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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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第一駐屯地(3)

 その言葉を発すると同時に、エメラルダの体が金色に輝いた。

 球体状の光がエメラルダを瞬時に包みこむ。

 この光、騎士が持つスキル「騎士の盾」。

 絶対防壁と言うだけあって、いかなる攻撃も通さない。

 騎士の体に危険が及ぼうとすれば、騎士の盾がその身を守るために発動するのであった。

 しかし、その力も永遠と言うわけではない。

 その力の源泉は、神民の生気。

 エメラルダが従える神民の生気を糧として、その盾が輝いているのである。

 すなわち、神民の生気がつきれば、盾の輝きも尽きる……

 まぁ、その前に新たな神民を補充すればいいだけの事なのであるが。


 バキィン!

 エメラルダの騎士の盾から金色の火花が上がった。

 そう、アルダインもまた、同じように金色の球体に包み込まれていたのだ。

 そんな光が、エメラルダの騎士の盾とつばぜり合いを繰り広げていたのである。


 その騎士の盾の中でアルダインは苦虫を潰したような顔をしていた。

 ――やはり……厄介なのはこの騎士の盾よな……


 そんな二人の横に立つネルが、慌てる様子もなく静かにつぶやいた。

「エメラルダさま……御前会議の時間です……」

 それを聞くエメラルダが大きく深呼吸すると騎士の盾も消えていく。


「やっと終わったか!」

 円卓の上に足を乗せて事の次第を見守っていた大柄な男のが声を上げた。

 この男、第三の騎士 レモノワ=キラー、残虐非道を好む性格破綻者である。


「いつもいつも、いい加減にしないか! これでも私は忙しいのだ!」

 エメラルダの隣に座る女が声をいら立たせていた。

 この女、第五の騎士 アグネス = ハイトラー、一本気で堅物な女騎士である。


「アルダイン様……こんなところにホコリが……」

 騎士の盾をおさめたアルダインの肩から、わざとらしくホコリをつまみ上げる男。

 そう、第八の騎士 セレスティーノ = ペドロルロ。説明は不要か……


「しかし、御前会議というのに、この頃、王の姿が見えませんが……」

 今だに空席となっている玉座を見ながらひとりの青年が不思議そうに首をかしげていた。この青年、第二の騎士 クロト = メンジェントル。融合加工院の主任技術者にして、タカトの憧れのその人である。


 そんなクロトの質問を聞きながらアルダインは、たいぎそうに自分の椅子に腰かけた。

「あん? 王か? 王はあの日だよ! あの日! 女の子の日!」

「貴様! 我が王に向かって何をふざけたことを言っているのだ!」

 アグネスが机を思いっきり叩き怒鳴り声をあげる。

 そんなアグネスを制止するかのように、アルダインの横に立つネルが口を挟んだ。

「王は……少々具合が悪いということで、伏せておられます」

 だが、納得がいかないアグネス。

「不老不死の王が病とでもいうのか!」

「いえ……病ではありませんが……どなたにも会いたくないと……」

「わが王に限ってそんなことは、ありえるはずがない! 国民の事を第一に考えるお方だぞ!」

「事実です……それ以上は、私たちも、深く伺う訳にはまいりませんので……」

 めんどくさそうにアルダインが口を挟んだ。

「だから、女の子の日なんだって! お前も、心当たりがあるだろうが! もしかして、そのイライラは今日がその日か?」

「貴様ぁ! ふざけているのか!」

 アグネスはアルダインをギロリと睨み付ける。

「ふざけているのはお前の方だ! 王が会いたくないといえば会わない! それが掟だろうが!」

「くっ……しかし……」

「わしの言うことが信じられんのか? この宰相であるワシの言うことが……」

「いえ……おおせのままに……」

 アグネスは唇をかみしめながら席にしぶしぶ座った。


 そんなアグネスとエメラルダを見比べながらアルダインはいやらしい笑みを浮かべる。

 ――気の強い女もいいが、まずは、あの巨乳じゃな。しかし、手籠めにしようにも騎士の盾が邪魔よな……なにかいい方法はないものか……


 そんな一幕の噂を聞いたヨークは思うのだ。

 アルダインはエメラルダの美貌を自分のモノにせんとしているのだろうか……確かにあのエロジジイならやりかねない。

 だが、それよりも何かに勘づいたエメラルダを、排除、または、支配下に置こうとしているように思えてならない。

 そんな自分の不甲斐ない戦いが、もしかしたらエメラルダを責める口実になりかねなかったのだ。


 ――俺がもう少し強ければ……

 ヨークは、黙ったまま下を向き続けていた。


「ちっ! 無視かよ。第六の神民様は、お偉いようで」

 ヨークを覗いていたジャックは吐き捨てた。

 どうやらヨークの反応が無さすぎて、またもや飽きてしまったようなのだ。

 そんなジャックは、高笑いをしながらヨークを背にし離れていく。

「第六の門はこんなやつでも魔装騎兵として認めてくれるのか。よほど人材不足なんだなwww」


 ジャックの肩越しに投げ捨てられた魔血タンクがゆっくりと弧を描き、ヨークの肩にあたって落ちた。

 乾いた音を立てながら地を転がる空のタンク。

 そんなタンクを見ながら、うつむくヨークが唇をかみしめ、小さくこぶしを震わせていた。

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