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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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鑑定の神はおばあちゃん?(2)

 では少し時間を巻き戻そう──はい、巻き戻しスタート!

 キュルキュルキュル……(※ビデオの巻き戻し音)

 ガチャ! シーン切り替え、完了!


 ゴミ箱の中から救出されたベッツは、怒り心頭の父・モンガに首ねっこをつかまれ、

 そのままズルズルと──いや、ガッツリ引きずられて、

 自宅、ルイデキワ家の居間へと強制送還されていたのであった。

 「ベッツ! 覚悟しろよ! 今からばあちゃんの説教タイムだ!」


 そこは、少し薄暗い12畳ほどの畳の部屋。

 畳の香りではなく、鼻を突く安物の香水と、黄色く淀んだタバコの煙が漂っている。


 床の間を背に、女がふんぞり返っている──いや、「椅子に座っている」と言いたいところだが、

 その「椅子」、よく見ると若い男だ。

 四つん這いになった彼の背中に、女がドカッと腰を下ろしている。


 しかも両脇には、膝をつく二人の男が、まるでお供え物を捧げるかのように太い腕で支えているではないか。


 なんだこの光景は?


 まぁ……こんな女王様系のシチュエーション、美魔女なら絵になるが、残念ながらこの女はブ魔女だ……

 おそらく60歳くらい。


 豊満なボディで作られた三段バラは、煙草を吸うたびにプルンプルン揺れている。


 え? 背もたれはどうしたって?

 背もたれは横の男の首に巻きついているから、必要ないらしい。

 巻き付かれている男はたまったものではないが。


 この女の名前はペンハーン=ルイデキワ。

 ベッツのばあちゃんであり、モンガの母親だ。


 挿絵(By みてみん)


「なんだい! もうすぐ昼飯だってのに、うるさいねえ!」

 ペンハーンがうっとおしそうに、入り口の障子に目を向けた。


 モンガはベッツの頭を押さえ、その場に無理やり座らせようとする。

 モンガはベッツの頭を押さえつけ、無理やりその場に座らせようとする。

「母ちゃん、聞いてくれよ! ベッツがな、半魔の奴隷女を連れ出して、宿場町に魔物を呼び寄せちまったんだ。

 しかも、そのせいで町中、人魔だらけになっちまったんだぜ!」


 ペンハーンの目がギラリと光り、あぐらをかくベッツを鋭く睨みつける。

「ベッツローロ、それは本当かい?」

 そうそう、ベッツの本名はベッツローロだった。忘れてたよ。


 ベッツは小刻みに震えながらうつむき、何も言わない。

 ……この婆ちゃんに怒られるのが怖いのだろうか。

「ベッツローロ! 黙ってたらわかんないじゃないか!」

 震える唇がようやく動く。

「俺は、ちょっと半魔の女を連れ出しただけだよ……あとのことは、俺のせいじゃないし……」


 それを聞いたペンハーンの目がにこやかに変わった。

「そうかい、そうかい。やっぱりベッツローロは悪くないね」

「そうだろ、ばあちゃん!」

 ぱっと明るくなったベッツの顔が、一気に跳ね起き、押さえつけていたモンガの手をはねのけた。


 ペンハーンはニコニコと続けた。

「なんてったってベッツローロはうちの『おでん組』のセンターなんだからね。それぐらいのことは大目に見てあげなよ、モンガ」


 おでん組とは、ペンハーンがプロデュースする全く人気のでない男性ユニットのこと。

 メンバーはベッツのほかに以下の三人──

 ・コンニャ(とにかくやかましい、顔芸担当)

 ・スージー(スケベは美学、純情派)

 ・玉五郎(三拍子揃って売れないオカマ)


 そして今、ペンハーンが尻に敷いている男たちや、両脇でひじ掛けにされているのも彼らなのである。


 モンガは口からツバを飛ばしながら泣きわめいた。

「母ちゃん! そうはいっても、宿場町はもうめちゃくちゃなんだよ!」

「それくらいなんだい! うちのおでん組があのアイナに勝ってヒットチャート独占すれば、簡単に回収できる金額だよ!」

「母ちゃん……おでん組じゃ、あのアイナには勝てないって……しかも、アイナは調子に乗って長期休暇中らしいぜ……」

「モンガ! 何言ってんだい! それはウチに負けを認めろって言うのかい! あのいまいましい金蔵座久夜(さくや)に頭を下げろっていうのか!」


 ペンハーンが鬼のような形相でモンガとベッツを睨みつける。

 ひぃぃぃぃ!

 すでに生きた心地がしないモンガとベッツ。


 というのも、ペンハーンは何かと金蔵勤造の妻、座久夜(さくや)を目の敵にしているのだ。

 今や、その座久夜(さくや)がプロデュースする人気アイドル・アイナが聖人世界のヒットチャートを独占している。

 だが、アイナはトップアイドルの座を不動のものにしたと思った矢先、写真集「ラブレター」を最後に、

「ちょっとの間、普通の女の子に戻ります♥」と言い残して表舞台から姿を消した。

 それでもアイナの人気は衰えず、いまもあらゆる場所で彼女の歌や写真が流れているのだ。


 これを快く思わないペンハーンは、男性ユニット「おでん組」を結成し対抗しているが、

 世間の反応は冷たい風のよう。まるでこの小説のPV数のように。

 ちっ!


 ――座久夜(さくや)の奴……今頃、余裕ぶっこいて医療の国にいるというじゃないかい……

 おそらく、休暇と言いながら、医療の国での芸能活動をもくろんでいるに違いない!

 ウチの目はごまかせない! 座久夜さくやぁぁぁぁぁぁ!

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