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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
婚約破棄されました

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戦場で人が死ぬのを初めて見てショックを受けた私をお義兄様は抱き締めてお姫様抱っこをしてくれました

「えっ」

私はその現実をみて、信じられなかった。


そこにいた300人が一瞬で消滅していたのだ。

お義兄様の逆鱗に触れただけで……


「アンドレ……」

そこにはもう誰もいなかった。あのムカつく王子も……

存在しなかったのだ。


私は呆然と立っていた。


「えっ、エリ?」

お義兄様が私の様子を見て驚いてこちらに歩いてきた。


「エリ、どうしたんだ。泣き出して」

お義兄様はとても狼狽していた。


「えっ、泣き出したって……」

私は慌てて目に手を持って行った。


手は涙で濡れていた。


「お前ひょっとして、あの王子を愛していたのか?」

お義兄様が頓珍漢なことを言ってくるんだけど、


「別に愛してなんかいなかったわよ。ほとんど相手にもされなかったし」

私は泣きながら言った。

「じゃあどうして泣いているんだ?」

「判らないわよ。いきなり前にいた人がいなくなって……」

私も戸惑っていた。


「仕方がないだろう。あいつはエリを妾にして可愛がるって言ったんだぞ。そんなの許せるか!」

お義兄様が言うんだけど……


「でも、何も殺すことは無かったんじゃないの?」

「しかし、奴は俺に戦いを挑んで来たんだ。俺を殺そうとしてきたのは向こうだ。戦場に立ったら躊躇することなどできない」

お義兄様のいう事はもっともなのだ。そもそもお義兄様に挑むなんて言う馬鹿な事をしてきたアンドレが悪いのだ。私はお義兄様のいう事がもっともだという事は頭では理解していた。

でも、それと感情が受け入れるかと言うと別なのだ。


「でも、でも……」


お義兄様はそんな私を見て困惑していた。


「レオン、エリーゼちゃんは戦場は初めて何じゃないか? だからショックだったんじゃ……」

トマスさんが横から言ってくれた。


「そうか、エリは戦場は初めてだったのか」

お義兄様の声に私はお義兄様に頷いた。


「それはすまなかったな」

お義兄様が私を抱きしめてくれたのだ。


私は何故かお義兄様に抱かれて涙腺が緩んで、お義兄様の胸の中で号泣していた。


別にアンドレが好きだったわけではないが、人の死というものがよく判っていなかったのだ。


「ただ、エリ、これだけは理解してくれ。知っている奴がいきなり死ぬ。それが戦場だ。でも、剣を抜かれた限り俺も手加減は出来ん」

お義兄様は私にゆっくりと話してくれた。


そう、戦場で戦うという事は、人の命を奪うという事なのだ。

お義兄様のいるところはそういう所なのだ。

お義兄様は剣を向けられた限り、戦うしかないのだ。戦う限り手加減は出来ない。

下手な手加減は油断を生み、それが自分の死につながるのだ。


それは騎士の女神をやる時に、女神の心得としておばあさまからは説明は受けていたのだ。

私は頭の中では理解していたつもりだったが、感情では理解していなかったのだ。


私は泣きながら理解しようとした。すぐには無理かもしれないが、これが戦場なのだ。帝国にいる限り、これは避けて通れないことなのだ。



私が少し落ち着いた時だ。


「よし、出発だ」

お義兄様はそう叫ぶと、そんな私をいきなり抱き上げてくれたのだ。

それもお姫様抱っこでだ。


「ちょ、ちょっとお義兄様、止めてよ!」

私は慌てたが、


「昔は散々、お姫様抱っこしてって言ってたくせによく言うな」

「その話は止めて」

そう、私はお義兄様に良くお姫様抱っこしてって、せがんでしてもらったのだ。

泣かされた後は特にそう言って駄々をこねていた記憶がある。本当に黒歴史だ。


でも、今はもう子供ではない。もう18も超えた、大人なのだ。

それもお姫様抱っこなんて、めちゃくちゃ恥ずかしい!

私は真っ赤になった。


「おろして!」

しかし、抵抗する私はあっさり無視されて、強引にお義兄様は私を馬車に運んでくれたのだ。


みんなの生暖かい視線が私に向けられるんだけど……

恥ずかしくて私はお義兄様の胸に顔を埋めて隠したのだ。

それがどの様に周りから見えるかなんて判っていなかったのだ。


そんな私を馬車の中に入れてくれたお義兄様は降ろしてくれると思ったのに、そのまま、膝の上に乗せて座ってくれたんだけど、何故?


「ちょっとお義兄様、降ろしてよ」

私が文句を言うと


「昔は散々膝の上に乗せろって煩かったくせによく言う」

お義兄様は言うんだけど。


「それは子供の頃でしょ」

私が文句を言っている時だ。


「あっ、失礼しました」

「えっ、アリス!」

アリスは乗ろうとして私がお義兄様の膝の上にいると知って、何故か馬車のドアを閉じてしまった……

私はアリスに助けを求める視線を向けたが、首を振られて、そのまま御者席のセドリックの隣に座ってしまったんだけど、ちょっと、何でよ!


「昔は俺が嫌がっても無理やり俺の膝に乗ってきたんだぞ」

「だからお義兄様の膝の上が何かと便利で」

そうなのだ。居間にあった机が少し高くて子供用の椅子では少し足りずに、お義兄様の膝の上が丁度いろんな物を取るのに都合が良かったのだ。

その時のことを言われても困る。


「俺が膝の上に乗せるのはお嫁さんだけだって文句を言うと、『お義兄様は乱暴だから誰も嫁に来る人なんていないでしょ。私がお嫁さんになってあげるから』ってエリは言ってくれたのに、いきなり、他のやつと婚約するし……」

その頃、私の好きな絵本の中に王子様がお姫様を膝の上に乗せてお菓子を食べさせている場面があったのだ。絶対にあれは子供用の絵本じゃなかったと思う。何故それが子供部屋にあったか良くわからないが……だから、私は結婚する理想の王子様とお姫様はこういう風にするんだと思っていたのだ。

だからませた私はそんな事をお義兄様に言っていたのだ。本当に黒歴史だ。

それを思い出したから私はお義兄様の最後の言葉は聞いていなかった。


「だから、子供の頃の話だって」

私が必死に降りようとジタバタしたが、

「良いから、泣き止むまでここにいろ!」

そう言うとお義兄様は私の口の中に焼き菓子を入れてくれたのだ。

「おひへいさま……」

私の文句は聞き入れられなかった。


結局、お義兄様は降ろしてくれなくて、私は疲れたのかそのまま寝てしまったのだ……

お義兄様の膝の上で……


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

まだまだ話は続きます。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[一言] |「おひへいさま……」 『お義兄様』のルビは『おにいさま』だとずっと思っていたのですが、もしかしたら『おぎけいさま』でしたか?
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