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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
婚約破棄されました

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王都から帰路追手が迫って来ました

久々のランクインに舞い上がっています。

この話読んで頂いて本当に有難うございます

私はお兄様の腕の中で安心してまた寝てしまったのだ。


次に起きた時はもう太陽は結構な高さまで登っていた。


私は慌てて飛び起きた。


寝間着は変なスケスケ寝間着でなくて普通の寝間着になっていた。

アリスが着替えさせてくれたのだろう。


「起きられましたか?」

アリスが部屋に入って来てくれた。


「あ、アリス、着替えさせてくれてありがとう。でも、アリスも初めからこの寝間着があるなら、これにしてくれたらよかったのに!」

私が文句を言うと


「あの寝間着にされたのはお嬢様ではないですか。私は止めた方が良いとお止めいたしましたのに」

アリスにそう言われると私は返す言葉もなかった。


まあ、お義兄様が少しは喜んでくれたから良いか……いや、あれは喜んでいたと言うよりも狼狽していたと言った方がよいけれど、私の裸なんて昔は見慣れていたはずなのに……まあ、それは小さい時だったけれど、あの慌てようは何なんだったんだろう? 

そう思わないわけではなかった。



私は遅めの朝食を食べていたら、お義兄様が慌てて入ってきた。


「すまん、寝過ごした」

お義兄様が謝ってきた。


「ううん、だってお義兄様は私と違って、ずうーっと起きていてくれたんでしょ。その後の処理とかも大変だったと思うし、もっと寝ていても良いのに」

私がそう言うと、


「サンタル王国の動きがわからん。できるだけ早めにここを出て、帝国に向かいたい」

王子を断罪したから、しばらくはサンタル王国も動けないんじゃないかと私は思っていた。国王夫妻も帝国だし。

でも、お義兄様が言うのだ。それに従うしか無い。

まあ、お義兄様は野生の勘が働くから、その言う事は聞いたほうが良いのだ。


昔兄弟で冒険ごっこした時に、お兄様の示した道じゃない道を行くことにしたら、魔物が次々に出てきて、本当に大変だった。そんな時でもお義兄様は余裕で魔物を退治して、なおかつ私を守ってくれたけれど……それ以来こういう時はお義兄様の意見に従うことにしているのだ。



「執事さん、今まで酷いことをされたと疑っていてごめんなさいね。叔父様があんな変質者だとは思ってもいなかったわ」

私は執事さんに謝ったのだ。


「いえ、御主人様。私がもっとちゃんとした証拠を前もって掴んでいれば、きちんとお話出来たのです。私の力不足で大変ご迷惑をおかけいたしました」

執事さんが謝ってくれたんだけど、

「何言っているのよ。あのアパート教えてくれたのも執事さんなんでしょ。本当に何から何まで有難う」

「いえ、私は御主人様のためにしただけですから」

執事さんは謙虚に言ってくれたんだけど。


「今回は世話になったな。もし、何か困ったことがあれば俺を頼ってくれ。力になるから」

お義兄様も言ってくれた。まあ、問題があればお義兄様がなんとかしてくれるだろう。


「まあ、私のことよりも、お二人の方こそ、お気をつけられた方が良いかと。貴族たちが蠢動している気配があります」

執事さんが忠告してくれた。


「まあ、奴らが束になったとて、何か出来るものではないとは思うが。例え、仕掛けてきても俺がいる限り問題はない」

お義兄様が自信を持って言ってくれた。


「まあ、そうとは存じますが、気をつけるに越したことはないかと」

「そうだな。気をつけていこう」


お義兄様は執事にお礼を言って私達は子爵家のタウンハウスを出たのだ。



馬車が走り出した。

これで、サンタル王国の王都ともしばらくお別れだ。

私は感無量だった。結局3年間、アンドレと仲良くなろうとした、私の努力は何一つ実らなかったが、平民の友達はたくさん出来た。王都でレストランも出来たし、まあ、三年間で出きることを私なりにやり尽くしたのだ。


「エリとしては、アンドレと上手く行かなくて、残念だったな」

お義兄様が、慰めてくれた。


「ううん、元々アンドレとは無理だったのよ。王太后様とお婆様が無理やり私とアンドレの仲を取り持っただけで、アンドレは最初から、セリーヌの事が好きだったみたい」

「しかし、この話を持ってきたのはサンタル側だぞ。そんなのは元々、サンタル国内できちんとした後でエリの元に持ってくるのが基本だろうが!」

お義兄様がそう怒って言ってくれたけど、それは私もそう思わないでも無かった。

「まあ、もう終わった事だから仕方がないわよ。次は代理でなくて、必ず本人から意向を聞くから」

私が反省して言うと、

「まだ、他の奴から話を聞くつもりなのか?」

お義兄様が不機嫌そうに言ってくれるんだけど……何をそんなに不機嫌になる必要があるんだろう?

私にはよく判らなかった。


「だって、私もいつまでもお義父様に迷惑はかけられないし」

「俺が面倒をみてやるって言ってるだろう」

お兄様が言ってくれたが、

「お義兄様は私には甘いから、そう言ってくれるかもしれないけれど、私はお義兄様の奥様ににらまれたくないもの」

「俺の嫁の事などお前が気にする必要はない」

私がそう言うと、お義兄様は更にへそを曲げてくれたのだ。


こうなるとお義兄様は頑なだ。

私は不味いと思った。

馬車の中は残りはアリスしかいないし、アリスは空気と化しているのだ。


仕方がない。私は最後の武器を出した。

執事さんが、私に帰りの馬車の中ででも、お食べくださいと私の好きな焼き菓子をくれたのだ。

さすが執事さん。よく私の好みが判ったなと不思議だったけれど。

この味はお義兄様も好きなはずだ。


私はそれを取り出すと、まだ、なにか文句を言いそうなお義兄様の口の中に放り込んだのだ。

「そもそもだな、ウグッ」

お義兄様は驚いた顔をしたが、その菓子を食べてくれた。

「どう、美味しい?」

私はお義兄様の顔を見た。絶対にこの味はお義兄様の好きな味のはずだ。


「まあまあだ」

お義兄様はまだ不満そうに言ってくれた。


「じゃあこれはどう?」

私は別のお菓子を口の中に放り込んだのだ。


これで駄目ならもう一つ入れればよいと思ったのだが、

「まあまあだ」

そう言うお義兄様が私の口にお菓子を放り込んでくれた。


「美味しい」

そのお菓子はめちゃくちゃ美味しかった。


「ほら、もう一つ」

「うーん、これも美味しい」

私はお義兄様に食べさせてもらってご機嫌だった。

この店のお菓子は本当に美味しいのだ。


「はい、お義兄様」

私は今度はお義兄様の口の中に放り込んだ。


こうして食べさせあいしたら、機嫌の悪いお義兄様の機嫌も直るのだ。

やっぱり甘いものはお義兄様にも通用するのだ。


私がいつかアリスにそう言ったら、

「それが通用するのはお嬢様の前だけですから」

とアリスは言ってくれるんだけど、お義兄様は私の前ではお菓子をとても嬉しそうに食べてくれるから、絶対にそんな事はないと思う。


機嫌の直ったお義兄様と食べさせ合っていた時だ。



馬車の窓がノックされた。


「いちゃついている所悪いな」

トマスさんが顔をのぞかせた。


「いちゃついている?」

私はその言葉に固まってしまったんだけど、お義兄様といちゃついてなどしていないんだけど……


しかし、それどころではなかった。


「レオン、後ろから騎馬の群れが来るぞ」

「来たか」

お義兄様は頷くと

「直ちに戦闘配置だ」

お義兄様の合図に騎馬が一団となって後方から来る敵と思われる軍団に対処を始めた。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

誰が追ってきたのか?

続きは明日です。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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