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①俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます 一部一章 ~スカートめくりま扇と神様ヒロインのエロ修羅場!?編~  作者: ぺんぺん草のすけ


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金貨をどう使うかは俺の自由だ!(5)

 タカトは人魔チェックの陰性の検査結果を守備兵に見せていた。

 それを確認した守備兵は忙しそうに手を振り「通っていいぞ!」と次の奴隷たちの検査結果を確認し始めた。


 そんな時である。

 タカトのもとに一人の仮面をつけた男が歩み寄ってきたのだ。

「少し聞くが……君の名前は天塚タカトかい?」

 どう見てもその風貌はあやしい。

 当然タカトは無言のまま身構えた。

 なんか、返事をしたとたん殴られるような気がしたのだ。


「もしかして? 仮面ダレダ―2号?」

 しかし、タカトの隣に座るビン子は目をキラキラさせていた。

 ――きゃぁぁぁ! もしかしてこれは仮面ダレダ―ショーのパフォーマンスかなにかかしら?

「そうとも! 俺は仮面ダレダ―2号! 正義の名のもとに悪の怪人に天誅を下すおとこ!」

 仮面ダレダ―が格好良く決めポーズを決める。


 ――仮面ダレダ―2号ってだれだぁ~?

 一方、タカトはダレダ―の事を全く気にしてない様子だった。

 大体、仮面ダレダ―なんて、お子ちゃまの見るモノ!

 既にアイナちゃんという立派なアイドルオタクに成長したタカトにとっては、すでに、仮面ダレダ―2号など遠い過去の存在なのであった!

 ――大体、仮面ダレダ―2号なんて古いんだよ! 今は仮面ダレダ―帰一きーつだろうが! まぁ俺的には、仮面ダレダー小津おーずが好きなんだがな……

 って、お前! めちゃめちゃ知っとるがな!

「で、そのくたびれた仮面ダレダ―2号が俺に何の用だ?」


 タカトの向かってファイティングポーズをとる仮面ダレダ―。

「極悪怪人タカト! 長らく姿を消していたと思えば今ここに顕現するか!」

「はぁ~?」

 突然の事に意味が分からないタカトは首をかしげる。

 ――コイツ、頭おかしいのとちゃうか?

「タカト! お前は少女の清らかな心に傷を作りし男! その罪万死に値いする! 今日こそココで私がお前を成敗してやる!」

 もしかして、少女とは怪盗マネーの事をいっているんでしょうかね?

「なんで俺が女の子の心を傷つけにゃならんのだ! だいたい俺は女の子には超優しい男で有名なんだよ!」

「うそだぁ~ タカトの場合、下心ありありの優しさじゃない!」

 笑うビン子がすかさず突っ込んだ。

 だが、そんなビン子のツッコミすら耳に入らない仮面ダレダ―は声をさらに荒らげていた。

「そう! その優しさこそがアルテラの心に深い傷を負わしたのだ!」

 ちがったぁ!

 どうやら少女は怪盗マネーではなくて、アルテラという少女の事だった。

 って……

「おいおい! そのアルテラって誰だよ!」

「問答無用! ダレダぁぁぁぁぁぁ頭突きぃぃぃぃい!」

 全く聞く耳を持たない仮面ダレダ―は、いきなりタカトに向かって頭から突っ込んだのだった。


「ダ~メ~ダ~メ~波ぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ダレダ―のパフォーマンスに気をよくしたビン子が、突っ込んでくる仮面ダレダ―の頭めがけていきなり両手を合わせると勢いよく突き出した。

 そう、それは! 仮面ダレダ―48の必殺技うちの一つ! ダメダメ波!

 説明しよう!

 この技は合わせた両手からダメダメ光線なるものが射出されるのである。

 この光線を浴びた怪人はたちまちダメ人間となり職場放棄をして子供部屋に24時間籠るようになるのだ。そして、あらゆるSNSに元職場であるツョッカーの罵詈雑言を日夜、絶えず書き込むようになるのである!

 もしかして、そんな生産性のない恐ろしい光線をビン子が発射できるというのか?

 いやいや……できるわけないやろ!

 これでも一応、頑張り屋さんのビン子ちゃん。嫌なことがあっても引きこもることなく明るく頑張りぬくのだ。

 まぁ、これがタカトならすぐに拗ねて部屋に閉じこもってしまうのであるが。

 そう、だからこのダメダメ波は子供たちがよくやる仮面ダレダ―の真似事なのである。

 というのも、ビン子の目の前で仮面ダレダ―がわざわざ必殺技の『ダレダ―頭突き』を演技してくれているのだ。

 これを迎え撃たないとダレダ―ファンとして名が廃る!

 ということで、ニコニコと笑いながらビン子はダメダメ波を放ったのである。

 確かにこの時点のビン子は、こう思っていたのだ。

 そう、ダレダ―の放つ殺気に全く気づいていなかったのである。

 ダレダ―の頭突きが明らかにタカトを潰そうとする勢いであるにも関わらず。

 しかし、ビン子の手の平からは光線がでるわけもなく……仮面ダレダ―にダメージなど入らない。

 その止まることのない勢いはイノシシのようにビン子の弾き飛ばし、その後ろにいるタカトを砕く!


 はずだった……


 だがしかし、なぜかビン子が広げた両の手のひらの中にすぽっと納まったダレダ―の頭がピタリと止まっていたのである。


 それを見たタカトがニヤリと笑う。

 ――コイツ! もしかして弱い? 威勢だけのハッタリ野郎とか?

 ならば!

 チャンスとばかりにタカトは仮面ダレダ―のヘルメットを掴もうとした。

 いや、掴んだのではない。

 タカトの二つの親指の第一関節が仮面ダレダ―のこめかみに強くあてられていたのだ。

 こ! これは!

「俺の必殺技4th.(フォース)! こめかみギュー!」

 タカトの折り曲げられた親指の関節が力強く押し込まれていた。

 だが……仮面ダレダ―はフルフェイスのヘルメットをかぶっている。

 当然、そのこめかみは固い装甲で覆われているのだ。

 効くわけがない!

 そんな貧弱なタカトのこめかみギューなどダレダ―のこめかみに届くわけは絶対にないのだ!


 だが、ダレダ―が突然、悲鳴を上げのけぞったのだ。

「ぐわぁぁぁぁぁぁ! やられたぁぁぁぁ!」

 ――へっ?

 それに驚くタカト。

 そう、タカトは今までケンカなどに勝ったためしがない。

 ベッツなどに、こめかみギューなどしようものなら逆にこめかみギュー返しを食らっていたのである。

 それがどうだ、目の前の仮面ダレダ―はヘルメットを押さえうずくまっているではないか。

 ――もしかして、俺、勝ったとか?

 そう、タカト、初勝利の瞬間であった。

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