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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
婚約破棄されました

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怒りのお義兄様の前に王子は断罪されました

「俺の名前はレオンハルト、帝国の第一皇子だ」

お義兄様の言葉に会場は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。


「えっ、帝国の第一皇子殿下って、なんで、エリーゼのお兄様がそうなるの?」

「何言っているのよ。エリーゼって帝国の皇室の出よ」

「でも傍系だって言っていなかったっけ」

「それはエリーゼのお父さまの出身のロザンヌ公爵家の話よ」

「でも、第一皇子殿下の妹っていうことは皇女様なの?」

「エリーゼのお母様が、お父さまが亡くなられた後に皇帝陛下の妻になられたそうよ」

「それよりも、レオンハルト様っていうと、確か東方十カ国を2年間で制圧したっていう狂犬皇子様?」

「違うわよ、今は恐竜皇子よ」

「恐竜?」

「何でも10万の大軍に1人で突撃して全軍を殲滅したそうよ」

「えっ! たった一人で10万もの軍勢を!」

「そうよ。その暴れる様が太古に生息していた恐竜にそっくりだったんだって」

「じゃあ、私達はどうなるの?」

「恐竜皇子を怒らせたら、命がないわよ」

「そんな! 逃げないと」

皆が恐慌した時だ。


「ええい、静まれ! 第一皇子殿下の御前であるぞ。全員跪くのだ」

トマスさんが号令をかけてくれた。


その一言で、逃げようとした貴族の子弟の面々が慌てて跪いた。

騒いでいた私のクラスメイト達もそれを見て続いて跪いた。

更には私達に敵対しようとしていた王国の騎士たちも青くなって全員跪いていたのだ。


私も跪こうとして、お義兄様に抱きとめられてるんだけど……

皆跪いているんだから、私も跪こうとしたのに……一人だけ立っていたらめちゃくちゃ目立つじゃない!

私はお義兄様を睨んだけど、お義兄様は離してくれそうになかった。


一方の私達を糾弾していたアンドレ第一王子は、お義兄様の正体を初めて知って完全に腰を抜かしていた。

「そ、そんな、馬鹿な……何故、帝国の第一皇子がこんなところにいるんだ? 今も東方諸国にいるはずでは……」

とか、ぶつぶつ呟いている。


「それは可愛い妹の卒業パーティーがあると聞いたからな。何はさておいても駆けつけたのだ」

お義兄様が王子の独り言に答えていた。


「エリーゼが、可愛い妹だと? 皇族の中の単なる妾の連れ子じゃ無いのか?」

そう王子が言った瞬間だ。


王子の真横をお義兄様が放った爆裂魔術が走った。


ドカーン


遠くで爆発する。


「母上を侮辱するな! その言葉二度と使えば次は無いぞ」

お義兄様の怒りに王子はコクコクと頷くことしか出来なかった。

「エリーゼの、いや我ら皇子全員の母上は、確かに生きておられる間は、我ら皇子3人の生みの母に遠慮なさって皇后を名乗られなかっただけだ。お亡くなりになった後に、父の皇帝から皇后の称号を追賜されている。我ら皇子3人も母上にはとても世話になっているのだ。帝国において母上のことをそんな言葉で呼べば、不敬罪が適用されるぞ。貴様はそんなことも知らんのか!」

お義兄様はそう言うけれど、それは帝国民なら皆知っていることだけど、属国までは知られていなかったのかもしれない。


「お母様の身分が低くて苦労なさったのね」

と貴族連中から嫌味ったらしく良く言われたのだが、お義父様の所にお母様が嫁いだ時は、既に先の皇后様はお亡くなりになっていて、お義父様の正妻はお母様しかいなくて、私は決して肩身の狭い思いはしていないのだ。兄達3人も本当に良くしてくれたし。私達は本当の兄妹のように過ごしたのだ。


「そもそも属国の王子風情が我が妹エリーゼを呼び捨てにするなどおこがましすぎるわ。

その言動から言ってエリーゼの父が帝国の英雄、剣聖バージルだと知らぬのだろう」

王子はキョトンとしているが、王国の騎士たちの中で動揺が起こった。

そう、私の父は生きている時から帝国の英雄で、全ての騎士の目標だったのだ。私はその一人娘で、私の出自をとやかく言う者など、王宮は元より帝国内にも一人もいないはずだった。


「15年前に我が帝国軍は東方諸国の奇襲攻撃に遭い、殲滅の危機に陥った。その時にただ一人で敵の大軍を引き受けて戦死したのが、エリーゼの父親、剣聖バージルだ。

父は未だにその事に感謝しているし、帝国軍の多くはその事を忘れていない。

エリーゼに無礼を働くということは我が帝国軍に喧嘩を売るに等しい。それを貴様らは理解していなかったのだろう」

お義兄様は全員を見渡してくれた。私にイジワルをしたり、酷いことをした貴族達は青い顔をしている。


「それに、エリーゼ自身が12歳の時から3年間、帝国の騎士の叙任の時の女神役をしているのだ。帝国の騎士の多くの者の叙任の時の女神がエリーゼなのだ。この意味が判るか?」

お義兄様は騎士たちを見た。その言葉に真っ青になっている騎士もいた。


「エリーゼに何かあれば我が帝国の大半の騎士が駆けつけるだろう。そうなれば、このサンタル王国など即座に制圧されてしまうだろう。言動にはくれぐれも注意することだ」

騎士や貴族の子弟たちの中には青さを通り越して真っ白な顔をしている者もいた。


「そのように帝国で大切にされているエリーゼが、そもそも属国に過ぎないこのサンタル国に来るなど本来は有り得ないのだ。そこのくず王子など、本来ならば婚約者候補にすら上がらなかっただろう」

お義兄様の声に王子は青くなるしか無かった。


「エリーゼの母上の故郷がこのサンタル王国であるという理由とその母上の母、エリーゼの実の祖母と貴様の祖母の王太后が泣いてサンタル王国に嫁いで欲しいと三顧の礼をして頼み込んだから、エリーゼが折れただけだ。それも俺様のいない間にだ! 俺はこの件で未だに父を許していないがな」

なんかお義兄様が不吉なことを言っているんだけど……何か王宮でお父様とやり合ったんだろうか? 王宮が酷いことになっていなければよいのだが……私は不吉な予感しかしなかった。


「ただ、父自身の認識としてはエリーゼにこの国の3年間の留学を許したという認識しかないそうだ。婚約の話は卒業後改めて、貴様らの王子自らが帝国に馳せ参じた上で決めると親父は言っていたからな」

更にお義兄様が不吉なことを言い出したんだけど……


まあ、どちらにしろ、お義父様は私が王子から婚約破棄されたと聞けば怒り狂うことは確実だった。そもそも今回の婚約の件はサンタル王国側から我が帝国に頼み込んできた案件なのだから。この件はお義父様も、父の実家の公爵家のお祖父様も、元々大反対だったのだ。


それを王国側の熱意に私が負けて受けたのだ。


お義父様の頭の中では嫌がる私を無理やり王国側が泣き落として連れ去ったという認識なのだ。その私がこんな扱いを受けているなんて知った日には怒り狂ってこの国を攻め潰すように軍を動かす可能性は十二分にあったのだ。

そう、私が婚約破棄されたなんてお義父様が知ったら絶対に軍を動かす。


私はお母様が愛したこの国の存続のために、どうやって誤魔化そうかと頭を悩まし出したのだ。

でも、それはもう遅かったのだ。


ここまで読んで頂いて有難うございました。

王国の運命やいかに?

続きは今夜です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[一言] いちいち主人公の父親の設定を長々説明してる王子が間抜けすぎて笑えない。
[気になる点] いちいち父親の設定を長々説明してる王子が間抜けすぎて笑えない。
[良い点] 好きな話です。 突然の婚約破棄に対し、突然出てきた誰かの救済ではなく、しっかりとヒーローが出てきてからの救済であるのが、しっくり来る。 ドッキリは受け入れる側の準備が大切です! [気になる…
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