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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
婚約破棄されました

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お義兄様が私の卒業パーテイーを最初からめちゃくちゃにしてくれたので思いっきり足を踏んでやりました

会場内に入ってもお義兄様の傍若無人ぶりは相変わらずだった。


基本は立食形式だが、後ろの方に食べるためのスペースが有り、そこにでんと座ってくれたのだ。


そして、まだ、式典も始まっていないのに食べ物を取り出したんだけど……


「ちょっとお義兄様。まだ式典も始まっていないのに、いきなり食べだすのは止めてよ……ムガッ」

更に文句を言おうとした私の口の中になんとポテトを放り込んでくれたのだ。


「何してくれるのよ」

私が怒って文句を言うと、


「これでお前も同罪な」

なんかとんでもないことをお義兄様は言ってくれた。


「えっ! 無理やり人の口に放り込んでくれたのお義兄様じゃな……ムグッ」

また、人の口の中に放り込んでくれた!


「そうか、エリはせっかく俺が来てやったのに、国王自ら出迎えないとは何事だと叫びだしても良いのか?」

お義兄様が不敵な笑みをしてくれるんだけど……


「それは困る」

さすがの私も頷かざるを得なかった。


「でも、それとこれとは話は別よ。相手が礼を失したからと言ってこちらが礼を失してよいという話は無いわ」

私がお義兄様に言うが、お義兄様は平然と食べているんだけど。


「お義兄様。まさか、他国でも同じことをしているんじやないでしょうね」

「さすがエリーゼちゃん。良く分かっている」

トマスさんが頷いてくれたんだけど。


「どういう事?」

私がお義兄様を睨むと、お義兄様は明後日の方を見てくれた。


「こいつ、テルナン王国で会談の場に国王ではなくて代理の外務卿が来たっていうだけで切れてくれて」

「当たり前だろう。俺様がわざわざ出向いてやったんだぞ。そのまま攻め潰しても良いのに。そこに出てきて膝を屈すればよかったものを代理なんて寄越すから」

「そのまま、攻め潰したの?」

私は呆れて言った。


「お義兄様。帝国内では良いけれど、他国では何を思われるか判らないから、最低限の礼儀は守ってっていつも言っているでしょ」

私が怒って言うが、

「ふんっ、あいつらが守らないのが悪い」

お義兄様は平然としているんだけど……


「相変わらず、仲の良いご兄妹ですね」

遠巻きにしていた私のクラスメイトのシャロットが寄って来た。


「何処が仲がいいの……むぐっ」

私が切れた所にまた、お義兄様がポテトを口の中に放り込んでくれた。


「まあ、本当に仲のよろしいことで」

生暖かい目でシャロットが言ってくれた。


「良くない」

私が反論するが、


「だって見ていたわよ。『ヘモジ亭』でお二人で仲良さそうに食べさせ合う姿を。何処のカップルだって皆噂していたわよ」

シャロットが皆にバラしてくれるんだけど……


「えっ、別に食べさせ合いって、兄弟で普通にやるでしょ。私弟にも良く食べさせていたし」

そう、弟のフランシスは本当に可愛くて、小さい時は私は食事の時はできる限り食べさせていたのだ。


「それは小さい時でしょ。大人になってまでそんな事しないわよ」

「えっ、そうなの?」

私は知らなかった。昔から私はローレンツお義兄様にも、マルクスお義兄様にもケーキとかを良くもらっていたのだ。その時は食べさせてくれていた。

流石に最近は無かったけれど。それに会っていなかったし。

だからお義兄様にも昔のように普通に食べさせをやっていたのだ。

でも、それが普通でないなら、止めたほうが良いのか。

私が思った時だ。

「お、ムグッ」

私の口の中にまたお義兄様がポテトを放り込んでくれたのだ!


「何してくれるのよ」

私がムッとして言うと


「良いじゃないか、エリ。別に俺とお前は血が繋がっていないんだから、結婚しようと思えば出来るし」

「えっ!」

私は固まってしまった。と言うか、そんな事は考えたこともなかったのだ。

それは確かに、私達は血は繋がっていないけれど、お義兄様はお義兄様で……


「キャー」

「禁断の愛」

「エリーゼやる」

「私なら、あんな見目麗しいお兄様がいるなら、血が繋がってても良いわ」

外野がキャーキャー煩いんだけど。

その騒ぎで、王子殿下が入場してきたことなど私達の周りは全く見ていなかったのだ。



「貴公等殿下のご入場なのに何故立ってお出迎えしない」

傍の伯爵令息が注意してくれて、私達は王子が入場したことを初めて知ったのだ。

私は慌てて立とうとしてお義兄様に止められた。

「えっ」

私はお義兄様を睨みつけたら首を振られた。


「何を言う。本来王子ならば、皇帝陛下の代理であるエリーゼ様をお出迎えせねばならぬ立場であろうが。それが遅れてくるなど言語道断。この事を陛下が知られれば激怒されることであろうよ」

トマスさんが大声で叫んでくれたんだけど。


えっ、トマスさん、それを今言う!


私は唖然とした。


皆も驚いて私を見てくれた。


それはこんなことが知れたら激怒するのは判るんだけど、そんな事したらこの国が滅んじゃうじゃない。私は焦った。


「まあ、そう言うな、トマス。第一王子としてもいろいろと予定があったのだろう」

お義兄様がそう言ってくれたんだけど、絶対にこの顔は碌な事を考えていない。元々静かにしているって言う約束だったのに! もうすでにめちゃくちゃじゃない!


もう二度とお義兄様は連れて来ない! 私は心に決めたのだ。


「婚約者のエリーゼ様をほっておいてですか」

トマスさんが更に言ってくれた。

まあ、それは事実だ。このクソ王子に確かに思うこともある。

でも、私は母の愛したこの国をまだ、滅ぼしたくなかったのだ。


「まあ、その言い訳は後できっちりとつけてくれるだろう」

お義兄様が王子を不敵な笑みで睨んだんだけど……


ど、どうしてくれよう。絶対に帰ったらお義兄様にお仕置きしてくれる。

約束破ってくれた罰だ。というか、これ以上話してほしくない。

私はお義兄様の口を塞ごうとしたのだ。


「学園長。遅れてきたやつが揃ったのなら、さっさと早く始めてくれ」

でも、その前にお義兄様が叫んでくれたのだ。何、その傍若無人な言い方。お義兄様は完全に私と王子を破綻させる気満々じゃない!

一応、この3年間私なりに頑張ってきたのに!


ムカついた私は次の瞬間、お義兄様の足を思いっきり踏みつけていた。


「ギャッ」

お義兄様が叫んで足を押さえた。


周りの騎士らが頭を押さえてくれたが、知ったことじゃないわよ!


ここまで読んで頂いて有難うございました。

そろそろ断罪シーンに突入です。

明日の一回目の更新は朝8時前後か、遅くても昼頃する予定です。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらえたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

― 新着の感想 ―
お兄様とか騎士の言ってること当たり前じゃない? 属国だしいくら王子とはいえ帝国よりは立場は下じゃん? マナーとして当たり前よ?
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