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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
婚約破棄されました

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サンタル王国王子視点2 地味女の兄と称する男もあまりに目に余る事をしてくれるので地味女と一緒に断罪することにしました

昨日なろうのメンテナンスが伸びた影響で前話が深夜更新になってしまいました。

まだの方は前話お読みになってからお読みください。

「これは殿下、ようこそ、我が屋敷に」

俺はセリーヌを迎えにモンテロー公爵家に行ったところでその父の公爵に迎えられたのだ。


「これは公爵。久しいな。国境沿いの領地は結構大変か」

「いえいえ、最近は帝国の連中が魔物を狩ってくれておりますからな。結構助かっております。帝国としては余程エリーゼ様が大切なのだと思いますぞ」

「まさか、皇族の妾の連れ子にそこまで固執はしまい」

俺は、公爵の言葉を否定した。


「左様でございますか? エリーゼ様は帝国では結構大切にされていたと聞いたことがあるのですが……」

「そのような事はあるまい。帝国の大使が所詮妾の連れ子だと馬鹿にしておったぞ」

「左様でございますか。私の勘違いならよろしいのですが。

帝国の皇帝陛下がそれほど大切にしているエリーゼ様の代わりに、殿下が我が娘をエスコートなどして頂いてもよろしいのかと少し不安に思っておりましたので」

公爵が多少不安そうに言ってくれた。


「そこは大丈夫だ。皇帝としても今は亡き皇族の妾の娘をこの国に厄介払いできて清々しているそうだと、帝国の大使が申しておったからの」

「そうですか。それを聞いて臣も安心いたしました」

心の底から安心したように公爵が申してくれた。


「アンドレ様」

そこへ、真っ赤な衣装に身を包んだセリーヌが現れた。


セリーヌは本当に赤いバラのように可憐できれいだった。


「セリーヌ、今日もきれいだ」

俺はそんなセリーヌに微笑みかけたのだ。



「ありがとうございます。アンドレ様もとても素敵です」

俺達は寄り添うように馬車に乗ったのだ。


やはりセリーヌのほうが、あの野暮ったいエリーゼより余程俺には相応しい。


そんな可憐なセリーヌを守るためにも、俺は予定通り、エリーゼを婚約破棄して断罪するつもりでいた。

そのために今日は近衛騎士をいつもの倍の20人も引き連れて来たのだ。例え破落戸のような兄がいても二十人の近衛騎士の前には手も足も出まい。

しかし、俺の考えが甘かったのは、学園に着いた時に判った。



馬車が王立学園に着いた時だ。


いきなり馬車が止まったのだ。


俺は前の椅子に投げ出されていた。


「大丈夫か?」

一緒に投げ出されたセリーヌを抱き起こすと顔を椅子にぶつけたみたいで、赤くなっていた。


「何をしているのだ」

俺が馬車ののぞき窓から御者を怒鳴りつけると

「それが殿下、いつもの場所に別の馬車が止まっておりまして」

動揺した御者が言う。


俺が慌てて、外を見ると俺の騎士が揉めていた。

扉を開けて外を見ると、その前には帝国の騎士がいた。


「貴様ら、どういうつもりだ。ここはアンドレ殿下の馬車の位置だぞ」

「何を言う。当然ここは、皇帝陛下の代理人たるエリーゼ様の馬車の位置だ」

我が方の騎士に生意気にも帝国の騎士が反論してきたのだ。それもあの地味なエリーゼが俺よりも上だと帝国の騎士が叫んでいるのだ。

何という事を言っているのだ。何故、皇族の妾の娘がこの由緒正しきサンタル王国の世継ぎたる俺よりも上になるのだ。これも、ヤクザなエリーゼの兄の入れ知恵か!


俺は怒りのあまり頭が沸騰しそうになった。


いかん、いかん、大事の前の小事だ。ここで騒ぎを起こすわけにはいくまい。俺は深呼吸をした。


ふんっ、帝国の騎士も所詮田舎者だ。俺が一言話せば恐れ入って馬車をどけるだろうと俺は思ったのだ。


「帝国の騎士とやら、私はこの国の第一王子だ。そこを空けてもらえないか、降りられないのだが」

俺は尊大な態度で言ってやったのだ。


「左様でございますか。横にでも止めて降りられれば宜しかろう」

なんと生意気なことに騎士風情がこの国の跡継ぎの俺様に平然と反論してきたのだ。俺には信じられなかった。さすがの俺様も切れた。


「な、何だと、貴様。騎士風情がこの国の第一王子の俺に反論するのか」

「申し訳ないが、これは皇帝陛下の直命である。文句があるのならばそちらの国王から陛下に奏上されれば宜しかろう」

なのにだ。この騎士は傲然と俺様に反論してきたのだ。我が国の騎士ならばその言動だけで処刑ものだ。こいつらはそこまで我が国を馬鹿にしてくれるのか!


「な、何だと、貴様、第一王子殿下に逆らうのか」

平然と言い返してきた騎士達に我が方の騎士たちがいきり立った。


「ほううう、やるのか。我らに手を出すのは帝国への反逆と取るがそれでよいのだな」

一人の騎士がそう言うと剣の柄に手を当てたのだ。

残りの3人の騎士もそれに続いたのだ。


この騎士四人にこちらの騎士は20人。勝てないことは無いが、ここで、問題を起こすと、さすがに、後の断罪に響く。ここは我慢することにしたのだ。なあに、会場には騎士を連れて入れないはずだ。エリーゼを断罪収監するのは容易かろう。下手に騒ぎを起こしてエリーゼに逃げられたらたまったものではない。俺はここは我慢することにしたのだ。


「止めよ」

俺は騎士たちを抑えた。

そうしながら俺は屈辱を耐えていた。

おのれ、エリーゼめ。帝国の威を借りやがって、もう許せん。こうなったら絶対に断罪してやる。俺は心に誓ったのだ。



「殿下、よろしいのですか」

セリーヌが驚いて言ってくるが、

「ここは、我慢するのだ。この借りは後で必ず返す」

俺はセリーヌに説明してやった。


俺は馬車を帝国の馬車の後ろに止めさせたのだ。


そして、俺達は会場内に入った。


普通は王子の俺が入ると全員立ち上がって迎えてくれるはずなのだ。

なのに、貴族たちは立ち上がってくれたのだが、真ん中の連中が全く立ち上がろうとしないのだ。


温厚な俺も流石にムッとした。

周りの騎士たちはオロオロしている。

中心にはいかにも威張った男がエリーゼを横にして談笑していた。


そして、その後ろには屈強な感じの帝国の騎士を6人も引き連れていたのだ。


何処の誰だ。帝国の騎士を学園内に入れるのを許可したのは!

これでは事はすぐに起こせないではないか!

俺はブチギレた。



「貴公等何故立ってお出迎えしない」

傍の伯爵令息がやっと言ってくれた。


「何を言う。本来王子ならば、皇帝陛下の代理であるエリーゼ様をお出迎えせねばならぬ立場であろうが。それが遅れてくるなど言語道断。この事を陛下が知られれば激怒されることであろうよ」

騎士の一人が大声で叫んでくれたのだ。


貴族たちはぎょっとした顔をしているが、何故、エリーゼが帝国の皇帝の代理などになれるのだ。

俺は余程言い返してやろうかと思った。


「まあ、そう言うな、トマス。第一王子としてもいろいろと予定があったのだろう」

俺はその兄とやらを睨みつけた。こいつ、この国の王子の俺を敬語なしで語ってくれた。この国の王子たる俺を!


「婚約者のエリーゼ様をほっておいてですか」

その騎士は生意気にも更に言ってくれたのだ。


「まあ、その言い訳は後できっちりとつけてくれるだろう」

傍若無人な男が笑ってこちらを見てくれた。俺はその鋭い視線に一瞬ヒヤリとした。

それほどの威圧感だったのだ。


しかし、その思いも次の瞬間には飛んでいた。


「学園長。遅れてきたやつが揃ったのなら、さっさと早く始めてくれ」

男は傍若無人にも言い放ってくれたのだ。


俺はこの国の第一王子だ。こんな失礼な対応をされたのは生まれて初めてだった。


さすがの俺も怒りで怒鳴りつけそうになった。


「殿下」

横にいたレトラが押さえてくれた。

そうだ。今日は断罪にレトラも加わってくれるのだ。

もう良い。こうなったら、エリーゼもろともこの伯爵を騙った詐欺男も断罪してやる。

俺は決断したのだ。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

怒り狂った王子の前にエリーゼの運命や如何に?

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://book1.adouzi.eu.org/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://book1.adouzi.eu.org/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://book1.adouzi.eu.org/n9455ip/

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