきた。


私はあっという間に目が覚めた。


「シス!」

私も思わずシスを抱き締めていた。


「元気にしていた?」

「はい。本当に姉上にお会いしたかったです」

もう一度シスが抱きついてきたので、私は再度、思いっきりシスを抱き締めていた。


「おい、お前ら俺の上で抱きつくな」

お義兄様の怒った声がして


「ああああ! 兄上、何をしているんですか。姉上を膝抱っこなんてお父さまが聞いたら切れますよ」

シスはそう言うと私を立たせて、馬車から強引に降ろしたんだけど……


「シス、俺とエリの間を邪魔するな!」

「何言っているんですか、兄上! 婚約していない男女が何しているんですか! 姉上。このような野蛮な兄上に近づいてはいけません」

「な、何だと」

お義兄様の機嫌が急降下するが、


「姉上。兄上が怖いです」

私にシスがすがりついてきた。

「お義兄様!」

私がお義兄様を睨みつけた。何しろまだシスは12歳と子供なのだ。子供相手にお義兄様も何を言っているのだ。


「シス、貴様、俺とエリの間を邪魔する気か」

「邪魔するも何も、兄上と姉上は血は繋がっていませんからね。血が繋がっているのは兄弟の中で私だけですから。当然姉上に抱きついて良いのは私だけなのです。兄上は姉上と血が全く繋がっていないんですから、本来姉上に触れてはいけません。姉上もいくら、兄上に助けられたからって節度は守ってもらわないと」

シスが理論整然と私にまで注意して来るんだけど。


「シス、お前少し会わないうちに、屁理屈だけつけるようになったな」

お義兄様が目を吊り上げて更に切れているんだけど、


「お義兄様!。シスはまだ12歳なんですから」

私は再度お義兄様に注意しなければならなかった。お義兄様もこんな子供相手に何を本気になっているのだ!


「そうそう、僕はまだ子供なんです。だからお姉様。お会いしたかったです」

シスが再度私にだきついてきたのだ。


まだシスは完全におとなになっていなくて、身長も私の胸くらいだった。でも、それでも帝国を出た時は9歳だったから、それから比べればとても背が伸びていたのだ。


私の胸に顔を擦り寄せてくるんだけど、私はそのシスが可愛くて再度ぎゅっと抱き締めていた。

なんか私達を見るお義兄様の視線が怖いんだけど……なんで?


「ごめんね。シス、さみしい思いをさせて」

私が謝ると


「本当ですよ、姉上。これからは僕が姉上の面倒を一生涯見ますから」

「何言っているのよ。シス、あなたもいずれ結婚するんだから、あなたにそんな迷惑をかけるわけには行かないわ」

「そうだ。シス、エリの面倒は俺が一生涯見る」

「何言っているのよ。お義兄様。お義兄様の方こそ、お后候補が一杯いらっしゃるではないですか」

私はそう言ったが、その言葉に更にお義兄様の機嫌が急降下するんだけど……


「わーい。姉上に叱られてる」

「煩い。貴様も一緒だろうが」

シスとお義兄様が言い合っていた。本当にこの二人はいつも仲が悪いのだ。


仲が悪く見えるほど実際は仲が良いということもあるけれど、この二人はどうだろう?


「そうだ。兄上。お父さまから軍令書を預かってきました」

「軍令書だと」

お義兄様は弟の出した紙を広げた。


「はああああ! もう一度戻ってサンタル王国を制圧しろだと! 何故俺ばかり働かなくてはならんのだ」

お義兄様は切れたが


「殿下、申し訳ありません。サンタル王国の事をよく知っている御仁を遣わして欲しいと陛下にお願いしたら殿下を推薦されまして」

「伯父様」

私は驚いてその男を見た。公爵家の嫡男で帝国第5軍の総司令官のシャルル・ロザンヌがいたのだ。

歴戦の勇士で実のお父さまの兄だ。お義兄様が頭の上がらない数少ない人間だ。お義兄様も行軍の仕方から野営の仕方まで、伯父様に徹底的に鍛えられたらしい。

「親父め、俺を嵌めたな」

なんかお義兄様は呟いている。


「エリーゼ、また立派になって帰ってきたな」

伯父が私を見て褒めてくれた。

「でも、伯父様、婚姻はうまくいきませんでした」

私が残念そうに言うと


「まあ、その方が良い時もある。ねえ、殿下」

「ああ、まあな」

伯父様がお義兄様を見るとお義兄様は頷いたんだけど。やっぱりお義兄様は私の婚約を良く思っていなかったのだ。

私なりに努力したのに……


「いや、エリ、俺としてはだな」

お義兄様は私の少しムッとした視線を浴びて、慌てて言い訳しだしたんだけど……


「殿下、そう言う事は、サンタルの事を終わらせてからじっくりされればよろしいかと」

横で伯父が理由のわからないことを言うんだけど……

どういう事なんだろう?


「エリ、絶対にさっさと終わらせてくるからな。そうしたら言いたいことがあるから」

「言いたいこと?」

「だから待っていてくれ」

「さあ、殿下、急ぎましょう」

お義兄様はそう言うと伯父様に連れらて行かれた。

お義兄様は私に何が言いたいんだろう?


「さあ、姉上、僕たちも帝都に帰りましょう」

私はかわいい顔をした弟と馬車に乗って帝都に向かったのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

実はお姉様大好きなシスコンの弟の登場です。

可愛い顔して実の弟もいろいろ悪巧みしているかも……


続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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